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天使のパラノイア  作者: おきつね
第十五章
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第十五章『日ノ本と大陸で起こった不可解な事件』その②

「はっはっは!!よくぞ来た!いやむしろ遅すぎるな天使ミョルエル!この我を待たせるとは、図体に見合わず随分と大きく出たな。さて、如何様にしてその罪を問おうか?」


 本殿の屋根の上、酒を片手に胡坐をかいていた人物がミョルエルへと大きな声を張り上げ問いかける。


 道中も変わらずめんどうくさそうな表情を浮かべていたミョルエルは、殊更めんどうくさそうにため息をついてから腰に拳を当ててはビシッと指を指す。


「貴方に問われる罪など一つもありません!ていうか…何を偉そうにしているのですか?!ここは依李姫神社、貴方の無礼が通るような場所ではないのです!!」


「黙れ愚か者!お前こそ我を何と心得る?!我こそは雷の名を関する神なれば天を支配する真なる存在。不全なお前が口答えしていいはずが無かろうが、其処に直れ!!」


 酒瓶を乱雑に置き、ミョルエルの眼前へと飛び降りた人物は神雷をその手に纏う。


「というかミョルエル!お前の持っている神雷はいつ手放す気でいる?兄妹揃って俺が受け継ぐべき物を扱いおって…先の戦いの為にも俺もまた万全でなくてはならん。それは理解しているな?」


 別段、攻め気のない眼差しをミョルエルに向けて問いかける雷神の子は、ミョルエルの返答を待つことなく神雷を収めた。


「…もちろん、理解しています。ですが…今はまだ、この力を手放すことはできません」


 僅かな沈黙を経て、ミョルエルがそう口にしたのを耳にして雷神の子は瞼を少し動かすが―


「ただ、この身を死なせるわけにはいきません。私には果たすべき…果たさなければならない使命があります。…時が来たらこの力は必ず貴方の元へ」


「………ふぅ、ならばいい。その旨、必ずやお前の兄にも伝えておけ」


「はい、お伝えいたします。この身に誓って」


 スッと凛とした佇まいのまま頭を下げたミョルエルに、雷神の子は背を向けて「誓われるまでもない」と吐き捨ててから手を空へ向け磁力を発生させる。


 すると本殿の屋根の上に置いていた酒瓶がカタカタと揺れはじめ、やがて宙に浮いてから雷神の子へと引き寄せられ空へと向けていた手中に収まった。


「これ以上外で話すのは野暮ったいな。中に入れミョルエル。お前達にしてもらわねばならない事がある」


 顔だけを向けそう言ってから本殿の中へと入った雷神の子の背を追い、ミョルエルは小首を傾げてから本殿へと足を進め依李姫もそれに続いた。


 本殿の中の一室ではミョルエルが見知った顔がいくつもある中、見慣れない顔ぶれが一緒に並んでは入室したミョルエルへと視線を向ける。


「さて、此処に集まっているのは依李姫が華奢な足で歩き回り声をかけた『英雄気質の人間の代表者』とメレルエルにアラドヴァルとその付属品。そして、エリミエルもといエクスカリバーとその部下に加えエーテルガンド。…本作戦の中枢メンバーだ」


「これはこれは…錚々たる面々です。これだけいれば『神代の怪物』の一匹や二匹討伐できそうですね。それで一体何をしようというのです?エクスカリバーが此処に居るということは天界にもその作戦が伝わっているはずですが…私は初耳です」


 依李姫を先に座らせそのすぐ隣に腰かけたミョルエルは、そういえばと改めて部屋の中を見渡し自身の部隊隊員の姿がないこと確認する。


「天界で伝えたとして、どうせこっちで改めてその詳細を話さねばならないのだ。であれば二度手間を省くためにと、敢えて伝えないでいいと予め伝言したまでのこと。それと現一と現八の他の面々には視察に向かってもらっている」


「ふむ、そうですか。私の許可もなく部下を使うとは業腹ですが、何やら急を要する様ですね。現界で何が起こっているのです?」




「まず事の発端は日ノ本を始め、現界のあちこちで原因不明の症状で倒れる人間が次々とでてきた事だ。倒れた人々を看た結果、通常使えない魔力を大きく浪費したことによる一時的な意識障害―まあ俗にいう『魔力欠乏症』であることがわかった」


 魔力欠乏症―魔力を扱う事ができない人間が何かしらの原因によって体内に内包する魔力を失うことで発症する意識障害の一つ。


 重体ともなれば昏睡状態にも陥ってしまう為、早急かつ適切に対処する必要性がある。


「早々に対処したにも関らず少なからず死者を出してしまっている。…これ以上は看過できん。よってその元凶を突き止め対処する事が急務となった」


「なるほど…その為の大人数ということですか。天界の天使を多数動員しないのは、以前の様な襲撃を警戒してですね。今回の一件、世界各地となれば現界の天使だけでは数が足りません。天界の天使を多数動員せねば対処できないほどに大規模でありながら、天界の守りは崩せない為に大多数は動員できない。…様々な要因を考えれば、これが最適解ということですね」


「まあ此処に居る人達は今回の一件の為に集めたわけではないのですが、災い転じてとでも言いましょうか…おかげで対処する為の選択肢が増えたのです。きっと、何とかなりますよ」


 すぐ隣で微笑みかけてきた依李姫のその言葉の説得力の無さに乾いた笑いしか込み上がってこなかったミョルエルだったが、今も現地で事件解決の為に動いているミョルニルやフェイルノート、そしてエクスマキナや他の現界の天使多数の事が頭に過り、やらねばならないと意を決する。


「えぇ、そうですね。何とかせねばなりません。微力ながら依李姫様の望みを叶えるべく尽力致します」


 謙虚な姿勢でありながらも自身に満ち溢れた表情でいうミョルエルを見守る一同は、程なくして事件解決の為の作戦会議へと舵を切った。


「さて本作戦の中枢となって動くのは俺だが、日ノ本と大陸―その二つを中心とその周辺の現場で指揮及び戦闘の矢面に立つのは、日ノ本側はミョルエルとメレルエルの両名とその部下達。大陸側はエクスカリバーとエーテルガンドの両名とその部下達だ。英雄気質の者達は今事件に便乗して好き勝手に蠢いているウジ虫共を潰せ。単純な労働力で言えば一番苦労するかもしれんがな」


 己が言葉通りに話の舵を取る雷神の子の呼びかけに各々が返事をし、自身と持ち場が近い者同士でどのように動くかと話を詰めていく。


 そんな中、雷神の子はミョルエルとメレルエル、そしてエクスカリバーとエーテルガンドを呼び出しては依李姫と共に四人の役割を告げる。


「―とまあこんなところだ。ここまでで何か質問はあるか?」


 各々の役割を告げられてからそう問いかけられた四人はすぐさまに手を挙げては、納得がいってなさそうな表情を浮かべていた。


「ふむ、ではまずミョルエル」


 そう名指しされたミョルエルは一度息を吸っては吐き、落ち着いた声色で雷神の子へと質問を投げかけた。


「何故私とメレルエルは学生をしなくちゃならないのですか」

思っている以上に執筆能力が下がってる…

いや本文とか描写の表現がうまいとかそんな高度の話じゃなくて

文字を打ち込む能力とでもいえばいいんですかね、とにかく遅い

あと考えがあんまりまとまらない 風かしら



まあ兎にも角にも導入はこういった感じです

そんでもって次の投稿は11/12(水)とします

言い訳ではないですが、ナゾニこれ投稿直前の二週間が怒涛に忙しかったんですよね

次はもっと長く描けるよう頑張ります

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