六月の手紙
お兄様へ
ジメジメした季節がやってきましたね。私の心も今ジメジメしています。
このジメジメした季節をお兄様はいかがお過ごしでしょうか。毎日明るく、その明るさは太陽のよう、とまで例えられる陽気……こほん、元気なお兄様なら、梅雨などと軟弱な季節は吹き飛ばしてしまうのでしょうね。
さて、もはや定番となった上司のお話になります。
最近上司がおかしいです。いえ、おかしいのは元からなのですけれど、いつも以上におかしいのです。
なんか自分で私にトラップ仕掛けてくるくせに助けてくるのです。意味不明です。しかも毎回毎回恩着せがましく、僕がいなかったら大変なところでしたね、とか言ってくるのです。意味不明です。上司ががいなければそもそもトラップなんてないんですが。後お礼金を要求されそうで助けられる(まあ、上司が仕掛けたトラップなんですけど)度に不安を感じてしまいます。
また、最近よく食事に誘われます。本当に上司が何を考えているのか理解不能です。正直毒が仕掛けられてそうで恐ろしく断りたいのですが、彼は上司、下っ端が口出しなどできません。今のところ害はないですが、最初甘い言葉をはいて油断したところで牙をむく、なんてよく聞く話。注意は決して怠りません。
と、こんなおかしな上司ですが、最近はだいぶ仕事にも上司にも慣れてきました。嫌味を聞いても……イラッとはしますが、受け流せるようになりました。そんな時の上司の顔は少し拗ねたようで面白いです。
私この仕事一年くらいなら耐えられるかもしれません。応援していてください、お兄様。そして目指せ、億万長者。
立派な社会人に近づいたメアリーより