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俺が理不尽です  作者: セロリM
足の引っ張り相い・試練を与える迷惑宮

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閑話:元暗殺者? 達の現在 《1》



ぐ、具合が悪い…! これが夏バテですか!?



 





 気まずいネ。


「皆よくこの空気の中で普通に菓子食えるネ、ある意味感心するヨ。」



 妖艶な美を纏う女性”武道家”リェンファは呆れたように言う、そのリェンファの視線の先には饅頭を片手に抹茶を飲むディランに、寿司を片手に好物のリンゴのジュースを酒に混ぜ飲むエヴァ、そして”No.ズ”のリーダーとして見聞を広げる為に無理に付き添いに来た”No.1”だった”カロナ”


 そのカロナの手には”外カリ中モチポテト”が。



「んやぁ、だって美味いぞ?」


「理由になてないネ。」


「菓子じゃねェ、寿司だ。」


「違うそうじゃないネ、てか。エヴァは一体何処からその寿司もてきたネ、下のロビーになかたダロ…?」


「白夜に作らせた。」


「だから白夜いなかたカ、もしや…おかわりも作らせてないカ?」



 ジトっとした目線をエヴァに送るリェンファ、しかしエヴァは(しっか)りとリェンファの目を見つめ返し、言う。



「次はステーキだ、アイツの焼き加減は絶妙なんだ。」


「このおバカ、本当にお馬鹿ダ。」


 ドヤ顔で言う事じゃないネ。

 思わずこめかみを押さえ首を左右に振ってしまう。



 サクサクサクサク。



「……美味カ…?」


「是、とても。とカロナは返答する。」


「…そうカ。」


 返答後即サクサクと口にポテトを食べるカロナを見ながらワタシは考える、このポテトも下のロビーで見かけなかたナ、と。

 ワタシもなんか作てもらうカ? いや、あの氷点下以下の眼差しがそろそろ物理的な現象を引き起こしそうダ、やめとくカ。



 巨大なスクリーンを囲み”他国の政治家達”と議題を繰り広げる政治家達から、少し離れた位置にいるスーツを着こなした眼鏡が似合う三つ編み美女の視線から逃れるようにリェンファは椅子を回し背を向ける。



「どうしたんだリェンファ?」


「腹減ったかァ? 白夜になんか作って貰うか?」


サク(心配)サクサクサクサク(我慢は体に毒です)サクサクサクサクサク(そうカロンは告げます)


「オマエらの心臓は特殊合金かなにかで出来てるのカ……? ワタシは少し恐怖すら覚えるゾ…。」



 そう決して小さくない声で会話するリェンファ達だが、政治家達は見向きもしない。

 スクリーンからはどうやっても見えない位置に居るとはいえども、だ。

 同じ室内に居る日本の政治家達すらも、リェンファ達に視線を引かれない、否、数人は意識を向けてるが、それ以外の全ての者が見向きもしない。



「────」

「────」

「────!」

「──?──!」



 ただひたすらに議論を重ねるだけだ。


 その様を気配察知で見ていたリェンファはポツリと言葉を零す。



「あの繊細な動きを見せるヤツらが死人とはナ、とてもそうは見えないナ。」


「同感だな、血行も心臓の動きも、表情感情も全てが生きてる人間のそれだ。」


アレ(死人形)が出来るのが敵だたとすれば脅威所の話しではなかたネ、しいて欠点を上げるならどれカ?」


 ワタシは思いつかないネ。


「あー、元の人より優秀になる事かァ? んだが、通信手段が組合(ギルド)に握られてる現状、欠点でもねェか……。 確かめようもねェしなァ。」


 そう発言シ、完全無敵かァ? ハッハ──!! と笑うエヴァにカロナが決して手を止めなかたポテトへ伸ばす手を止メ、ポツリと言う。


「先ず、バレてしまおうとも痛くも痒くも無いでしょう、困るのは薮を突こうとした者だと断言。 一つ欠点を上げるならカロナは総司令の負担が大きい事かと。」


 負担………?


「(負担だァ……?)」


「(負担かぁ……?)」


(((あの理不尽に掛かる負担が思いつかねぇ(ないネ)ー。)))



 3人の心の声が揃い、(0.3)秒、ディランが手をポンと叩く、それに嫌な予感を覚えた2(エヴァ&)(リェンファ)



「つまるところ家庭、そして操作してるのは白夜の多重思考の1つ、掛かる負荷は──熟女ッいた()ァ!?!?」



 ズパンと全く同時の2つの炸裂音、ディランはおでこを抑え仰け反った。



「…?」



 いっぱい操作してるから負荷が掛かっているだろう、と純粋な心配をしたカロナは首を小さく(かし)げる。

 熟女の夜の相手が大変なんだろう、と口に出そうとした男とは純粋度が違った。


 猫背の背筋を仰け反らせ涙目のディランが震え声で言う。



「じょ、ジョークなのに……!!」


「えらク」


「ブラックな、な。」



 底知れぬ極寒の声の2人、ディランの涙目がさらに潤いを増した。

 そして心なしか、冷たかった氷の目が絶対零度へと転じた。


 戦時には頼りになる気怠げイケ男は、日常となれば残念な気怠げ残念イケ男と成るのだった。



「冷たい…! 視線も何もかもちゅめたい……!!」



 ソレをコッソリと物陰からステーキとポテト、サラダ、桃のデザートに飲み物、軽く摘めるパンなどを大きなトレーを片手に乗せ見ていた白夜(分身体)は思う、”俺は好きだぞ、そのブラックジョーク” と。


 ちなみに、ジョークかどうかは───知るのは操る白夜のみ。


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