ステータスとモンスターとジョブ【 2 】
亜樹が目にしたのは、何時もとあまりにも”違い過ぎる”ステータス画面。
ステータス───
名前:【亜樹】・年齢【120116858】・性別【女性】
・種族:【混沌樹の神龍姫】
・存在【308】
●職業:<><><><><><><><>
─【ステータス値】
─【所有スキル:一覧】
・【龍神の御業Lv.54】
・【魔力操作Lv.51】
・【吸収Lv.96】
・【龍神の戦技Lv.51】
・【龍神の神圧Lv.44】
・【混沌の枝Lv.50】
・【不滅の概念体Lv.99】
・【魔導・全Lv.52】
・【魔術Lv.46】
・【魔創炉の心臓Lv.61】
・【混沌の属性Lv.87】
─【所有エクストラスキル:一覧】
・【特別な一】
・【混沌樹の権能】
・【職業の法則】
─【所有称号:一覧】〔:【第三階層の君主《元》】:【頂きの龍】:【理外】:【神龍姫】:【貪り尽くすモノ】:【混沌の理】:【理不尽の隷属者】:【モンスターの法則から脱却せし者《かなり強引》】〕
─【現在装備:装備一覧】
【外神纏衣”万変”】
────────
目を見開き、ステータス画面を上下させ端から端までを舐るように見渡す亜樹
「ど、どうなっているんだ……? モンスターたる己のスキルレベルが確りと表示されてるだと? それに何が一体どうなっている…? コレではまるで、人間のステータスではないか…!?」
ぴよこりと後ろから覗く白夜さんですよっと、おお驚いてる驚いてる、驚愕に目が見開いてるけど、亜樹の顔は何処と無く嬉しそうだ、よかった。
そうだよなぁ…、モンスターのステータスって、なんであんな表示雑、……ってあぁ、”意志を持ったユニーク個体”が少ないからか。
智核達法則を弄れるヤツらも基本、”食材”として創り出してるモンスターに対しては無関心だって言ってたしな、見易いように、分かりやすいように整備する意味が無いのか。
”ユニーク個体”なんかは本当産まれるのすら世界のバグみたいなモノだって言ってたし、その産まれたユニーク個体に興味があって優遇したとしても、そいつが見てるステータスを整備しよう、と思う事がないとか、てか思いもしない、思考もしないってヤツらしいからなぁ。
そもそもが”ステータス”の法則を弄れるのは一桁のダンジョンコアでも限られた、4人、智核、明華を数に入れなければ2人だって話しみたいだし。
そりゃあんな雑にもなるわな、とモンスター特有と言うべきか”種族名とスキル”しか表示されないステータスを思い浮かべ苦笑いが浮かぶ。
てか今更だけど、ここまでステータス変えるなら、スキル名失敗したなぁ、完全に職業だけじゃないもんな影響及ぼしてるの。
ん〜、今度ステータスの見える設定弄る時にスキル名変えとこ、うん。
常世に渡した時と同じことしてるケド、是非もなし。
「おイヤだったかな?」
「い、嫌とかではまったくない! ただ、あ、汝様見てくれ! ここの表示を押すと攻撃値とか出てきたぞ!? わ、運まで見えるではないか…! てか人間のステータスの表示の理、進化してないか!? っ、装備の補正まで見る事が出来るのか!?」
「喜んでくれてるようで何より。」
「汝様…、ありがとう! 感謝する!」
なんか、初めてゲーム触った娘達を思い出すなぁ……
ステータス画面を初めてのスマホを触るように好奇心のままにタップする亜樹を親心のような心持ちで後ろから眺める、和む。
さて、その上の空欄触れば職業に就けるようになるよ、っていつ教えようか、てか自分で気付くかな?
眺める事数分、いっこうに気が付かない亜樹、ありゃ? 何故だ? …んー? ああ!
「亜樹、亜樹すまん、忘れてた。」
「んむ!? なんだ汝様!?」
興奮を隠しきれない亜樹の様子に少し罪悪感が湧く、
そうだった、”普通の人”は職業に就くにはそれ専用の”アイテム”が必要なんだった、と。
だから亜樹は気が付かないんだ”職業欄を触れば普通に職業に就く事も転職、職業進化もし放題の機能を詰め込んだ”事に、そりゃ言ってませんもん、本当すんません。
「説明を忘れてた、そこの職業欄、てか職業、って表示されてる横の方にある記号、なんか」
「これ、か?」
「そう、ソレ! 触ってみてくれ。」
「?うむ、汝様がそう言うなら、……!? え、あ、え? 職業に就くには母様達がお創りになる”アイテム”が必要になるのでは、……は!? そうだ汝様は必要としてなかった、それの機能を己にも授けて下さったのか!?」
「う、うん」
ズイッ、と顔を近付け興奮ありありと顔に出る亜樹の言葉に、頷く事しか出来なかった。
「お、おお……!! これは、そうだっ、龍眼なら、見えた!」
「ふふっ、」
まぁ、いいか、自分の欄に映る職業を見て、効果内容をしっかりと鑑定と同じ、いやそれ以上の性能を誇る”龍眼”で確認する亜樹を見て、あぁ俺も初めてそんな感じだったなぁ、と和みながら見守る事にした。
悩み楽しそうに職業を選ぶ亜樹を見守る事そろそろ30分、微笑ましい。
そんな事を思いながら別思考では他の事を考える、それは次の階層の事だ
さーて、次は何の龍かな、”聖”の次だから”邪”とか、かな? てか黒刃を次はなんの形態使うかな、
槍もアリだし弓とかもイイな、戦斧、”機腕”もアリだな!
”機腕”、無骨な機械の補助腕、アレだ、よくアニメや漫画の幼女や少女が腕の辺りに付けてる身長とかと不釣り合いな機械の腕、アレを再現して作った物、もちろんアニメや漫画のように機能性も重視してるぞ!
俺達が”浪漫シリーズ”と名ずけた武器だな、アレ良いんだよ、まず見た目! 色々な装飾で作ったけど、特に気に入ってる2つはアレだな、完全な機械っぽい無骨なヤツと、悪魔悪魔しい雰囲気を全面にだしたヤツ、アレいいんだよぉ〜、しかも機腕系の大きなヤツはその見た目そのものに機能を求めれるからな、魔剣とかに施す付与とかも”イイけど”やっぱり”科学と魔法”の合わさってるって言うのが一目で分かるのもイイ!
殴って良し! 魔法を装填できるからソレをブッパなす、またはそのまま殴るのも良し! 遠隔操作でロケットパンチを再現するも良し! そのまま飛ばした腕で掴むも良し!
もう、最高だな!
作って俺も一回は使ってみようかなー、なんてウキウキでアイテムボックスに仕舞ってたのがいつの間にか黒刃に喰われてた時は唖然としたけどネ!
いや、おかげで何時でも使えるようになったけど、完全にオーバースペックになったんだよなぁ……、少なくとも地上で使えない程には。
間違って腕を飛ばしたら確実にその飛ばした腕の速度で発生するだろう破壊跡で軽く大陸を抉る自信がある程度にはオーバースペック。
掴もうととしたら相手を握り潰すなんて事故に入らない程度にはオーバースペック。
しかも自分の腕じゃないから制御も何もないしね、いや魔力やスキルで性能を落とせばいいんだろうけど、そこまでして地上で使う必要はないしな、ダンジョンで使えればいいし。
……今度は遠隔操作型特化の機腕作るか。(諦めきれない未練)
「完璧だっ! 見てくれ汝様!」
お、選び終わったか
”スキル──【魔創炉の心臓】”
・一息で魔力の瞬間回復。
・限度無し。
・一度の生成量はスキルLv.に依存。
───《”龍”シリーズ【身体機能】》
”スキル──【不滅の概念体】”
・司るモノへの完全支配権、同様のスキルが存在した場合スキルLv.の高いモノへ。
・司るモノが存在する限りの”不滅”。
・概念ながら体を持つ事が出来る。
───《”龍”シリーズ【身体機能】》




