君色へ染まりたくて。
|ω・` )チラット
パチクリと綺麗なお目目を瞬かせる龍の神さまに、俺は笑いかける。
気絶した時から随分と回復してしまった、有り余る魔力や神力を眼に写しながら。
「さて、再戦希望かな?」
俺の中で飼ってる龍種もそうだけど、ドラゴンて種族は大概が戦闘好きだからなぁ………、 ま、テイムするのに何度でも付き合おうか。
そんな気持ちで問い掛けた言葉は、
「否、己は再戦を望まぬ」
───その一言で両断された。
おや? と内心首を傾げながら俺は理由を聞く。
いや、聞こうと口を開こうとしたが、龍の神さまはこちらが言おうとしてる事など分かりきってる。 と言うように、先に口を開いた。
「汝のそのドラゴンは全員戦えれば死ぬ迄戦うだろう、なんて思考は偏見が過ぎるぞ、 ………若干、そのような傾向があるのは認めるが。
──少なくとも己はそこまで望まぬ、なにより、己は汝に大敗を喫している、彼処まで完膚無きまでに負ければ言い訳の入る隙間などないだろう。 己は汝にすべてを委ねる、殺すも良し、生きた素材にするも良し、───または、この様な姿形を取っているのだ、古代からの習わしに則り、凌辱す──「おっけい、”テイム”させてくれ。」ふむ?」
掛けた服を着崩し、挑発の色を含んだ瞳でこちらを見、とんでもないことを言おうとした龍の神さまの言葉を遮り、俺は本題をさっさと告げる。
「そうか、ふむ、ずっと疑問だったが、その為のテイマー枠であったか、一向にレベルを上げず、テイムする姿勢も無かったものだから、己は汝が自分のジョブを忘れてしまっているものだとおもっていたぞ、否、そうか。 汝では程がワンパン、そして耐えるヤツも母の命令には背かない、成ればめぐりあいが悪かっただけ、ただそれだけの事か、うむ、うむ、そうだな、己の目的からしても乖離は無き、汝の勝者としての命令も喜んで受け入れよう。(────それに服で己の肌を隠すまたは気を使ってくれてる所をみれば、脈の無い話ではなさそうだ、時間を掛ければ……)」
───ゾクッ
と、普段から身に感じてる視線を俺を射抜く、コレは……肉欲、変な地雷を踏み抜いてしまったらしい。
満面の、とは行かずとも純粋? な薄い笑みを浮かべる龍の神さまに俺もまた笑みを浮かべ手を差し出す。
まぁ、性的に狙われるのは、何故か何時もの事だし、と諦めの境地で
「ふむ、テイムとはこのような簡単な儀式で出来るものだったか?」
俺の手を握り疑問を口にしながらニギニギと俺の手の感触を確かめるように動かす龍の神さま
「まぁ、ね、」
そう言いながら俺は龍の神さまに、問い掛ける。
一応、テイムに必要な手段とされる第一を成す為に。
「龍の神さま」
「なんだ?」
「龍の神さまって、名前とか持ってる?」
「名……、真名、否。持っていないな、己が名乗ってるユグドラシルは、名前、と言うよりも己の種族名だ、だから個体を表す名を己は持ち合わせていない。」
「なーるほど、なぁ……」
さて。 そうなってくると、俺が名を授けないといけないんだが、毎度毎度気が重い……。
名前なんて、そいつ次第ではあるけど、一生物だしなぁ、せめて、聞いて疑問の抱かない発音と、名に意味を持たせたいなぁ、しっかしそうポンポン浮かんでくる物でもねぇし、なぁにより俺はネーミングセンスはゼロの者と分類される側だしなぁ……。
「……?」
首を傾げる大層綺麗な”少女”を改めて見る。
顔の造形は最上、美、と言う美が込められた、魔性というよりは”天性の美”
あどけなさを残す顔だが、纏う雰囲気があどけなさを後押しし、言い様のない魅力を孕み。
瞳は髪と同じく黒緑色の瞳、見ているだけで吸い込まれそうな魅力と深さを感じ。
体のラインは滑らかに、されど確かに女性を感じ……、ってコレは名付けと余り関係ない感想だな。
ふぅ、ん。
魔力の色は、深緑、何処か安らぎを感じる。
んー、それで龍の神、てか龍の神姫だっけ? いや、姫の称号はあんま名前と関連させない方がいいか、”姫”なんて進化の過程で取れそうだしな。
ん〜〜〜〜〜〜、んんんんんんん。
「──”亜樹”、悪いな、あんま考え過ぎるとキラキラネームになりそうだし、だからって男っぽい名前も、性別が分かってるのにつけ、ってコレも十分男っぽいか、ま、気に入らなかったら適当に変えてくれ、俺にはコレが限界だな。」
あー、やっぱ、センスがなぁ、在り来りな名前しか出なかったな。
「────、ふっ、フフフ、ははははっ!」
「んだよ、あんま嗤なよ、一応これでも頑張って考えたんだ。」
俺が少し拗ねた風に言えば亜樹は慌てた様に手を胸の前で振り、すまないすまない、と微笑む。
「汝が己の名でそこまで真剣に考えてくれるとはな、フフフ」
微かに濡れた目を拭い、亜樹はこちらを見据える。
「では、これより”混沌樹の神龍姫”真名を亜樹たる、己は汝に隷属を此処に誓おう。
────さぁ、教えてくれ、汝の名を己に。 我が狂愛を預けたる主よ。」
そう劇場の一幕のように大胆に膝を従き、言う亜樹に、俺はため息を零しそうになるのを堪える、お前”龍眼”で人の事散々鑑定しただろう、と出そうになる言葉を呑み込む。
「────式理 式理白夜だ、白い夜と書いて白夜だ、よろしく、な。」
そう言いながら俺は膝を着く亜樹を起こそうと手を差し伸ばす、その手を亜樹は”掴み”手の甲へ。
「って、ちょっ!?」
「なぁ、に、誓の口付け、さ。(必ず己も汝の……ふふ)」
亜樹の少し温もった舌が俺のぉ!?
───ひゃっ!? なぁんで舐めるんだァ!?
蒼空の下に、甲高い男の娘の艶混じりの悲鳴が響いた。
《────混沌樹の神龍姫の打倒が確認されました、存在が31から68の上昇、存在99となりました。
────混沌樹の神龍姫へのエネルギー捕食により、”理を貪り喰らう魔神”のLv80がLv89上昇、”理を貪り喰らう魔神”のLvが169となりました。
同様に”万龍喰らいの戦神Lv81”は“万龍喰らいの戦神Lv168“となりました。
────職業魔導帝Lv2が魔導帝Lv50へと達しました。進化の選択肢が一つしか存在しません、職業進化を始めます………──完了。魔導帝は、”魔の理を総べる者”へと進化しました。”魔の理を総べる者”のLvが過分の経験値により、”魔の理を総べる者Lv29”へとなりました。
────職業”テイマーLv1”が、テイマーLv15となりました。選択肢が二つ以上ある為、保留となります。
──リザルトを中断します。》
ううう、今月分となります、こ、これ以上は飛んでも跳ねても出て来ませんよ!?
茶番は終わりとしまして、皆様、今月もお待たせしました! 今月分はこの位となります! お読みくださり、誠に感謝を、良ければ下の星マークをタップなどで評価、ブックマークをください、作者の励ましとなります。
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