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俺が理不尽です  作者: セロリM
足の引っ張り相い・試練を与える迷惑宮

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閑話 良き空の旅を

 



 リェンファ達は、あの後しばらくの雑談をした。


 そして話すこと数時間後、艦長の紬が定期報告の時間とゆう事で、リェンファ達は気を利かせ艦長室からお暇する事にした。


 その際に紬は、部屋を必要最低限しか与えられてなかったリェンファ達にこの度のお礼としてリェンファ達は一人一人、に部屋を振り分けた。


 それを有り難く頂戴したリェンファ達は、空の旅を満喫していた。



「ンー! このクレープ超旨いネ。」


 機空戦艦内に完備されている食堂に売っていたクレープを片手にリェンファはエヴァと食堂巡りをしていた。


「あァ、こっちのアイスクリームも絶品だぜ?」


「一口くれネ」


「交換な」


「謝謝」



 互いに買ったモノを一口ずつ分け合う二人の姿は、暗殺者として雇われていたとは思えない程ほのぼのしていた。


「んまっ」


「美味」



 そんな二人を遠目で眺めながらタイランとディランは、食堂に配置されている席で買ったお土産を整理していた。


「タイランは妹にか?」


「ん、んだな。アイツ、辛い物に目がない、お土産買ってかないと怒る……」


「ははっ、互いに下に兄弟が居ると大変だよな、可愛いもんだけど。」


「んだ、ディランは故郷の家族にか?」


「そうだよ、たく兄弟が多いと出費が嵩むよ、だがこうやってのんびり出来る久々の時間だ、可愛い家族の為にがんばるか。センスはお察しだがな。」


「オデは食い物で楽なんだな。」


「服とか頼まれると地獄だぜ……」


「そ、そうぞうしたくないんだな……」



 そう苦笑いを交わしながら話す二人の目に届く範囲では、”黒いマントに能面を被った背丈の低い集団”が食堂のあちこちで見た目からは想像が少し難しい可愛いらしい足音を”たったったっ~”と響かせながら、食堂で売ってる物を買い漁っていた。



「コレ」


「はい、熱々肉マンをお一つでよろしいですか?」


「?…ん!」


 食堂の店員が小さい黒マントの接客をする。

 首を傾げていた黒マントは熱々肉マンが自分が指差したモノだと気が付いたのか、一度頷き、500円を差し出した。



「はい、500円お預かりしますね、では熱々肉マン120円、お釣が380円となりまーす。」


「?????」


 受け取ったお釣と熱々肉マンを片手に黒マントは首を傾げる、それに近付くもう一人の小さな黒マント。



「構造理解、No.23に任せる。」


「状況理解不可能、No.21、これより説明、No.23に任せる。」


 うむ、とばかりに胸を張りもう一人の黒マントは頷き、500円を指に挟み見せつける。



「これは500円と呼ばれるモノ、食料それぞれには値段と呼ばれる数字が割り振られている、その数字によって500円で食料を買える、No.21が買ったソレの割り振られた数字は120、その為500円で払った場合、マイナスと呼ばれる作戦が実行される、」


「知識にある、算数と呼ばれるモノと推測。」


「是、その算数によって導き出された答え、500をマイナス」


「理解、それがお釣と呼ばれるモノの正体。」


「情報共有完了」


「感謝する。」


 そう黒マントがもう一人の黒マントに頭を下げると、もう一人の黒マントは満足気に頷き、ドーナツコーナーへと走り出した。


 残された黒マントは片手に持った熱々肉マンを能面をずらし口に含むと”ピタッ”と停止、数秒の停止から再起動と共に”もっもっもっ”と熱々肉マンを口に詰め込むと、手元にあるお釣を眺め、食堂の店員の所に歩き出した。


 その姿を微笑ましげに眺めていたリェンファがポツリと呟く。



「あんな可愛いのを暗殺に利用とか、ヤツラやぱり人の心ないネ、」


「あァ同意するが、マァ戦闘能力は一級品だ、戦士として欲しくなるのはわかるけどな。」


「”モンスターチルドレン”だたカ、ハッ、ただのステータスをもた訓練した子供達ネ、なにがモンスターカ。」


「あのゴミからしたらステータス持ちなんて全員モンスターなんだろォよ、あァだがモンスター(怪物)はネェな。」



 エヴァはそう吐き捨てると近くを通った走る黒マントを一人頭に手を置き止める、


「??? エヴァ・バートン戦士、要件。??」


「んャ、ちとした情報共有だ、その紬艦長に貰ったヤツ、お金って名称なんだが、その丸っこい500円だけじゃなくて紙のやつも使えるぞ、絵柄違うだろ? こっちが千円てやつ、こっちが五千円、んでこれが一万円だ、」


「!?!? 」


 ドーナツを持った黒マントの手が震える。



「こ、このポンでワッカが、い、いっぱい…! 情報共有感謝! No.に共有する!」


 スタタタタッ、と消えるような速度で走り出した黒マントにエヴァは手でワッカを作り言う。



「あんま走んなー迷惑になるからなー!」


 謝罪!!と遠くから聞こえてくる。



「可愛いナ。」


「俺の弟もあんぐらい可愛いぞ。」


「弟自慢乙ネ、ブラコン」


「ハッ、たりめぇだろ、こちとら弟の為に国くらい売る程の弟バカだぞ。今さらだ。」


「それもそだたネ、」


「んァ、そいやリェンファの目的はちゃんと聞いてなかったナァ、もしよければ聞かせろよ。」



 そう言うエヴァにリェンファは形の良い胸を抱えるように腕を組み、首を傾げ、あー、と声を出す。



「?」


「家のババアに8才でバケモンと言わせる同門、弟弟子になるカ? それの興味本意の観察と手合わせネ、あと家の妖怪ババジジが日本に移住するようだから、それの下見と物件探しネ。」


「はーェェ、んァ? リェンファの婆さんて言うと、””天武””だよな……、それがバケモンて言う同門て……」


「心当たりアルカ?」


「んんん、ネェ、と思う…。リェンファの探し人の特徴は、”白髪”だろ?」


「そうネ、あと超美形だって話ヨ、しかも男て話ネ。」


「ようは男の娘てヤツだろ? そこまでは当てはまるンだよ、でも”無表情”なんだろ?」


「ダヨ、んで隈が凄くて目付き超悪いらしいネ。」


「こっからズレんだよなァ、俺の知ってる白髪の男の娘はよく笑うしな、しかも”武道”だろ? 魔法とか銃じゃなく。」


「是ネ、ババアを圧倒する程のバケモンて聞いてるネ”武道”デヨ?」


「やっぱり人違いかもなァ」


「残念ネ、少しは探すの楽なると思たのに。」


「わりぃな。」


「エヴァ悪くないヨ、巡り合わせは時の運言うヨ、仕方ないネ。ぼちぼち探すヨ、それにもしもの時の少しあてがあるネ。」








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