姉妹喧嘩
「お、お~!!! 新しい剣だッ!! くぅ~!! この長さの剣はお古でもなかなか無いんだよなぁ!!」
普通の剣よりも少し刃渡りが長い剣を抱き抱え、くるくると回り喜ぶ高校生位の美形男の子
「凄い…!! この弓、変わった形だけど、すごく射りやすい…!!」
和弓を構え、射る美しい女の子が高揚したように凄い凄いと何度も構え、的確に獲物を射る
そのような光景が、木々が生い茂る森の至る所で見える。
それを上から見下ろす形で、巨大すぎる木に座る6人、白夜、智核、明華、キサラ、ミヨ、サラの6人だ
「ふむ、一応モンスターも相当なレベルだが、戦いでも殺し合いでもなく、狩りになってるな。皆優秀だな。」
「イエス。スキルの扱いがうまいのもあるのでしょうが、それ以前に一方的に相手を狩るすべを心得てますね。」
「みんなー!! がんばれー!!」
「うおーー!! 私もがんばるー!!!」
「どさくさに紛れて行こうとするな問題製造者、大人しく繋がれていろ。」
「ぐぇ!!」
「ああ、こらこらそんな無理に飛び出そうとすると……ほら、赤くなってる……」
「ううー、ミヨがぁいじめるぅ……」
キサラが恨めしそうに自分の首にかかっているリードを見ていじけるように声をだす。
それを見てふん、と鼻を鳴らすミヨ。
「貴様が悪い、皆に迷惑をかけようからに、」
そうバッサリと切られ、キサラはうわーんと声をあげ
「反省してるってば~!! そもそも山殴ったくらいであんなの出てくるとは思わないって~!!」
「いやぁ、サラねぇの言い分もわかるけど、迷惑かけたのは本当なんだし、大人しくしてよ、ね?」
「うわ~~ん!!! お兄さ~~ん!! お姉さ~~ん!!」
「あはは、まぁまぁ、今度は自由に出きる時に連れてくから。」
「それまで我慢だな」
「イエス、そう泣かないのです、キサラ。」
「うぅ、グス……」
「ちっ、甘過ぎだ、年長が。」
「まぁまぁミヨねぇ。」
鼻水と涙を白夜のズボンに着けてたキサラがちらりとミヨを見る。
「……ぺちゃぱい。」
「貴様もだろぉう!? 魔導書の一撃(物理)を喰らせてやろうかこのやろう!!!」
「へーんだ! 僕のほうが少し大きいもんねー!! ぺちゃぱい! 頑固! ムッツリ!!」
「言ったな!? 言ってはならないことを言いやがったな!? 戦闘狂! 汗かき! 女子(笑)!!」
「かっこ笑ってなんだ! かっこ笑って!!」
「ステイステイ、落ち着くんだ二人とも」
「そーだぞ、って、我がキミ、ミヨ君意外と力強いぞ…!!」
「キサラねぇ! ミヨねぇ! 二人とも喧嘩メっ!! だよ!!」
そう二人を止めようとするが喧嘩は激化する一方だ、キサラは白夜を盾にしがみつき、その後ろから暴言がでるわでるわ、それを引き離そうと暴言を吐きながらミヨはキサラに繋がるリードをギリギリと音がでるくらいの力で引っ張る。
「いい加減に盟友の後ろから出てこい、このデカ◯クビ……!!」
「イーや~だー!! そっちこそ僕の首輪から手を離せこの引っ込みー!!」
ぎちぎちとなる白夜の肩、互いに顔を真っ赤にしながら罵り合うキサラとミヨ。
「さて、どうしましょうか智核。」
「喧嘩両成敗で沈めてしまっては───」
「んな、暴力的に出来るか、二人相手に。」
「性的に」
「もっと出来るかぁッッ!?」
「性的にってなーに? 明華お姉さん?」
「性って突きを挿れる事だぞ」
「こらそこ、ギリギリの誤解を招こうとするなー」
「………」
「?」
「こうb「だからってそのままの意味を伝えろって事ではねぇよ!!」」
その後、狩りから帰ってきたみんなが疲れて寝てるミヨとキサラを見て首を傾げたのはまた別の話である
「罵り合って疲れて寝てくれてよかった。」
「イエス。なんだか姉妹喧嘩って見るのは新鮮でしたね。」
「我が家でも喧嘩はよく見るが、確実に一方的にやられてるからな。」
「お兄さんとお姉さん達の家でも喧嘩ってあるの~?」
「あるぞ~」
「みんな仲はいいのですけどね。」
「まぁ、我が仲間はそれを楽しんでる説があるがな。」
「仲がいいのに喧嘩してるって、家みたいだね~えへへ」
「そうだな」
そうサラに笑いかけると白夜は、明日は農業と守備をどうにかしようと計画を立てながら、疲れて寝た二人を背負い三人娘の家へと歩を進めた。




