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6.新しい僕ん家
「それで、その家族はどうなったんや?」
同居人が身を乗り出して、聞いてきた。
「んー、どうじゃろうな。まあ、うちがいなくなってからは、今までの幸運が全部台無しになるくらい、不幸が起こったと思うのお」
「ひーっ!可哀そうに。そんなら最初から、君その家に行かん方が良かったんちゃう?」
「えっ」
「うちはもう人さまの家になんか行かんで。貧乏神やもん。見てて可哀そうになるからな。こうやって、寺でのんびり過ごすのがええんや」
「それも、そうじゃなあ」
座敷童は寺の拝殿に、ごろんと寝っ転がった。木の床の冷たさが心地よくて、目を閉じた時、懐かしい声が聞こえた。
「ぼっこちゃん」
座敷童は、慌てて起き上がった。拝殿の隙間から合掌する一人の男の子が見えた。彼の心の声が聞こえてくる。
「ぼっこちゃん久しぶり。僕、心平だよ。白石心平。覚えてる?ぼっこちゃんが僕ん家からいなくなってもう一年経ったね。すぐにここに来れなくてごめん。引っ越したりとか色々あったんだ。というか、ぼっこちゃんこのお寺にまだいるかな?いたら聞いててね。実は、ひとつ言い忘れてたことがあって」
心平は合掌をやめて、大きな声で叫んだ。
「ありがとう、ぼっこちゃん!」
心平はいたずらっぽく笑うと、軽やかに寺の外へ走っていった。座敷童はその背中を、笑って見つめていた。




