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TRPGリプレイ小説 「国境を越えて」  作者: えにさん
第七章 小さな冒険者 【リリー】
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7-4 依頼は続く

 目的の新しい街についた。届け物も無事渡す。これで依頼達成だと思っていたら、追加依頼があって、さらに遠くへとそれを運ぶことになった。

 なんと驚き。今度は隣の国まで運ぶというのだ。

 もうワクワクドキドキが止まらない。今までの冒険でも見たことが無いようなものを沢山見ることが出来たのだ。

 隣の国になんて行ったら、もっと沢山の物や知らない出来事に出会えることだろう。それを考えたらもう嬉しくて仕方が無い。

 お兄ちゃんとカイロウさんはイロイロ相談してどうするか話し合っていたけれど、わたしの心は決まっている。当然このままやっちゃいたい。

 わたしがその事をお兄ちゃんに相談すると、暫く悩んだ後で結局わたしの願いを聞いてくれた。待っていて隣の国。わたしのテンションは最高潮。


 それから数日間。街で冒険の準備をする。一緒に冒険する人はさらに増えて全部で9人。ディオンさんという女の人がまとめ役みたいだけど、わたしは難しいことが判らないからお兄ちゃんの言うとおりにして、後ろをついて行く。


 トコトコと荷物を載せた馬車が進んでいった。わたし達はその後をやっぱりトコトコとついて行く。

 新しい冒険仲間は頼もしい人たちばかり。

 まずは見るからに強そうなディオンさん。みんなをまとめていて、気遣ってくれている。剣も鎧も似合っているし、立っているだけでなんかカッコいい。初めて見たときは噂に聞く騎士さんかと思った。挨拶したときに聞きたかったけどちょっと怖くて聞けなかった。

 あとでお兄ちゃんに聞いてみたら、ちょっと有名な冒険者なんだって。スッゴく強いと言っていた。


 見ていて羨ましくなるような美人のディスさんは、ふわふわのブロンドヘアーが振り返るたびにヒュンってなる。とっても素早くて、アッチにいたかと思うとコッチにいたり。実は双子かなんかで沢山いるんじゃ無いかと思っちゃう。あ、もちろんほんとは一人なんだよ。

 お兄ちゃんに聞いたら、あんまり話をするなって言われた。なんだろう。もしかして美人だから照れているのかな?


 コーディさんは力持ちだ。いっつも上半身裸なのにそれが当たり前に感じちゃう。うん。コーディさんにシャツは似合わないよね。あ、これは失礼な感想かも。

 どのぐらい力があるのか聞いてみたら、ものすごいあるって言われた。きっとわたしの思っているものすごいよりももっと凄いんだろう。

 わたしもおんなじ用に力こぶを作ってみようとしたけどダメだった。イロイロ試しているとお兄ちゃんから、おまえはそんなことしなくて言いって怒られた。


 クーナさんとリーブさんはとっても仲良し二人組。ディスさんが恋人同士なのか聞いていたな。二人とも違うって言っているから違うんだろう。

 でもとっても仲良し二人組だ。わたしとお兄ちゃんも仲良しだけど、それとはちょっと違うかな。わたしはお兄ちゃんに頼りっきりだけど、二人はお互い様って言う感じ。わたしももっと頑張れば、二人みたいにお兄ちゃんとお互い様になれるのかな。でもお兄ちゃんは凄いからわたしがちょっとくらい頑張っても、お互い様にはなれないかも知れないな。


 最後はキースさんだけど、挨拶を返してくれなかった。

 多分わたしが小さいからなんだろう。頼りないと思われたのかも知れない。もちろんそれはそうなんだけど…。まぁいいか。これからイロイロ頑張れば良いよね。


 そんなみんなと一緒に冒険は始まった。

 冒険を初めてすぐに思ったのは、この中でわたしはスッゴく弱い。と言うよりいる意味ないんじゃ無いかってぐらいみんな強かった。

 わたしにお手伝い出来るのはせいぜい炊事ぐらい。それだってみんな一人で出来るし、わたしより上手だ。

 さっきも山賊が襲ってきたけれどわたしは一度も弓を当てられなかった。と言うより使い方がよくわからなくて矢が真っ直ぐ飛んでくれない。数に限りもあるし一生懸命狙ってみたけど上手くいかなかった。

 お兄ちゃんは人それぞれ得意不得意があるんだって言ってくれたけれど、ちょっとだけ不満だ。コッソリ練習してそのうちビックリさせてやろう。


 わたしはこの小さな目標を達成することを心に決めていた。でもその事はお兄ちゃんにバレバレだった。

 その証拠にお兄ちゃんは次の街に着いたとき、わたしの体に合った小さな弓を買ってくれたからね。


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