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妹が魔物化したけど可愛いので元の姿に戻したくない  作者: レイディアンと
第五章 トゥエルヴ・マカークス
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34 智朗、再びのエレベーターでアクション。


 尾崎大佐の顔が部屋の方へと引っ込んだ。エレベーターを呼ぶつもりか。


 そういえば軍服に気を取られて彼女のレベルを見るのを忘れていた。


 見た感じでは普通の女性であったが、彼女は強いのだろうか。



 ボガン!


「!?」


 ガラガラガラ



 突然大きな破壊音がしたかと思うと、上から大きなコンクリート片と歪んだ金属扉が降ってきた。



 ガガガガ!



 階段の削れる音。


 落ちて来る破片で良く見えないが、どうやら尾崎大佐は戦車をエレベータシャフト内へと突入させたようである。



 ズガガガガッ! ドガガガ!



 固いものが削れる音が続く。チハがエレベーターシャフト内の壁を削りながら階段を下っているのだろう。


 尾崎大佐はエレベーターを使う気など毛頭無かったようだ。


 それにしても戦車で階段を下るとは、何たる剛毅果断さであろうか。



 バガン!



 これはチハが階段を下り切り、壁を破壊してエレベーターシャフトから出た音だ。



 ボガン!



 これはチハが再び壁を突き破ってエレベーターシャフトに突入した音だ。



「剛毅にもほどがある」



 俺という侵入者の撃退のためとはいえ、拠点の建物をこんなに破壊して問題ないのであろうか。尾崎大佐は大佐と言うくらいだから偉いのだろうが、限度はあるだろうに。



 ガガガガ!



 階段を下り続けるチハの様子を階下から伺う。するとチハの上から尾崎大佐が顔を出し、こちらを覗き込んでいるのが見えた。


 と、そこで異変に気付いた。



 ガガガガリガリガリ!


「ん?」



 コンクリート製の階段が削られる音に変化があった。


 どうやらチハが砕けた階段にキャタピラを取られ、前進できなくなったようである。


 だが尾崎大佐はチハの動きを止めようとしない。



「むむ……」



 思い切った行動力、決断力があるというのはリーダーにとって大事な素質である。だがそれは時に部下達の身を危険にさらす。



 ゴガガガ! ビシビシッ!



 中戦車のキャタピラによる破壊と、中戦車の重さに耐えられなかったのか、コンクリート製の階段にヒビが入る。



「アワワワ」



 俺は慌てた。


 このままではチハが落下してしまう。いくら戦車が頑丈といっても、それは敵車両からの砲弾などを防御する時の話であって、落下時の衝撃に対しては大きな耐性は期待できないであろう。



 ゴガガガ ボゴッ!



 ついにコンクリート製の階段が崩れ、チハが落下する。



「アワー!」



 見ていられないと、俺は目を手で覆った。



 ドゴン!


「……」



 恐る恐る目を開ける。


 チハの車体は真下の階段に着地したため、大事には至らずに済んだようだ。



「ふうー」



 冷や汗を袖で拭う。



 ゴガガガ!



 あわやという事態に陥ったというのに、尾崎大佐はチハの動きを止めようとしない。このまま俺のところまで降りてくるつもりであろうか。


 冗談ではない。


 チハが壊れたらどうする。


 仕方が無いので俺は自分の方から尾崎大佐の元へ向かうことにした。



 シュタッ! シュタッ!



 跳躍を繰り返し、エレベーターシャフト内の階段を上がっていく。



 ガガガガ!



 チハはもうすぐそこである。俺は尾崎大佐の上を取るべく、チハが通った後の階段に向かって大きく跳躍した。



 シュバッ!



 チハで階段を進む尾崎大佐と、跳躍した俺の目が交錯する。


 そこで俺は尾崎大佐に対して観察スキルを行使した。




 レベル:15


 種類 :怪人




 ……。


 怪人。


 怪人とはなんだろうか。


 怪しい人だろうか。


 違うだろうな。


 奇怪な特殊能力を持つ何者か。恐らくこのような定義であろう。


 多分、改造人間と近い定義だと思われる。


 そのレベル15。


 警戒すべきはトゥエルヴだけだと思っていたが、俺の考えは甘かったようである。



 バッ!



 尾崎大佐がチハの上から跳躍した。


 そして、手に持った軍刀で斬りかかってくる。



 ヒュガッ!



 バール+5で軍刀をガードする。



 ギャリリリリリ!


「「!?」」



 バール+5と尾崎大佐の軍刀の間で凄まじい火花が散った。



 バシュ!



 俺と尾崎大佐はお互いに弾き飛ばされ、俺は階段へと着地し、尾崎大佐は急停止したチハの上へと着地した。


 バール+5と互角だと?



「……」


「……」



 睨み合う俺と尾崎大佐。すると尾崎大佐が軍刀を俺に向けたまま口を開いた。



「超振動軍刀で切り裂けぬとは、その武器、一体どんな物質でできている?」



 尾崎大佐の軍刀は超振動していたらしい。


 強そうである。


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