3 アクセス
アナベルは、記憶したデータをさらった。
あの少女たちのことなら、一通り知っている。
真っ先に斬り込んでいった黒髪ショートの少女は、観菊 騎士。
身長165センチ体重55キロ、武器はレイピアとパリーイングダガー。
制服のジャケットの裾がマントのようにはためいている。
長身に長い髪、切れ長の瞳でキッと敵を見据えているのは、
夜闇 椿。
身長171センチ体重52キロ、武器はトランプ。
お次は野茨 純。
帽子から、柔らかそうなアッシュグレーのお下げがはみ出している。
身長154センチ体重52キロ、武器は鞭。
金茶色のショートヘアの少女が五十鈴 蘭子。
人一倍小柄な身体であちこち跳ね回っている。
身長150センチ体重51キロ、武器は神楽鈴。
そして最後に、リーダーの少女が桔梗 藍。
赤茶色の緩くカールした髪が特徴だ。
身長156センチ体重48キロ、武器は和弓。
どの娘も活きのいい子馬みたい。
やがてそこにいた全てのバーリックが倒された。
「さて、ご挨拶といきましょうか」
立ち上がったアナベルは、少女たちがいる場所めがけて飛び下りた。
初邂逅。
少女たちは、突然目の前に落ちてきたアナベルに目を丸くした。
「ねえ、あんたら……イベリス学園の娘たちでしょ?」
「あなたは?」
藍が尋ねた。大きな瞳は好奇心からか、キラキラと輝いている。
「先にご自身が名乗ってはいかがかしら?」
椿が仁王立ちになって、黒いロングヘアを後ろへ払った。
ふたりの後ろに立っていた蘭子は、
不審者観察モードで無遠慮にアナベルを眺めている。
「ごめん、ごめん、あたしは……」
アナベルが名乗ろうとしたちょうどその瞬間、
倒したはずの一体のバーリックが、少女たちの背後から迫ってきた。
「危ない!」
アナベルは動いた。
騎士が剣を抜くよりも早く。
炸裂する二丁拳銃。
銃口が繰り出したのは小さな花が圧縮された丸い銃弾。
バーリックの胴体に衝撃を与え、後方へと吹き飛ばした。
同時に霧散した花びらがバーリックを包み込み、消滅させる。
「ヒューッ」
誰かが口笛を吹いた。
アナベルは二丁拳銃をホルスターに収めてから、
改めて少女達の方へ向き直った。
「あたし……アナベル、毬屋・サンライト・アナベルっつうの。
あたしも、あんたらの仲間にしてくんない?」




