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今宵薬局  作者: 蟷螂
38/67

第7話 恋の解熱剤 7-5

5


今宵薬局。


店の奥で、「 」は水晶球を眺めていた。


球の中には、小和の姿が映っている。桐人と一緒に笑っている小和。


「彼は、今までの男性とは違います」


「 」は静かに言った。


「誠実で、優しく、地に足がついている。小和さんにはこのような男性が必要なのです」


水晶球の中で、小和が鞄から瓶を取り出している。


「ああ、また解熱薬を使うのですね」


「 」は少し心配そうな顔をした。


「でも、大丈夫でしょう。彼への気持ちは、『盲目の恋』ではなく、『好き』ですから」


今宵は水晶球を布で覆った。


「さあ、小和さん。気づいてください。」


5


斉藤と会った翌日。


小和は、また惚れたのかと不安になった。


でも、確かめたかった。


小和は、恋の解熱薬を飲んだ。


今までなら飲んでしばらくすると、猛烈な思いが冷めてしまう。


でも、今回はそんな感じはしない、当たり前だ桐人にそんな猛烈な思いはないのだから。


でも、斉藤に会いたいという気持ちは、変わらなかった。


小和は驚いた。


これは……恋の熱じゃない?


小和は、自分の気持ちを確かめるために、斉藤に連絡した。


「また会えませんか?」


「もちろん。いつにしますか?」


斉藤は、すぐに返信してくれた。


二人は、また会った。


映画を見て、ご飯を食べて、たくさん話をした。


小和は、斉藤といると楽しかった。


そして、気づいた。


今までの恋は、相手のルックスや口の上手さに惚れていただけだった。


でも、斉藤への気持ちは違う。


ただ彼と話していると楽しい、、もっと一緒にいれたら、と思う。


多分これが、「好き」なんだ。


小和は、積極的にアタックすることにした。


それまで今野・斉藤と言っていたのを、小和・桐人と互いに名前で呼ぶようにした。


「桐人さん、私、もっとあなたのこと知りたいです」


「僕も、小和さんのこと、もっと知りたいです」


初めて名前で読みあって互いに照れてしまった。


ウブかよ、と小和は自分の照れ具合に苦笑してしまった。


二人の距離は、少しずつ縮まっていった。

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