9-2 好きな食べ物
【9話/B面】Bパート
「じゃあ皆集まったから、自分の好きな食べ物を元に“食”の紹介をお願いします。」
「好物なら説明もしやすいってことやな。」
後から遅れてやってきた生一が確認する。
「まぁね。その方が紹介しやすいだろ。じゃあ…」
仁科さんに先陣をきってもらいたいという目をする勇一。
「あたし?うーん、あんまり考えてきてなかったんだけどねー。
でも東京いた時から渋谷はよく遊びに行ってたんだけど、目を惹くスイーツが多かったなー。
原宿の竹下通りってところに“マリオンクレープ”っていうクレープ屋さんがあるんだけど…あ、静ちゃんクレープって知ってる?」
「いえ、まだ食べた事ないです。パンケーキ…とは違うんですか?」
「うん。だったらこの近くの愛宕って町に売ってるお店あるから行こう。あ、その店割引にしてくれる曜日あるから!それはまたおいおいってことで。」
「うん。楽しみにしてる。」
「じゃその“クレープ”を紹介するよ。」
やはり自分の好きな食べ物に関しては自然と顔も明るくなる。口調も滑らかだ。
「クレープってね、パンケーキの一種で発祥はフランスなのよ。
薄皮の生地にクリームとかイチゴを乗っけて包んで食べるんだけどさ、これが見た目もお洒落ですごい美味しいんだ。
静ちゃん見た事ないんなら、カレーに使う“ナン”みたいなやつをもっと引き伸ばした感じを想像してくれたらいいよ。
絹織物みたいな奇麗で黄色い生地。
で、トッピングのデコレーションが豊富なのよ。
もう自分でお店やっても楽しいかもって感じる。東京のお祭りやイベントじゃクレープは常連だから。だいたいお祭りの屋台とかには多分あると思う。」
「あ。それなら私見たことあるかも。三角形のやつですよね。」
「そうそう!売るときの食品サンプルみたいなのだと大抵三角形してて、トッピング内容が分かるようにしてるの。
そのスタイル、多分東京からだよ。」
「高知でも花火大会の時にそんなお店あったな。」
「高知でもだんだん認知されてきてるよね。
手を汚さずに食べられるお洒落なスイーツとして人気あるんだよ。
でも東京のクレープ屋はなんかスイーツ入れるばかりじゃ飽きたみたいで、ペッパーソースにチーズやチキンとかツナマヨとレタス入れたりして、趣向をオヤツ以外の方向にも見出そうとしていたのよ。
私がよくお店に行ってた頃は、何でも包めるからってことで可能性を色々見出そうとしてた。
もしそれが流行れば全国に認知されていくしね。」
「結局日本で認知されたのは従来のクリームと果物を包むスタイルってとこか。…あとアイスクリーム入れるのはアリだったな。」
「なんかそうみたいね。メニューとしてあるにはあるけどさ。
サンドイッチとかホットドックが既に認知されてたからあんまり注文されなかった…かな。私たち学生の間では。
それに完全にお店にはおやつ時に通ってたからね。スイーツ以外の具材だと夕ご飯食べるみたいな印象だったよ。
その後“トルティーヤ”だったっけ?“タコス”だったりの存在であまり目立たなくなったなぁ。
…ってことで、クレープは今度行きましょう!」
「おお!いい紹介じゃん。俺も食べたくなったし。」
「日本食じゃなかったけどこんなので良かった?じゃあ次いっていい?」
「うん。ありがとう。
欲を言えば日本の食べ物が良かったけどそこは全然自由でいいよ。…静那は何か質問無いか?」
「なんか作ってみたくなったな。いろんなトッピング用意してさ。」
「そうなのよ~あれ食べてもおいしいけど、作るのも絶対楽しいよ。それいいね。」
これはもうお店に行くのは不可避だなと感じつつ次の紹介に入る。
「俺はナマコとタコだな。」
生一は日本人ならではの食を紹介してくれた。
写真をプリントアウトして持ってきてくれた。
「あれさ、実は海深くに潜らなくても浅瀬にだっているんだわ。場所によるけどフックみたいなモンで普通に引き上げて籠に入れるだけの簡単な漁で行けるエリアもある。
ナマコも普通に岩陰にいるし。でもお店で頼んだら高いんだよな。
だから自分で取ってきて料理するのが一番。」
「私知ってる。でもあれも自分でさばけるんですね~。」
静那が実用的な話だと食いついてきた。
「あれ多分魚よりも簡単じゃねえの?栄養価も高いうえに美味しいから言う事ない。グロイのが無理じゃないならお勧めするよ。」
「静ちゃんこういうのに食いつくんだ。魚全般は興味あるの?」
「はいっ。魚を生でさばけたらそれだけで喜ばれるし、料理のレパートリーが一気に増えるんで。できるだけ色んな種類やってみたいですね。」
「静那の奴、別の趣味に目覚めそうじゃね?
ちなみに一番喜ばれそうなマグロとかはいけるんか?」
「いや、あれだけ大きな魚はまだ。でもマグロが特に喜ばれるんですね!覚えとく。」
「まずは鮭あたりからさばけるチャンスあればええな。ナマコは見つけたら教えるよ。」
「うんっ!是非。」
「静ちゃん、もしかして料理して食べさせたい人がいるとか?」
「はいっ、里親になってくれてる方も寮母さんもタコとナマコは大好きなんですよ。だから調理できるなら作ってあげたいなって。」
「なるほどね~絶対に誰かに食べてもらいたいような顔してたもん。魚だってさばけるようになった理由は、色んな人に喜んでもらうためっていうのがあったんでしょ?」
「何でわかるんですか?」
「だって漁師の娘でもなければ魚さばけるようになろうって普通考えないものよ。でもやってみたいと思ったのは、それが誰かの役に立てる事だって感じたからじゃないかって。
その考え素敵だよ。静ちゃん。」
「うん…ありがとう。」
照れながら喜ぶ静那。
「ごめん、話切ったっけ藤宮君?」
「いや、ええで。後は栄養価とかそういうネタやから。
タコは低カロリーでタンパク質も高くて何よりも疲れに効く。
スーパーとかで売ってる栄養ドリンク分かるよな。アレの成分に“タウリン”っていうのが入ってんだけど分かる?
CMだと“タウリン〇〇㎎配合!”とかいう謳い文句よく聞くけど、あのタウリンがタコの栄養成分に入ってるワケ。
だから疲れた人が食べるにはちょうど良い。
タコ焼きとかアヒージョとか、タコ料理のバリエーションは多いからな。…まぁ静那がいう“さばける”ようになったら料理のレパートリー確かに広がるよな。
ナマコも言うの忘れてたわ。
こっちも疲労回復にすごいで。まあどっちも旨いうえに優れた食材なわけ。
独特の食感が食通に人気やけど、ただの珍味ってわけじゃない。
美味しくて体に良いんなら言う事ないだろ。食べてるうちに健康になるんなら。」
「すごいね。私あんまりタウリン入ってるとか意識してなかったよ。疲れた時に良いんだね。知らなかった。」
「まさかあいつに教えられるなんてね~ドリンクに繋がりあったなんて。」
「おい、ちょいちょい俺の事けなすなよな。一応調べてきてんだからよ。それにドリンクとかじゃなくて自然の食べ物から栄養を摂取した方が自然やろ。」
「静那の方からは質問あるか?」
「うん、やっぱり美味しいのなら料理してみたいな。さっきのクレープにしても私が作れたら誰かが喜んで食べてくれるし、それで喜んでくれたら私も嬉しいし。」
「もう…静ちゃんにこそなんか作ってあげたいのに…」
「静ちゃんは何が好きなの?次の順番静ちゃんでいい?」
「あぁ、一応最後で考えてたけど、いいよ。静那も大丈夫?」
「うん。私は…大体魚を生で食べるのが好きかな。
私の故郷では魚を焼いたりしても、生の“刺身”っていうスタイルはなかったから。
お醤油で初めて頂いた時、感動したな~。」
「刺身無いの?」
「そういう文化が無いし、お醤油もないからね。
“アンチョビ”はあるけど脂分があるしちょっと違うと思う。
それに考え方として生魚は細菌や寄生虫がいる可能性があるってことで、加熱するのが普通…常識として認知されてたよ。
でも日本はさばいて生で食べる文化があるんだよね。
少し調べたんだけど、冷蔵庫とかがない1000年前からもう生で食べてたらしいよ。日本。
お酢とか昆布や塩で少し“しめる”っていうのかな?そんな形で庶民の食べ物って程じゃないにしても、一部で食べてた記述があるんだって。
そういう歴史にも触れてみたいと思ったから、自分自身で魚をさばいてみたいって思ったのかな…
実際に刺身にしたら何でもおいしいし。
あと何だっけ、高知県独特の技法…少し炙るやつ…」
勇一を見る。勇一はめずらしくピンときたようだ。
「それ“タタキ”ってやつだろ。さばいた魚をの表面を藁なんかを燃やした火で炙るんだ。
それを葱とかミョウガとかの薬味を入れて盛り付ける食べ方。」
「うん、それ。“タタキ”っていうの。」
「あれは高知県独特じゃないよ。でも鰹で有名になったよな。
“タタキ”で食べる方法ってまだ冷蔵庫とかでの保存技術がない時代に出来た文化だから別に魚以外でも使う料理方法だよ。
少し炙る事で身が引き締まってうま味を閉じ込める形になって…美味しいって評価から高知県では鰹の料理方法として定着したみたいだけど…合ってるかな?」
「アンタはここの人間なんだから流石に知っときなさいよ!砂緒里にいちいち確認しないの!」
「え?違ったかな。静那に間違ったこと教えてるかもって思って。」
困ったときにはなぜか椎原さんを見てしまう勇一。
県民が帰国子女に助けを求めるのも妙だ。
「うん…その料理法はタタキっていう呼び方じゃないと思うよ。静ちゃんの言っている料理法って。“ワラ焼き”が正解じゃないのかな。」
「えぇえそうなの?」
「なんで白都君が私に聞くのよ。変なの。それに私の意見が必ずしも“正解”って訳じゃないからね。」
「まぁそれもそうか…。ゴメン静那、調べとくわ。」
「気にしなくていいよ。お店に行ったらメニューに“タタキ”って書いてるからそれでも通じるでしょ。」
「まぁお店ではそうだな。言われてみれば…」
「魚をさばくチャンスがあったら皆に振舞うね。“ワラ焼き”もチャレンジしてみたいし。」
「家では出来ないもんな。」
「時々おばさんが魚もらってくるんだけど、その時は調理させてもらってる。
アジとか小魚は難しいんだけど、小さい魚ほど刺身がおいしいらしいからね。」
「そうだったんか。知らんかった。」
「傷みやすくて鮮度が命だけど、小さい魚程うま味が濃縮されてるんだって。」
「それどこ情報?」
「うちの寮のおばさんだよ。」
「なんか静ちゃんの話聞いてたら、食べるより作ってみたくなるよね。実は私、料理殆どやってないから…静ちゃんに教えてもらうカタチになりそう。」
「私で良かったら是非!」
「料理教室もいいよね。学校じゃ無理だけど。」
「俺は作るん無理。食う係な。後よろしく。」
「男子も作るのよ!」
「そうですよボス。料理が出来る男は女性からポイント高いですよ。」
「別に俺女に媚びるつもりないし。」
「媚びるんじゃなくて生きていく知恵として魚さばける方が良いでしょ。」
「まぁええことはええけど…」
「それにお刺身で買うよりも魚で買ってさばく方が安くつきますよ。経済的ってやつです。」
「む…それは確かに。」
「でしょ。お刺身パックを割引になってから買うよりも、捕れたての魚をさばく方が遥かに新鮮でおいしいですしね。」
「確かに…なんか説得力あるな…。」
「だってそういうスタイルになったらもうそれしか考えられないですもん。
それに使わない部位…頭とかしっぽとかはまとめて野菜の切れ端とかと一緒にミキサーにかけるんです。その後発酵させたら肥料として使えますよ。」
「なんかナントカおばさんの知恵袋みたいな話だな。」
「静那っていつの間にそんな生活の知恵を身に付けたんだ。」
「昔、おばさん達と料理のお仕事をしていたので。その時に色々聞かされて…。
お惣菜みたいに調理されたものを買うよりも自分達で素材から調理していく方が地球的にもエコロジーだって。」
「確かに…発泡スチロールとかパックとかもゴミになるもんね。魚丸々一匹よりずっと環境的に悪いよね。」
「そこまで考えてなかったよ。すごいな静那。」
「いえいえ、あくまで教えてもらった事なので。でもこの先大学生になったりとかで一人暮らしになれば身に付けておいたら良い考え方だと思いますよ。」
「一人暮らしねぇ…」
「ごめんなさい。今好きな食べ物紹介の話でしたよね。勇一は~何が好き?」
「俺?じゃあ俺の番でいいか?
でも俺の好物は日本食じゃないな。」
「いいよ。白都君が好きなものを何でも言ってくれて。」
「じゃあ…俺はブルーベリーかな。」
「すごい。私のお父さんと同じだよ。」
「そうなの?狙ったわけでもないのに凄いなそれ。」
「勇一、静ちゃんに気に入ってもらおうとして事前にリサーチしてたとか?」
「いや、知ったのは今日初めてだって。お父さんも好きなの?」
「うん。私がブルーベリーを摘んできて、お父さんがそれを使ってよくパウンドケーキとか作ってくれた。」
「じゃあブルーベリーってヨーロッパとか東欧の国でも採れるんだな。勉強になったよ。」
「あのさ…勇一の発表なのになんで静ちゃんに教えられてるのよ。」
「俺も日本だと高原地帯ならだいたい栽培されてるってことは調べたよ。でも海外までは知らなかった。」
「私たちの国と日本と共通認識がある食べ物ってことですね。」
「そうなるな。」
「静ちゃんところ…ベラルーシと日本で共通認識がある食べ物ってあるもんだね。」
「そうですね。私も知らなかったですよ。私の暮らしていた所はとにかく寒いから、野菜を煮込む感じのスープが主流でした。名前もおそらく日本では聞いたことないものばかりですよ。」
「住む場所の気候によって食べられるものも違うんだね。寒いと体が温まれるものになってくるよね。」
「体温まる味噌系のラーメンも北海道や東北が多いからな。」
「さっき高原地帯で栽培されてるって言ってたけど、勇一は高原暮らしでもないのになんで好きになったの?」
「たまたまジャム作る短期バイトをやった事があって、そこでブルーベリーの廃棄が沢山出るんだ。もったいないからそれもらって食べてたんだけどさ。なんか食べてたら体の調子が良いんだ。」
「実用的やな。」
「その後、バイト終わってからなんか急に恋しくなったんだよな。あの甘酸っぱい感覚が。」
「食べなくなったとたんに勇一の体が欲してたってことね。」
「そうだな。それで好きになって食べ始めた感じ。何かを好きになるきっかけってそんなもんじゃないか?」
「きっかけねぇ。砂緒里は今の流れを考えたら多分日本食でしょ。」
「多分でなくてもそうだよ。日本食恋しかったよ。
向こうはお寿司とかも日本のそれと違うし…
もう味噌汁飲めただけでも感動したし。日本のミソスープってこんなに美味しいのか…って。」
「俺らは慣れてるからあまり感じないけどな。」
「向こうはダシは鰹節や昆布よりもサーモン使ってるの。だからサーモンエキスのミソスープが多かったかな。
でもこの組み合わせは体温まるよ。冬は寒かったから嬉しかったな。」
「じゃあもしかして味噌汁が好き…とか?」
「勿論味噌汁も好きだけど、すき焼きがいいな。」
「ほう。王道だな。」
「日本人がいかにグルメなのか分かる食べ物だよ。すき焼きは。アメリカでも『SUKIYAKI』って認知されてるし。」
「海外から見たらそうなんだ。日本の食文化を代表する食べ物っていうのは聞いたことがある。」
「本当。すっごく人気なのよ。日本人がアメリカですき焼きのお店を展開すればいいのにって思うくらい。有名な店は行列作ってるよ。」
「すごい。決して安い料理じゃないのに。」
「カナダやアメリカは焼いたり揚げたりのスタイルがやたらと多いからね。そんな地域だからこそ人気出るよ。すき焼きは。」
「静ちゃんは日本来るまではすき焼きの存在知ってた?」
「いえ。卵を生で食べる習慣が無かったから。あれは日本特有ですよね。」
「あぁ、そこから違うか。じゃあ知られてないな。」
「お刺身もそうだけど、生で食べるのは警戒されてるからね。」
「それだけ日本での衛生管理と品質管理がきちんとされてるって事よね。」
「たまごかけご飯、略して“TKG”も無いんか?」
「何で略したのよ。」
「ええやん。この先この言い方流行りそうな感じしたねん。」
「うん。卵は中まで火を通すのが普通だったからね。私も日本に来た時に驚いたよ。ご飯に卵ダイレクトに入れてたの見て。これ食べれるのかな~って。」
「卵を生で食べる体験してないっていうのは多分人生3分の2くらい損してるで。」
「藤宮君。勝手な価値観押し付けないの。」
「でも美味しかったから損した気持ちになったかも。」
「本当にそんな気持ちしたんだ。」
「うん。日本の食べ物って何でもトライな精神があるからここまでおいしくて幅広いものがあるんじゃないかって感じるよ。
さっきの味噌汁の味噌って発酵食品でしょ。
発酵って腐るって意味でしょ。違うかな?
大豆やお米が腐ってしまって…それでも食べてみたから味噌や麹…お酒が生まれたんでしょ。
海外でいうチーズやワインもそうだけど、日本食は特にあるよね。」
「だから食べ物は大事にしないとな。」
「おお。ええ感じのオチやん。この話題どこで〆ようか落としどころに困ってたねん。」
「あんたは何意味の分からん事言ってるのよ。時々変な事言うよね。」
「ま、好きな食べ物は皆で共有するのが一番だよ。話しやすかったし。」
「そうよね。あまり面識がないもの同士だったらまずこういう好きを話するのが一番いいかなって思ったし。もっとはじめのうちにこういうトークしたら良かったね。」
「皆の好きなもの知れて良かったですよ。」
「じゃあまたフルメンバー集まったらやりましょう。この話。」
『B面』では、勇一達が立ち上げた部活「日本文化交流研究部」での日常トークを描いています。時々課外活動で外出もします。
各話完結ですので、お気軽にお楽しみください。
尚、本編のストーリーとB面の話数は所々リンクしています。こちらを読んでから本編を読み進めていくとより楽しめます。
【読者の皆様へお願いがございます】
ブックマーク、評価は大いに勇気になります。
現時点でも構いませんので、
ページ下部↓の【☆☆☆☆☆】から評価して頂ければ非常に嬉しいです。
頑張って執筆致します。よろしくお願いします。