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TEENAGE ~ぼくらの地球を救うまで  作者: DARVISH
season1【B面】
65/231

1-1 とある交流会の一日

【1話/B面】Aパート

【B面】のスタートです。よろしくお願いします。

舞台は1995年の日本。


高知県の市内にある"とある高校”から物語は始まる………




まだ桜の舞う春の始まり。


つい先日入学式を終えたばかりの1年生の教室ではこの日の授業が全て終わり、下校前のホームルームタイムに入っていく。



この学校ではホームルームを告げる決まったメロディーが流れるようになっている。


「♪Yesterday」@ビートルズのメロディーだ。




明日の要件などを確認した後、担任の号令とともにその日のホームルームは無事終わった。


それと同時に教室を出て、颯爽と校舎の東側2階の教室へ向かう女子生徒がいる。



ただその女子生徒は日本人ではない。



ほぼ黒髪の日本人生徒達の中、一人だけ白がかったブロンド髪なのでどうしても目立つその女子生徒。


クラスメイト内ではその容姿が少しずつ認知され、慣れてきているようだが、全校生徒から見ればまだまだ目立つ。



彼女は今日の放課後からスタートする部活動をとても楽しみにしていた。


部活といってもまだ人数的に「部」としては登録できない状態なのだが…



今日がその部活の初日である。




どんな部活かというと…

“ここ日本について色々と知るため”の部活である。



外国の人間が日本のニュースやラジオから流れる世間の情報だけを聞いていてもどうしても分からない事がある。


生の体験や他人の話を経ないと分からない事、気づけない事だってある。


日本人が普段当たり前に聞いている言葉も、わからないことだらけだったりする。


国が違えば生活の基盤も文化も違う。





部室となる教室に近づくにつれ、早足になるその女子生徒は、日本にやってきてから高校に入るまでの間、日本の学校にうまく溶け込めず不登校だった。


年の近い友達と色々話をすることも殆どなかった。


だから本は読んでいても、色んな“知らない”を知ったり分かちあったりする事を欲していた。


そしてそれが人一倍楽しみだった。



自分で選んだ高校とはいえ、当時海外から遠い日本と言う国に一人でやってきた彼女には不安しかなかった。


しかし、この高校に入学する前に偶然出会った“とある先輩”に色々とサポートしてもらい、彼女の為の部活まで立ち上げてくれることになったのである。


「(どんな活動になるんだろう…)」

そんな期待を胸に、彼女は部室となる2階の教室へ急ぐ。




教室につながる通路…曲がり角に差し掛かるあたりで彼女はロングヘアーの生徒に呼び止められる。


自分よりも10㎝以上背が高い。


高校生の女子生徒にしては長身な方だ。



彼女の髪の色を確認して、その女性は話しかけてきた。


「もしかしてシーナさん?…武藤…静那さんですか?」


自分の名前を呼ばれて白がかったブロンド髪の女子高生は答える。


「あ、はい。静那です。あの…」


椎原しいはらと申します。顧問の三枝さえぐさ先生から話があったと思うけど、今日からこちらの活動に参加しますので、よろしくね。静那さん。」



彼女…“静那しずな”という子の表情が途端に明るくなる。


この人が今日から私たちと一緒に部員として参加してくれるメンバー…。


背が高いけど優しそうな眼差しだった。


聞いた話ではあるが、この部活に参加するまでは茶道部でお茶をたしなんでいたという事だからなのか、日本の女性らしいしなやかさ…どことなく気品がある。


そんな印象を持ちつつも、失礼の無いように静那は早速自己紹介を返そうとする。


「あのっ、私はベラルーシというところから来て…その…」




「まぁ自己紹介は部室内でやるってのでどうだ?」


そこへ後ろから男子生徒が遅れてやってきた。



この部活を立ち上げた張本人であり、先ほどの“とある先輩”である。


まず長身の日本人女性に話しかける。




「椎原さんですよね。三枝先生から話は聞いてます。

ありがとうございます。こっちの活動に参加してくれて。」


白都しらと君ね。部長だって聞いてた。」


「まぁそこは成り行きなんですけどね。三枝先生決断が早くて…決めたら後はサッとこっちに振るみたいな。」


「多分そんな流れだと思った。」


少し笑った表情を見せる椎原さんという長身の女性。



白都君と呼ばれたその男子生徒であり部長は、部室内に2人を促す。


鍵を使ってドアを開けようとする。




しかしドアは既に空いていて、既に先客があった。



やや茶髪の男が来ていて隅っこの方で漫画を読んでいた。



白都君はその男に言う。


「なんだよ!いるんならドアくらい開けておいてくれよ。」


すぐさま反応するやや茶髪の男。



「いや、勇一ゆういち以外に先公来るかもしれんやん。一応用心してドアは閉めておかんと。」


「その漫画、もし先生に見つかったら没収になるからか…」



白都君の下の名前は“勇一ゆういち”だ。


下の名前を呼んでくるその茶髪の男は面倒くさそうな顔をする。


この男も成り行きでこの部活に入ってくれた一人だ。


ちなみに勇一の補習仲間だったりする。



認識のある静那はさっそくその男に近寄っていく。


「ボス!来てくれたんですね。」


「おう、漫画の邪魔や。」


なんとも失礼な返答を返すボスと呼ばれる男子生徒…。



とりあえずということで、3人が机に荷物を置き、漫画を読んでいたその男もキリをつけて椅子に座ってくれたところで、部長となる勇一が話を始めた。



「自己紹介の前にだけど、今日は椎原さん以外にももう1名新入部員が見つかったんだ!

仮入部というか、今のところ期間限定での参加みたいだけど、面白かったら継続してくれるかもしれない。

今近くにいるから呼んでくる。だから3人とも少し待ってて。」



挨拶の前に嬉しい部員加入のニュース。



「もう1名増えたんですか?勇一すごーい。」


静那は目を輝かせて喜んだ。


「俺以外にも内申点狙いのヤツがいるんか…」


冷めた目で窓を見る静那が“ボス”と呼んでいる茶髪の男。


”呼んでくる”とは言ったものの、少し長くなりそうだとふんでまた漫画に目を通し始めた。



「ボス!もうすぐ来ますからここは待ちましょうよ。」


静那が再び漫画を読もうとするボスを嗜める。



「あの…静那さんは1コ下(1回生)だけど前から藤宮ふじみや君の知り合いなの?

やけにどんどん話しかけるけど。」


不思議そうに静那に聞いたのは長身の椎原さん。


静那は笑顔で答える。


「そうなんですよ。ボスは普段一匹狼なんですけど…屋上で会うのでよく話してます。

まぁ~“屋上仲間”ですね。」


「変な名前で言わんでええよ。俺、上で寝てるだけやし…」


椎原さんに返答したボスの名は“藤宮君”という。



「でも私は藤宮君と全然接点なかったからこれが初めての会話になるかも。」


「まぁ椎原はアレよ。特進クラスやしな…。

まず会わんよなぁ。

というか名前“椎原”でええか?」


「いいよ。静那さんもそれでいいからね。」


「さすがに先輩なので…椎原先輩でお願いします。」


「もう…気を使わなくてもいいよ~」




そんな会話を3人でしていると、部長の白都勇一がもう1名の参加者を連れてきた。


白都君より少し背が小さい男性だ。



「あれ、確か西山君じゃ?…生徒会の…」


椎原さんが一番に反応する。


どうやら椎原さんは知っている顔のようだ。



「うん。こんにちは椎原さん。と静那さん、だよね。これから時々ー」


少し緊張した面持ちで挨拶する。



「俺どうやら空気みたいやな。」


藤宮君が拗ねていた。すぐに勇一がフォローする。


「まあまぁ、でもお前隅っこでマンガ読んでたら分からないって!

ホラ、西山。このとおり部員として生一きいちもいるよ。」


藤宮君の下の名前は“生一きいち”である。



もう一度生一に向かって駆け寄り、声をかける静那。


「ボス!こっちに来てください。初日ですので皆で自己紹介しましょう。」


普通は後輩を気遣うのは先輩の方だが…



「めんどいなぁ。」


「でも私ボスの事まだ良く知らないですもん。

屋上でよく目撃するくらいで…

是非ボスの事、知りたくて…

なにとぞ。」


静那は覚えた言葉は早速使う癖があるようだ。


“なにとぞ”なんていう言葉を覚えたようで、早速使ってみる。



藤宮君こと生一は、“まぁええか”とばかりにこちらに移動してきた。


西山君を迎え入れ、これで大きめの机の周りに5人の輪ができた。


静那が1年生であとの4人は2年生だ。



机を揃えた後、勇一が部長としてようやく第一声を開く。


「まずは、自己紹介にーー」

バン!


言い終わる前に突然ドアが勢いよく開いた。


そして勢いよく入ってきた生徒がいた。女子生徒だ。



「すいません!白都君の立ち上げた部活ってここで合ってる?」



入っていきなり聞いてきたその女子生徒。


勇一と西山はその子に面識があった。


彼女は関東からの転入生で、勇一と同じ2回生でクラスメイトの“仁科小春にしなこはる”さんだった。



勇一はクラス内で仁科さんと普通に会話を交わした事がある。


彼女は東京からの編入でこちらにやってきた子で、今年2年からこの高校にやってきた為部活をどこにしようか決めかねていたらしい。


「部活どうしようか…」という話し声がクラスのお昼休み時に聞こえていたのを勇一は思い出した。



とりあえず部長として返答する勇一。


「仁科さん?だよね。これから部活が始まるところなんだけど。その…うん、ここが部室だよ。」


さらに同じクラスメイトの西山がフォローを入れる。


「仁科さん、ここに来てくれたってことは一緒に活動に参加してくれるってこと?」


「うん。三枝…先生が教えてくれて…やりたい事が今すぐ見つからないなら、内申点も上げてくれるからここにってさ…」



「内申点か…フン、現金な女だ。」


生一がボソッと呟く。


「ちょっと!なんで面識もないあんたにそんな事いわれにゃならないのよ!」


小声でつぶやく生一に向かって即座に反応。


仁科さんという女性は突っ込んだ。


男子生徒だろうが物怖じしない性格のようだ。



だがそんな空気をものともせず、静那は仁科さんの元へと駆け寄っていく。


「あの…私、静那と言います!

詳しくはこの後自己紹介しますけど、是非一緒にこの交流会に参加してください。

お願いします!!」


目をキラキラ輝かせて、じっと仁科さんの瞳の奥を見ている。



「(何この天使みたいなコ…可愛い~)」


仁科さんはその眩しさにあっという間にやられてしまったようだ。



「え…えぇ…私が何か教えられる事ってあまりないかもしれないけど…

…その…よろしくね。静那さん。」



「やったよ!」という顔で勇一を見る静那。


「トントン拍子で部員が集まっていくな~」


目を丸くしながら勇一に話しかけてきた西山。



“日本文化交流会”を立ち上げた段階で静那を中心にメンバーがもう6人まで集まったのである。


そして部長に白都 勇一という体制。




「始まる前に色々あったけど、ようやくというか自己紹介に入ろうか。いいかな?」


「あ、部活始まるのって本当にこれからだったんだ~」


仁科さんが少し安堵する様子を見せる。



「じゃあ…」


勇一はまず白がかったブロンドヘアーの女の子…静那を見る。


一同も彼女に視線を向けた。


まずは全員この部活動を立ち上げるきっかけとなった彼女の自己紹介を聞きたいようだ。



静那と呼ばれるこの女子生徒はどこからやってきたんだろう…



5人からの視線を感じた静那は立ち上がり、自己紹介に入った。

『B面』では、勇一達が立ち上げた部活「日本文化交流研究部」での様子を描いています。各話完結型のお話ですので、お気軽にお楽しみください。


尚、本編のストーリーとB面の話数は所々リンクしています。こちらを読んでから本編を読み進めていくとより楽しめます。


【読者の皆様へお願いがございます】

ブックマーク、評価は大いに勇気になります。

現時点でも構いませんので、ページ下部↓の【☆☆☆☆☆】から評価して頂ければ非常に嬉しいです。

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