少林拳法
ようやく、少林寺に伝わる各種拳法の話。
「羅漢拳」
少林寺最古級の拳法。「十八羅漢」の姿勢や精神を表現した、全ての拳法の基礎。「羅漢」とは、仏教の悟りを開いた聖者のこと。十八羅漢は、釈迦の教えを伝える16人の高弟子に、ふたりの尊者を加えた最高位の聖者たちの総称(中国では九の倍数が縁起が良いとされ、二人が足されたとするため、ふたりの尊者は宗派によって異なる)。
基本姿勢を徹底し、正拳・掌打が中心。禅の精神を重視し、初心者向け。
羅漢礼仏(礼法からの構え)に始まり、両手の掌で相手を押し出す双推掌、両手で相手の攻撃を叩き伏せる金剛伏虎、両腕で防御を開く羅漢開門などの少林の代表技がある。
「小洪拳」
基礎動作の反復を中心とする少林寺の教科書。馬歩(騎馬立ち)、弓歩、腰の回転、打撃の基本などを学ぶ。代表技には、馬歩双拳、弓歩衝拳、撩掌、掛拳などがある。劈掛拳は、掛拳の発展形か。
「大洪拳」
間合い、カウンター、連続技などの套路。代表技には、縦拳でみぞおちを突く崩拳、手刀を打ち下ろす劈掌、足払いやミドルキックへと派生する横掃腿、ボクシングのように拳を連打する翻身拳→翻子拳などがある。
「炮拳」
砲弾のような爆発力を持つ、全身のバネを使った一撃必殺の拳。代表技には、代表技には、身体を捻転させて打ち込む激しい突きの炮拳、肘を打ち込む撞肘、手のひらを相手に打ち込む掌打の崩掌、体当たりで肩をぶつける撞肩などがある。
「通背拳」
全身を使い、腕をムチのように打ち込む拳法。代表技には、鞭掌、足腰を連動させた鋭い突きである穿拳、相手の突きを引っ掛けて外へと受け流す掛掌、手のひらを返した連続的な突きの翻掌などがある。
「梅花拳」
主に多人数の相手を想定した、円を描くような回避歩法が中心。代表技には、基本運足の梅花歩、身体を後方に反転させながら繰り出す蹴り技の回身腿、調べても出てこない双環掌、七十二絶技の歩法・穿花手などがある。
「長拳」
遠い間合いを一気に詰める跳躍を基礎とする拳法。代表技は、運送業ではない飛脚、竜巻ではない旋風脚、足払いの掃堂腿、蹴り技の基礎や体力の向上を目的とする弾腿など。
「心意把」
近接戦における体当たりや肘打ち、崩しなどが中心。座禅で固まった気血を巡らせるヨガ的な要素もあり、爆発的なエネルギーを込めて行う。代表技には、肘撃、体当たりの靠山(または鉄山靠)、間接を極める擒拿、崩拳にも含まれる縦拳の突き崩打など。
「猴拳」
猿の動きを真似た身法。低姿勢からの奇襲や跳躍、急所攻撃など。
「酔拳」
酔っ払いのような不規則な動きで相手を幻惑する。代表技には、酔歩、倒杯、醉仙献酒、臥虎などがあるが、攻撃につなげるまでの「不規則なフェイント技巧」と考えて良いかもしれない。
次は、武器術へ。




