武術の修行手順
本稿の大半は「筆者の解釈」であるため、実際に武術を経験したひとからすれば、「それ間違ってるよ」という部分も多々あるかもしれません。お気づきの点は感想欄にて、ご指摘をお願いします。
さて、修行の描写である。筆者は少林寺を舞台に書きたいので、今回も少林寺に倣う。基本的には他流派も初期段階では大差がないはずなので、とりあえず行く。
少林寺の場合、まず「寺での生活」から始まる。
掃除、飯炊き、水汲み、薪割り、座禅、読経。
「行住坐臥」は、すべてが修行。
日常生活における身体操作の中に、何を見出すかが意識の修行にも繋がる。
そして、基礎訓練①。
まずはとにかく基本姿勢「五大歩型」を固める。
「馬歩」両足を開き、馬に乗っている姿勢でのエア椅子。
「弓歩」前膝を深く曲げ、後ろ足を反らすように伸ばし、腰を落とす。
「虚歩」後ろ足重心で、前足はつま先のみの接地で、腰を落とす。
「仆歩」片足を大きく横に伸ばし、もう片方の足でしゃがみ込む。
「歇歩」両足を交差させた状態で、尻を地面につけずにしゃがみ込む。
―― とくに「馬歩」は重要視され、一定の姿勢のまま立ち続ける「站樁」を要求されるのが一般。「すべての土台」として、武術を学ぶの上では不可欠な工程。
次に基礎訓練②「歩法」
最初に学んだ五大歩型を連続的に動きながら再現。「どう立ち」「どう歩き」「どう体重(重心)を移動させる」のが最適かを身体に染み込ませる。「肉体の連動」を学ぶ作業で「秘訣」にも繋がる。
続いて、招式(=基本技)。
「打」「推=前に押し出す」「払」「受け」「蹴り」「踏み込み」などの基礎動作(実際にはもっとある)を学ぶ。「正拳突き千回」なども、この時期に開始。反復により、身体に動作を覚えさせる。
馬歩>站樁(姿勢と身体統合)>歩法>拳>呼吸>リピート
これらを繰り返すことにより単に拳を打つのではなく、「身体全体が拳へと集約される流れ」を覚える。そのため、ただ漠然とそれらを繰り返すだけでは意味がなく、ひとつひとつの動作に「意識を込める」ことも重要となる。
そして「套路」へ
套路とは、単発の技である招式と招式の「繋ぎ」を招式と共に学ぶ工程。先人たちが編み出した「流れに沿った最適解」とも呼べるのがこの套路である。―― ただし、これはあくまでもアイデアの学習であり、実戦でまったく同じ状況となることは、ほぼ稀。そのため、いかに自分の動きにそのアイデアを落とし込めるかの「禅」の修行にも近い作業と筆者は考える(たぶん、だいぶと的外れ)。
これにさらに「内功」の訓練が加わる。内功では、「呼吸」>「調息」>「坐禅」>「気息」>「丹田」>「経脈」へとステップアップしていくが、この部分はまだ一知半解なので、本稿での言及は避けるものとする。
そして「武器術」であるが、少林寺はなんといっても「棍」。こちらも別回で少し言及しているが、単独で原理を詳しく学ぶ必要があるので、今回は紹介だけ。
ようやく最後に「対人訓練」が訪れるが、歩法は歩法だけでさまざまな訓練法があり、基礎訓練以降は、各々に合った(欠けた部分の)訓練が主体となる。それらが一定の境地に達した時点で、ようやく「実戦」へと向かう。




