転生したら鶏卵だった件
主人公は天寿を全うして逝きました。次の人生を決めるためによくある"転生ガチャ"をやるのですが小説や漫画で見る俺ツェぇえ!!!みたいなものを引き当てることは出来ず、なんとも地味ぃなものばっかに転生します。
地味ぃなもの達なんですけど逝き方は派手で美しいのでぜひ最後まで見ていって下さい。
多分あなたも含めて私たちは豪運を持ち合わせていないと思うので99.9999%の人は死後にこの本に共感することでしょう。
何てことのない平凡な俺、天寿を全うして逝った。
天界では、転生ガチャなるものがあり早速回すと、ちっせぇ石ころが一粒コロンと出てくる。「じゃあ君あっちねー。はーい次の人ここ空いてますよー、後ろ詰まってるんでどんどん来てもらっていいですかー?」業務的に天使がこなしていく。
言われた通りの場所へ行くと簡単な手続きがあり別の天使に説明を受けた。「君は鶏卵ね。一応言っとくと受精してないから孵化することはないよ。じゃ、いってらっしゃーい。」されるがまま眩い光に足を踏み込む。
「コケコッコー!」と音が聞こえる。どうやら転生に成功したようだ。目は見えないが他の感覚はある。あったところで何もできないのだが。
ドスッ、ドスッ、ドスッ誰かが来た。足音が止まる。?!なんだ!ものすごく揺れている!
きっと今誰かに運ばれてるのだ!こんなにも早く出荷されるとは。。自分の運の無さに心底落胆する。
別に死ぬこと自体は怖くないが、問題は死に方だ。ゆで卵なんてものは考えただけで最悪だ。火を使う料理で死ぬのは避けたいな。んーそうだなぁ1番の理想は卵かけご飯かな。
そうこうしてるうちにあっという間にスーパーに並び、冷蔵庫に閉じ込められた。持ってあと1週間か。思い出にふけようとするが思い出も何もない。来世は漫画でよく見たチート主人公になりたいな。
冷蔵庫のドアが開き、同胞が1人連れて行かれた。彼の行き先は沸騰した鍋の中だった。隣の彼も行き先は同じだった。次は俺の番だ。頼む。初めて神に願う。思いが通じたのか鍋とは違う方へ進む。
ゴツンっと鈍い音。ピキピキっと殻が割れ外の光が見えたのも束の間。おれは空中を舞いながらお椀に着地した。そこからは酷いものだった。醤油と砂糖を体内に詰め込まれこれでもかとかき混ぜられる。最後にじっくりと焼き、厚焼きたまごの完成だ。
今回の俺の人生は、43歳田中繁邦の朝食として逝った。




