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転生したら猫パンチだった件  作者: ぷれみあむ猫パンチ
プロローグ スーパーヒーローモコネコ!
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第十六話 スパークモコネコ対ブラックモコネコ! 雷と炎の大決戦!

 モコネコがパトロールをしていると、カルガモから連絡が入って来た。


「お? またカルガモちゃんか。何々、お金持ちのおじさまが倒れてます。

どうか助けにきてくださいだって? うひょー、早速新必殺技を使えそうじゃないか。

すぐに行くぞ!」


 モコネコはカルガモの指定した場所へやって来た。


そこは古く、もう使われていない工場だった。モコネコは工場の中に入って行く。


すると、ブラックモコネコがモコネコの前に姿を見せた。


「ふっふっふ、良く来たなモコネコ! 

俺は、ドクターブラックが作ったブラックモコネコ。

貴様を血祭りに上げるため、ここにおびき出したのさ!」


「奇襲もせずに、堂々と出てくるなんて、なんて正々堂々としたお方!」


「ふっ、これを見てもそう言えるかな?」


ブラックモコネコが肉球を差した場所を見ると、そこには翼を傷つけられたカルガモがいた。


 「こいつをここでローストさせてもらう。

お前は黙って見ているがいい!」


「はーい! いやー、カモ肉なんて久しぶりだな。早く焼いちゃってください!」


「え? ふっ、その手に乗るか!」


ブラックモコネコの炎の攻撃により、カルガモから美味しい匂いが漂ってきた。


「ふー、予定は多少狂ったが、これでお前と決戦できるな。

これが俺の特殊能力、フレイムだ。お前には、ここで消えてもらう!」


ブラックモコネコがそう言ってモコネコの方を見ると、そこにあるはずの姿はなかった。


 モコネコは高速で移動し、カルガモを連れて別の場所へ移動していたのだ。


「何! さっき焼けたそいつがなぜ無事なんだ。どうなっている?」


「ふっ、これがオイラの特殊能力、スパークによる高速移動の技だ! 

まあ、カルガモちゃんの翼は、美味しく焼けちゃったけど……」


「くっ、あの炎の中を一瞬で……。面白い!

ようやくライバルになりそうな奴が現れた!」


 こうして、スパークモコネコとブラックモコネコの大決戦が開始された。


「まずは、この工場を爆破してやる。逃げられるかな?」


「何! し、しまった。オイラをここで焼き殺す計画だったのか。くっ、どうする?」


「遅い! 焼けろ! フラッシュオーバー攻撃!」


 ブラックモコネコの攻撃は、工場一帯に燃え広がり、モコネコを焼き尽くそうとする。


「くっ、フラッシュオーバー攻撃だと? 

部屋の限られた範囲の火炎が、数秒から数十秒の間に部屋全体に広がる現象のことをいう。


天井や火に近い部分が、炎や煙によって熱せられて発火し、一気に火炎が広がって、室内が火の海になっている。このままじゃ、数十秒ともたないぞ! 


本来なら、こうなる前に消火しなければならないのに……。

フラッシュオーバーは火災が発生してから三分から十分程で発生する。


しかし、ブラックモコネコはその特殊能力により、それを自力で起こしている。

くっそ、早く逃げないと、ジンギスカンになってしまう!」


「ふはははは、貴様は後で美味しくいただいてやるわ! 

その次は、ウミウシを美味しくいただいてやるわ! 

くっくっく、笑いが止まらないぜ。俺の腹の中で再会するがいい!」

 

「あまいぜ! 火炎から避難する方法を、このモコネコ様が知らないとでも思ったか。

まず、口や鼻にモコネコタオルやモコネコハンカチ(販売希望!)を当てて、低い姿勢で床すれすれに残っている空気を吸うようにして避難するんだ。


煙で前が見えない場合は、壁に手を当て方向を確かめながら避難するんだ。

呼吸は、鼻から吸って口から吐くようにするんだ。これで大丈夫! 

煙こそが一番危険なものだということを知って、下に逃げるようにすれば脱出できる!」


モコネコは、地面を這う様にして移動し、工場から脱出してきた。


 ブラックモコネコは、モコネコの逃げる場所を予測し、先回りをしていた。


「はっはっは! 出入り口でお前を待っていたぜ! 

ジンギスカンになれ、モコネコ! 表面フラッシュ攻撃!」


「くっ、罠だったのか? 表面フラッシュだと?」


モコネコの体は、炎に包まれた。


「やったか?」


「まだだ! 表面フラッシュとは、衣類の生地表面の毛羽に火が付くと、火が生地の表面を伝って広がり、短時間で生地表面に炎が広がる現象だ。


表面が綿、レーヨン、キュプラなどは燃えやすい繊維で毛羽のある製品は、事故が特に発生しやすいので注意が必要だ。


あちちち、マントからオイラの体に火が広がっている、レーヨンだから!」


モコネコは地面を転げ回り、火を消した。


「ふー、このように衣服に火が付いてしまったら、慌てずに水をかけて消したり、素早く衣類を脱いだり、火を叩いて消したりしよう。


火を消したら、火傷の部分に水をかけて冷やし続け、救助を呼んでね。

うう、オイラのマントと麗しい羊毛が……」


 モコネコのマントと麗しい羊毛は、ブラックモコネコの連続攻撃を受け、見るも無残な姿になっていた。


「ふははは、お前はマントが無ければ空も飛べまい。

俺は炎を使い、自在に空が飛べるのだ! 俺の勝ちだ! 

最後は、制空権のあるほうが勝つ!」


ブラックモコネコは勝利を確信し、モコネコが逃げられない真上から攻撃してきた。


「ジンギスカンになれ! ブラックタイフーン!」


黒炎を纏う巨大な渦が、モコネコを襲う。


モコネコは黒炎の渦に呑み込まれ、姿が見えなくなった。


「勝ったぞ!」


ブラックモコネコが喜んでいたのも束の間だった。


背後から、モコネコの声が聞こえてくる。

 

「それはどうかな? オイラはお前の後ろにいるぜ!」


「な、何! どうやってここまで飛んで来たんだ? マントは燃えて無いはずなのに……」


モコネコは、ブラックモコネコにぴったりと貼り付いていた。


「お前の黒い羊毛を利用して、ここまで来たのさ。静電気の力を使ってね!」


「静電気だと? バ、バカな……」


「お前の体には、電圧の高いプラスの静電気がたまっている。

オイラは自分の体をマイナスの電気に変えて、お前に貼り付くことができたのだ!」


「しかし、それなら俺のブラックタイフーンの直撃を受けていたはず……」


「そう、なので寄り道をしたのさ、壁に貼り付くことによってね。

壁をクッションにして、ゴムボールのように弾みながら、お前のとこまで来たのだ! 

オイラの羊毛が無いから痛かったぞ!」


モコネコは必殺技、スーパー猫パンチを繰り出した。


「喰らえ! これは、オイラの羊毛とマントの怒り!」


モコネコの攻撃は、ブラックモコネコに大ダメージを与えた。


「ぐっは……」


ブラックモコネコは自然落下によって、下へ落ちて行く。


「まだまだ、これは、お金持ちのおじさんと言って嘘をついた怒り!」


モコネコは更に、スーパー猫パンチで攻撃する。


ブラックモコネコは攻撃を受け、地面に叩き付けられた。


「バカな、この俺がここまでのダメージを……」


ブラックモコネコはダメージを受けながらも、急所を外し、意識を保っていた。


「ふっ、やるニャン! まだ意識があるなんて……。

だが、この最後の攻撃で終わりだ!

電気によりお前の記憶を消し、オイラのような正義の心を持ったホワイトモコネコに生まれ変わるのだ!」


「くっ、お前のどこに正義の心があっルというのだ!」


「うるさいニャン! 勝った奴が正義なんだよ! 

喰らえ、タダ働きをさせられた怒り!」


モコネコはすべての力を肉球に込め、ブラックモコネコにスーパー猫パンチを喰らわせた。


「俺の汚れた記憶が消えていく……」


モコネコの手によって、悪の記憶の無くなったホワイトモコネコは誕生した。


「くっ、僕は、いったい何をしていたんだ。思い出せない……」


「思い出さなくていい……。

これからは、オイラと一緒に、メアリー牧場のために働くんだ! 

これは、お前の就任祝いだ。心して食え!」


モコネコは、ホワイトモコネコにカモ肉を差しだした。


そして、二匹でミルクを飲みながら、美味しいカモ肉を食べて宴会をし、夜が明けた。


二匹で朝日を眺める。


「ああ、世界はこんなに素晴らしいんだな」


「そうだな。オイラ達はこの世界を守って行こう!」


二匹は朝日を背に、愛する物のいるメアリー牧場まで、飛んで行った。


また、君達の近くで事件が起こると、モコネコ達が飛んでくるぞ! 


お金を準備して待っていよう!

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