第十二話 加速するカルガモの恋心
翌日、モコネコはまたカルガモに呼び出された。
なんでも、山に自生している毒草を食べてしまったらしい。
ヨモギと間違えたそうだ。モコネコは写真を確認し、現場へと向かった。
すると、むっちりとした美女が倒れていた。
「おお、写真で確認したが、これはオイラ好みの美女! 早速診察だ!
ふーむ、なんて大きなおっぱいだ。
肉球で触れても分かる張りと柔らかさ、これは本物だ!」
モコネコはしばらく肉球で診察を続けた。
「さてと、本職に戻るか。手足の痙攣やしびれ、呼吸困難が見られる。
このままでは危険だ。食べた毒草は、トリカブトだな!
正直に言うと、トリカブトに解毒剤はない!
一応、ぬるま湯のような物を大量に飲ませて、食べた物を吐かせよう。
そして、細かくすりつぶした炭と水を一緒に飲ませて、病院まで運ぼう!」
モコネコの適切な処置により、またしても人間の命を救ったモコネコ。
美女はお金がないようなので、将来はメアリー牧場で働かせることにし、モコネコは帰って行った。
「モコネコさん、大好き! 鳥類と猫羊類の恋なんて許されないけれど……。
もしも、モコネコさんがその気になってくれたのなら、アタシ……」
カルガモは、日々モコネコに思いを寄せて行った。