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氷撃のカイ・フィリード  作者: 狼花
7章 【女神微笑む地 リーゼロッテ】
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◆闇に燃える(3)

 チェリンと別れたトリムハイム川の岸辺に、彼女の姿はなかった。瞬きして、カイは改めて周囲を見回す。先にイリーネたちの元へ戻ったのか、アスールたちの加勢に行ったのか、それともチェリンのほうもカイを探して移動しているのか――色々と考えたが、どの予想も的中しなかった。対岸に小高い丘があって、そこにチェリンはいたのだ。おそらくそこから、街の様子を確認しつつ水を投げつける場所を定めていたのだろう。


「チェリー、大丈夫?」


 座って足を投げ出していたチェリンにそう声をかけると、チェリンは疲れた顔で頷いた。身体を起こした彼女は、カイを見て少し笑う。


「あんたも随分ひどい格好になってるわよ。身一つで飛び込むなんて、無茶するわ」

「俺じゃなきゃ死んでたよ」

「でしょうね」


 冷気をまといながらでも、服の裾は焼け焦げ、肌には煤がついている。それに気づいたカイは一度川辺まで下り、顔を洗ってからまたチェリンの元へ戻った。丘に立って街の北側を見ると、遠くに明かりが見える。イリーネやエーリッヒのいる場所だ。

 南側は闇に包まれている。ここに到着してから敵を探しに行ったアスールとニキータを見ていないが、彼らはどうしたのだろうか。


「チェリー、アスールの居場所、分かる?」

「大体の方角はね。あっちよ」


 チェリンが指差したのは、やはり街の南側だ。まだ彼らの仕事は終わっていないらしいが、チェリンの口ぶりから察するにそこまで切迫している様子ではない――イリーネを放っておくのもまずいし、カイは一度彼女の元へ戻ったほうが良いだろう。コロナの住民を助けてやりたいが、カイたちが目指すべくは神都カティアであり、ここで足止めを食らう訳にはいかない。最悪の事態は脱したのだから、出発したほうがいいだろう。


「俺、イリーネとクレイザを連れてくるよ。チェリーはここで、アスールの様子を見ながら休憩してて。すぐ戻る――」


 そう言いかけた時、にわかにカイの視界の端が明るくなった。振り返ると、街の南側の闇の一角から、空に向けて一筋の光が伸びていた。まるで花火のように、夜空で一際明るく光ったかと思えばすぐに消えてしまう。


「今のは……ニキータの“黒羽の矢(ヴォルト・アロー)”ね。なんで空に向けて?」

「狼煙みたいなものだと思うよ」


 ニキータが狼煙を挙げて自分の現在地を知らせる、その意味とは。


「……チェリー、お疲れだと思うけど……」

「分かってるわ。行きましょ」


 チェリンはぱっと立ち上がった。こんな夜中に光を放つのだ、カイたちだけでなく敵にもニキータの居場所を知られることになる。その危険を冒してでもニキータが合図をしてきたのだから、何かあったに違いない。

 きっとイリーネらも、あの光を見ただろう。迎えに行くのは後回しになるが、まずは敵をなんとかせねばなるまい。





 コロナから少し南に下った場所、トリムハイム川の東岸に小規模ながら森がある。ニキータはその森の中にいた。少し開けたその場所にはいくつか天幕が張られ、火を焚いた痕なども残っている。そしてそこには、数名の教会兵の死体があったのだ。


「よお、来たか」


 死体を見慣れていないチェリンは野営地に入るのにおっかなびっくりだったが、カイはそこまで初心ではない。ニキータの元まで歩いて行って、小声で尋ねる。


「どういう状況?」

「街を出ていく教会兵を見つけたんで尾行したら、ここの野営地に来てな。追いついてきたアスールと共に、コロナに火をつけた小隊は潰した。……が、どうやら第二陣がおいでなすったようでなぁ」

「第二陣……早いな」

「人数も倍以上だ。まだ距離はあるが、さすがにあれとぶつかりたくはない。ということで、ひとつ賭けをすることにしたのさ」


 いまいち話が読めなくて、カイは眉をひそめる。ニキータは軽く手を広げた。


「つまりだ、実際にメイナードと繋がっているのは教皇フェルゼンであって、その教皇に買収されているのは教会兵の中でも幹部連中だけだ。一般の教会兵は、ただ上司の指示に従っているだけの敬虔な聖職者に過ぎない。そこに付け入る隙があると、アスールは言ってたぜ」

「……成程。今回の焼き討ちに協力的な教会兵などいない……指揮官を討ちさえすれば、敵は瓦解するってわけだね」

「ああ、何せこっちには正真正銘の神姫さまがいる。奴らもひれ伏すに違いない……というわけでお前らには、イリーネを連れてきてもらいたかったんだがな?」

「何が起こってるのか分かっていなかったのに、そんなことできるわけないでしょ」


 アスールがこの場にいないのは、彼が別行動をしているからに他ならない。ニキータが囮となって敵を引きつけ、その隙にアスールが指揮官を討つ。暗殺術を会得しているというアスールなら、きっと容易いはずだ。


「そういうことなら、あたしがイリーネとクレイザを呼んでくるわ。待ってて」


 チェリンはそう言って黒兎に化身すると、軽快に来た道を駆け戻り始めた。それを見送って、カイは耳を澄ませる。――確かに、微かではあるが兵士が近付いてくる音が聞こえる。人目を避けて、森の中を進軍してきているようだ。


「……カーシェルはどうしているだろう」


 口に出してから、カイは我に返った。ニキータの話を聞いてから、ずっと心の奥で考えていたこと――それがつい、ぽろりと声に出てしまったのだ。

 ニキータは小さく息をついた。


「生きてはいるだろうよ。無事かというと、微妙なところだと思うが……なんとなく、メイナードって狂人の趣味嗜好は分かってきた」

「……」

「カーシェルが殺されるなら、それはきっと……イリーネやアスールの目の前でだろうな」


 そんな光景を見たら――イリーネとアスールはどれだけ傷つくだろう。いや、傷つく程度で済めばいい。あのふたりがどれだけカーシェルを心のよりどころにして生きてきたか、カイはよく知っているのだ。


 カイがそれきり黙ってしまったので、ニキータも居心地の悪さを感じたらしい。諭すような声が頭上から降ってくる。


「奴は人間だ。魔術は使えるかもしれんが、ちゃんとした人間だよ。あんまり弱腰になってんじゃねぇ、できることもできなくなるぞ」


 無個性な励ましの声に、カイは声を出さずに小さく笑った。ニキータは行動で意思表示するタイプなのだ。危険な場所へ向かうときには必ず先頭に立つし、後ろが不安なときはいつだって殿を務める。そういう行動自体が仲間を安心させるのであって、彼自身は言葉巧みな性格ではなかった。ニキータが誰かを励ましたり慰めたりすることは滅多にないのだ。

 それでも不思議なもので、ニキータがいるというだけで、大抵のことがなんとかなりそうな予感がしてしまう。並みの男なら何百回と死んでいるであろう人生を、ニキータは悠々と送ってきたのだから。


「おっ、近づいて来たな。カイ坊、そこの松明に火をつけてくれ。奴らをここまで誘導するぞ」


 言われた通り、カイは石を打ちあわせて火を作り、松明を燃やした。何も知らずに、先行していた部隊と合流するために敵はこの野営地へやってくる――大人数での移動が極めて困難な、森の中に。

 やがてカイの目にも、ゆらゆらと近づいてくる炎が見えた。確かに多い、三、四十人といったところだろうか。


 カイもニキータも、化身はせずに突っ立っているだけだ。ふたりが敵軍の姿をしっかり視界にとらえても、まだ人間たちは気付かない。夜目も耳も鼻も利かないのは不便だろうし、もし自分がそんな状況に陥ったらカイは恐ろしくて仕方ないだろう。

 ようやく、人間たちもこちらの姿が見えたようだ。ざわめきが広がって、肌を刺すような敵意や警戒心が飛び交う。そんな視線にさらされてもニキータは薄い笑いを口元に湛えたままだし、カイもまたその隣で腕を組んでいるだけだ。


「よう。誰をお探しなんだ、こんな夜中に?」


 ニキータが親しげに声をかける。一斉に金属の音が響いた。猟銃の銃口が向けられたのだ。


「き、貴様らは……」


 先頭にいた男が誰何する。押し殺してはいたが、声が震えている。恐ろしかろう――合流するはずだった味方はひとりも残っていなくて、見知らぬ男が仁王立ちして待ち構えていたのだから。


「悪いがここにいた連中は始末させてもらったぜ。コロナの街の騒ぎも収まった。行動を起こすだけ無駄だ」


 ニキータの言葉の途中で、敵の猟銃が火を噴いた。四方からの同時射撃など避けようもない。カイやニキータとてそうだが、カイは防ぐ術を持っている。

 突如現れた“凍てつきし盾(フローズン・シールド)”に、銃弾がいくつも撃ちこまれた。しかし貫通はせず、そのまま分厚い氷の中に閉じ込められる。カイが軽く手を振ると氷の壁は消滅し、勢いを失った銃弾がばらばらと地面に落ちた。それを見て、教会兵が喘ぐ。


「ケモノか……なぜ我らの活動を妨害する。我らの主人が、リーゼロッテ教会の教皇フェルゼン様であると知ってのことか」

「知ってるけどな。俺は神姫イリーネの指示を受けてここにいるんだ。道は譲ってやれねぇな」


 イリーネの名が出た瞬間、教会兵たちの中に明らかな動揺が生まれた。教皇派についている教会兵にとって、神姫イリーネは政敵だ。だがそれでも、神姫に対する崇拝の念や信仰心はとても強い。教会の象徴、女神の代理人――そのような雲上人から、直接指示を受けた者であるニキータらに武器を向ければ、それは不敬にあたるのだ。


「兵卒ども、選んでみろよ。非道な命令を下す教皇やメイナード王子か……それとも、優しいお前たちのお姫様、どちらを信じるかをな」


 ニキータが嗾ける。兵士たちは咄嗟に答えを出せない。神姫イリーネへの忠誠心はもちろんあるが、彼らの上司は教皇に忠誠を誓っているから、部下である彼らも教皇に従わなければならない。ここで神姫のほうへ寝返れば、上司は決して許すまい。そういう葛藤が、ぐるぐると渦巻いているのだ。

 その証拠に、それまでニキータと相対していた教会兵――おそらく指揮官なのだろう――が、部下たちを振り返って怒鳴りつけた。


「こやつらの言葉に耳を貸すな、出まかせに決まっている! 大体、神姫様がこのような場所におられるわけがない……神姫様はサレイユに拉致されて――」


 男は最後まで言うことができなかった。不自然に言葉が途切れさせた男の身体がぐらりと傾き、地に横倒しになった。その男の背中にはナイフが突き立っている。心臓の真上の位置だ。

 男の真後ろにはアスールが立っていたのだ。気配を殺して忍び寄り、背後から心臓を一突きし、声もあげずに絶命させる。確かにそれは暗殺術だ。


「そういえばそのような嫌疑がかけられていたのだったか。この頃ばたばたしていたから、すっかり忘れていたよ」


 悠々とアスールはそう呟く。一番ショッキングなタイミングで殺害を実行したことに、カイは呆れて閉口する。仮にも王子であろうに。


「お前たちが義理を果たすべき相手はこれで消えた。もう一度自分に問うてみるがいい、罪なき同郷の民を殺戮して神姫を蔑ろにすることの意味をな」


 普段ならば、指揮官を討った暗殺者を放置はしなかっただろう。しかしこのとき教会兵たちは完全に気を呑まれていた。青髪の貴公子の正体を知る暇もない。誰もがその場に硬直してしまったのだ。

 複数の馬蹄の音が聞こえた。カイが後方を振り返ると、チェリンの先導でイリーネとクレイザ、そしてメイザス伯エーリッヒがそこにいた。いやに到着が早いのは、おそらくイリーネらもこちらへ向かっていたからだろう。


「神姫様……」

「イリーネ姫様だ……」


 教会兵の中でそんなざわめきが起こる。イリーネは馬を下りて、ゆっくりと前に歩み出た。死体が転がるこの場所を見て青褪めてしまうだろうかとカイは心配したが、イリーネの横顔は凛としていた。記憶を取り戻してから、イリーネはこういう毅然とした表情を見せるようになった。そういう時にカイは、イリーネが王族だということを再確認するのだ。


「――武器を棄てなさい」


 特別強い語調だったわけではない。だが誰もが圧倒された。リーゼロッテ国民として生まれ、聖職者となるために叩きこまれた信仰心は、容易くは抜けない――イリーネの命が下された瞬間、全員が猟銃を手放し、その場にひれ伏したのだ。


「私は神姫であり、この国の王女です。リーゼロッテの民を傷つける者は排除し、皆を守らなければなりません。そのために私は、いまここにいます。自分の意思で」


 大勢の人間がいるのに、この場は恐ろしいほどに静かだった。ただイリーネの声だけが響く。


「平和を守護すべき教会兵でありながら、この悪行……これ以上の暴虐を、女神はお許しになりません。悔い改める心があるのなら、どうか道を開けてください」


 メイナードのもとへ帰れとは、イリーネは言わなかった。任務に失敗した者たちをメイナードがどう遇するかなど、考えるまでもなかったのだ。だからといって、味方としてこのあともやってくるであろう教会兵と戦えとも言えない。それはあまりに惨いことだ。

 エーリッヒが歩み寄って、イリーネにこう告げた。


「彼らの身柄はメイザスが預かりましょう。未遂とはいえ、民衆に武器を向けようとした者たちを野放しにはできない。形式的でも拘束いたしませんと」


 至極真っ当な意見だった。イリーネは素直に礼を言って、エーリッヒに教会兵たちの処遇を任せた。エーリッヒが彼らを不当に扱うことはないだろう。

 イリーネとエーリッヒの温情を受けて、教会兵はいっそう平伏した。エーリッヒは手近にいた教会兵の一人に問いかける。


「今後の教会兵の動きで、何か知っていることはないか。些細なことでもいい」

「はっ……我々はトロイの街で街道を封鎖しておりましたが、数時間前に神都から早馬がやってきて、本隊に先駆けてメイザスへ進撃しろとの命を受けました。ですが、その、妙な指令でして、部隊を複数に分けて波状攻撃をせよとのことで……」


 確かにおかしな指示だ。全軍を叩きつければメイザス騎士団はひとたまりもないのに、わざわざ数の優位を棄てて互角の戦いを挑むとは。本気でメイザスを滅ぼそうとするつもりではないのか――。

 いや、相手はあのメイナード。一思いに殺すより、じわじわと痛めつけるのが好きな男だ。終わりのない波状攻撃を仕掛けてメイザス騎士を戦わせ続け、精神的にも追い込むつもりなのだ。


 傷病者の多いコロナの街を守りながら、敵の攻撃を凌ぐ。どんな強者であれ、苦しい戦いになるだろう。


「『王の森』を通る街道は二本。そのうちのひとつを封鎖していた部隊がここにいるということは、トロイのほうがまだ手薄……イリーネ姫様、急ぎご出発ください。このまま東へ向かい、クレヴィング公領のフェラーへ」


 エーリッヒの言葉に、イリーネは躊躇っていた。いくらなんでも勝ち目のない戦いを、メイザスは行おうとしている。それを知っていながら、放っていくことなどできるはずがない。


「ご心配には及びません。デュッセルを発つ前に、クレヴィング公のもとへも使者を出してあります。クレヴィングの主都ヘルメスから、このコロナの街まで、およそ三日。それだけ耐えればよいのですから、敵が少数なのは好都合です」


 抜け目のないことだ。メイザス伯とクレヴィング公は同志であり、互いの有事には必ず協力するという契りを結んでいるのだという。しかもイリーネとカーシェルのためとなれば、クレヴィング公が兵を出さないわけもない。


 そこでエーリッヒは表情を改めた。


「私はずっと、この事態を待ち望んでいたのかもしれません」

「え……?」

「イリーネ姫様やカーシェル殿下が教会と表立って対立する決意を固められたことを、不謹慎ながら私は嬉しく思っていました。教会の暴走を止め、その腐敗を正してください。我がメイザスは、そのためのお手伝いをいたします」


 メイザス伯エーリッヒという男は、なかなかの激情家であるようだった。知的で冷静な顔をしながら、内心では教会の腐敗を憎み、武力を用いることも辞さない。さすが、カーシェルと心通わせるだけの人物であるようだ。エーリッヒはカーシェルに似ている。どこまでも真っ直ぐな性格も、内に秘める情熱も。

 イリーネはエーリッヒに頷き、カイらのほうを振り返った。


「カイ、アスール、チェリン、クレイザさん、ニキータさん。出発できますか?」


 勿論、できるに決まっている。この混乱に乗じて、隣のクレヴィング公領へ入るのだ。この国で最も広大な土地を治めるクレヴィング公家には、それにふさわしい強者も揃っている。教会兵の数は多いが、無限というわけではない。おいそれと手出しはできないはずだ。

 クレイザが引いてきてくれた馬にアスールが乗り、その後ろにカイが収まる。不本意ながらもうここが定位置だ。他の面々もそれぞれ騎乗した。


「メイザス伯、どうかご無事で。このお礼は、必ずします」

「はい、イリーネ姫様。皆様のご武運をお祈りしております」


 エーリッヒに見送られて、カイたちは馬を走らせた。やがて野営地の灯りも見えなくなり、森を抜け、広大な平野に出た。そこはもうクレヴィング公領だ。この先に、ヴェーデル子爵領と隣接する街フェラーがある。


 カイの胸に、どんよりと重苦しい感情が流れ込んできた。カイのものではないこの気持ちは、イリーネがいままさに感じているものだろう。隣を駆けるイリーネに、カイは声をかける。


「イリーネ、大丈夫だよ」


 それだけで、イリーネには通じたのだろう。微笑んで彼女は頷いてくれる。


「はい。ありがとう、カイ。そんなにボロボロになるまで、みんなを助けてくれて」

「私の背で休んでいてもいいのだぞ。フェラーに着くまでまだ時間はあるしな」


 そう言ったアスールの顔は見えないが、にやにやとヒトの悪い笑みを浮かべているのが声の調子から丸わかりだ。労いの気持ちも一割くらいはあるかもしれないが、本意はそこではない。


「誰がそんな情けないことするか」


 意地になって吐き捨てると、ニキータが笑った声が聞こえた。


「お前が格好つけなのは昔から変わらんなぁ」

「うるさい、おっさん」


 自覚はあるが、認めるのは癪なので、カイはそう悪態をついたのだった。

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