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【TRPG】怪談白物語用 フリーシナリオ集  作者: 牧田紗矢乃


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散歩にまつわる話

【散歩にまつわる話】キーワード


①ランニング

②運動習慣

③コース

④時間帯

⑤会釈

⑥街灯

⑦窓

⑧脇道

⑨実害

⑩幽霊











 皆さん、運動ってしてますか?

 野球やサッカーみたいな「スポーツ」っていう感じのものじゃなくていいんです。

 軽い【ランニング】やヨガみたいな毎日コツコツと続けるような、そういう趣味というか、習慣というか。

 そんなものがあったりするのかな、と気になったんです。

 実は私、お恥ずかしながら先日の健康診断で「【運動習慣】を身につけてください」と指導を受けましてね。

 ジムに通うのも考えたのですが、三日坊主なので契約するのを迷っているんです。

 少し前までは小一時間くらいの【コース】を散歩するようにしていたんですが、事情があってやめてしまいましてね。

 でも、【運動習慣】ってこういうのでいいんですよね?

 再開するかどうかで迷ってるんです。

 あ、そうだ。散歩で思い出した話があったので、今夜の百話目はこの話をしましょう。


 この時期、日中は暑すぎて散歩なんてする気にもなれないじゃないですか。

 かといって朝早くに起きて散歩した後に仕事へ行くのは考えただけで億劫です。

 なので、私は夜の九時くらいに散歩に出るようにしていたんです。

 その【時間帯】なら日差しがないのでかなり歩きやすいですよ。

 まあ、暑い日は暑いですけど。

 同じことを考える人も多いようで、夜間なのに散歩や【ランニング】をしている人も結構見かけました。

 散歩を続けていると同じ【時間帯】にすれ違う人の顔もだんだんと覚えてくるものですね。

 お互い言葉を交わしたりはしませんが、なんとなく【会釈】をするようになるんですよ。

 そうすると、それがちょっとした楽しみになって。

 今日はあのおじさんに会えるかな? なんて思いながら家を出るわけです。

 そんな感じでお散歩ライフを満喫していたある日のことです。

 散歩【コース】の途中で電球の切れかかった【街灯】のところを通るんですが、そこに立っている女の人を見るようになりました。

 何をするでもなく、こちらに背を向けてそこにある家の窓をじっと眺めているんです。

 こちらが軽い【会釈】をしても無反応で、なんだか気味が悪いなぁと思いながらすれ違っていました。

 女の人は、来る日も来る日も同じ家をずっと見つめていました。

 もしかしたらストーカーなんじゃないかと思い始めましてね、それからは極力女の人のことを見ないようにしてきたんです。


 女の人を見かけるようになって一ヶ月ほど経った頃でしょうか。

 散歩【コース】の途中で気付きました。

 例の【街灯】の明かりが消えているんです。

 それでも、月明かりに照らされて女の人が立っていることはわかりました。

 嫌な予感はしたんです。

 ところが迂回できる【脇道】がなくて。

 いっそ引き返して回り道をしようかとも思いましたよ。

 でも、何となく大丈夫だろうと思ってまっすぐ進んでしまったんです。

 さすがに、女の人の前を通る時には小走りになっていました。

 【街灯】の前を駆け抜けて、そろそろ大丈夫かな、とスピードを落としました。

 すると、足音が聞こえるんです。

 恐る恐る振り返ったら、あの女の人が後ろを付いてきていました。

 とっさに普段は入らない【脇道】に入って、不審者として警察に通報したんですよ。

 ところが、警察って【実害】がないと対応してくれないんですね。

 【実害】が出てからじゃ遅いのに。

 息も絶え絶えになりながら、走って家に帰りました。

 家の中は熱気がこもっていたので、【窓】を開けることにしたんです。

 リビングのカーテンに手を掛けて、絶句しました。

 あの女の人が、ベランダに立っているんです。

 驚きましたが、そこで初めて女の人が【幽霊】だったんだって気付いて、変な安心感も覚えました。

 こういうことは慣れているのでサッと塩とお酒を撒いて、女の人が消えたのを確認して寝ましたけどね。


 あれ?

 そういえば始めた時って何人いましたっけ?

 一人増えている気がするのは私だけですか?

 あの【幽霊】、気に入った人には憑いていってしまうみたいなので気に入られないように気を付けてくださいね。

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