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帰省
どーも。
ガタガタと揺れる電車の車内。
足元に置いたキャリーバッグが揺れるたびに少し飛び跳ねる。
窓から降り注いでいる陽射しが露出した首や腕を焼きヒリヒリと痛い。このぼろ電車にはカーテンなんて付いていない我慢するしかない。
それにしてもこの電車に乗っているのは俺だけか、なんだか俺だけがこの世界に取り残されたみたいだ。まあ、運転士と車掌がこの電車には乗っているが。
暇を持て余し、俺は向かいの窓から外の景色を見る。遠くに見える山、手前に広がる田んぼ、時折見える畦道、この景色だけは昔から変わらない。小さい頃から見続けている景色。
この電車の目的地はコンビニすらも無いような小さな村、俺の生まれ育った村、俺はそこに有給を使い帰省する為に電車に乗っている。
ああ、少しだけ寝るか。電車の揺れで眠くなってしまった。
――ん、お客さん。着きましたよ。起きてください。
体を揺さぶられ俺は目を覚ます。
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