21 自我捜索
色々忙しくてなかなか書けないけど、研修旅行中のバスの中で書いてます。
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頭が…軽い…?腕もある…足もある…。
ああ…そうだった。
…だって…ボクたちはひとつになったのだから…。
「キミのおかげで…目を覚ますことができた…。ありがとうね…」
そういえば…ボクの名前は…。
カヅハ…いや…それはこの子の名前だ。
ボクの他にレンがいるなら…。
シグマ・ウプシロン…。
この子…の記憶から無理やりパスを繋げ、もう一人の自分に繋いだからわかる。
それが…今のボクのにピッタリな名前だと。
ネコミミ…とシッポがある。
この子のものであろう。
これのおかげで、感覚がさらに鋭くなっている。
ああ…この子には、感謝しかないな…。
ああ…感謝しかない…レンには…。
力が入るようになってきたので、立ち上がる。
「ハハ…ボロボロじゃん…。身体はこんなにも綺麗なのに」
肌がつやつやしている。
健康的な褐色肌と、天使の羽のように白い肌のコントラストがほどよく合わさって綺麗だ。
日明け後みたいだ。
さて…これからどうしようか…?
救助なんて待っていたら、ハイカ達やレン達を危険に晒してしまう。
それだけは避けたい…。
何としてもアイツを倒さないと…。
倒すためには、何が必要だろうか?
手元にあるのは、カヅハのハサミの形をした大きな銃剣…。
このリボルバー式の弾倉…この大きさなら対物ライフルの弾薬も入るだろう。
上手く入らなかった場合でも、魔法で縮めればいけるだろう。
弾は無いか…材料を探して作るしかない。
そう…ここは私の家である。
武器がある場所…まだ残ってるかな?
身体をゆっくり起こして、辺りを見渡した。
あ…そうだ。
研究資料だけ持っていこう…。
破損は…してないみたいだし。
アイテムストレージは…うん…大丈夫だ。
しっかりと動く。
資料をアイテムストレージに入れて、研究室を出る。
武器庫…いや…正確には武器庫ではないか…。
まぁ…とにかくそこに行こう。
私は少しづつ歩き始めた。
ああ…懐かしいな…小さい頃はよく武器の使い方や仕組みを覚えさせられていた場所だ。
ドアを開き、中を見る。
荒らされてはいないみたいだ。
ここなら、色々な武器や部品がある。
全てをアイテムストレージにぶち込む。
便利なものだ…。
やはり魔法と化学の組み合わせはいいものだな。
「それじゃぁ…始めますか!」
使わないであろう武器や部品を全てバラして、一部を体内に取り込み、エネルギーに変換する。
そして、質の良い弾丸を作り出す。
魔法だけの弾丸よりも、安定性も火力もある。
できるだけ大量に作っておいた。
これで大丈夫だろう…。
他にもグレネード系の投擲系の武器や設置系の爆発物を作り、すぐに使えるようにベルトに引っ掛けておいた。
あとは銃剣の刃の部分を、手入れして…。
投擲用の鎖をつけて…。
完成だ。
試しに使ってみるか〜!
訓練用の装置を起動させたその時…。
天井が崩れて、あの、四足歩行の兵器が飛び出してきた。
はぁ…まぁ…探す手間が省けたか〜!
ボクは武器を抜いた。
さあ…初陣だ!
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ボクは、アプルにベットに押し倒されていた。
相手が別世界の自分だと言ってもいいほどなのに、こんなにも心拍数が上がっている。
体温が上がっている…。
レンも、あの時…こんな感情をしていたのだろうか?
「ねぇ…∑…」
耳元で名前をつぶやかれて、ビクッと身体が反応した。
「な…なに…?」
すごくドキドキしている。
だんだんと、声が出にくくなっているのがわかる。
「今のキミは…私でいいんだよね?」
「うん…たぶん」
「そっか…」
「それだけ?」
「いや?ただ…無茶したことに怒ってるだけ‼」
アプルがそっと口づけをしてきて、ぎゅっと抱きついてきた。
ボクは、それをとろけるような目をしながら、受け入れた。
「ん…」
「ん…」
彼女の思っていることが、手に取るようにわかる。
「もっと…いいよ?」
彼女は、『ボクになれなかった私』なのだから。
私に興味深々なのは、無理もないか…。
その後もイチャイチャするのにつきあうのだった。
コンコン…。
部屋の扉がノックされた。
おそらくηだろう。
「ηでしょ?入って」
「ま…待って‼️それにここは私の部屋なんだけど!」
アプルがすぐに止めに入ってきた。
「何をいまさら…ボクからみんなに筒抜けなのに…」
「…ふぇ?!」
リンゴのように顔が真っ赤かだ。
かわいい。
「アプル〜、∑〜、あの子たちが目を覚ましたよ?」
「お遊びはまた今度だね?」
「うん…」
「二人とも…あまりハメを外しすぎないようにしないとダメだよ?」
「ηが言っても説得力ないんじゃない?」
「うう…」
「冗談はこのくらいにして…行こうか!」
部屋を出ると、廊下があり各部屋がならんでいる。
まるでホテルのようだが、ここはヘリの中なのだ。
ヘリの乗組員たちは、ボク達を丁寧にもてなしてくれる。
客人としてと言うよりは、一人の軍人としてだろう。
「ボク達のあつかいがすごくいいね〜」
「だって、私一応トップだよ?それにさ…君たちは、英雄さんと同じ顔してるじゃん!」
「なるほど…よく思わないヤツは、入れないか〜」
「バレバレか…」
「まぁ…無理に仲良くする必要は無いんじゃない?敵対するなら、潰すだけだし…」
誰だってそうだろう、受け入れるにも限度がある。
そんな話をしながら、ボク達はミーティングルームに向かった。
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