#9
入社から数日後、二人組の女が警備会社に訪れた。一人は若く十代に見えた。その女は大人しめの私服でチノのパンツに濃い青のシャツを着ていた。もう一人は黒いスカートタイプのスーツで年は三十代に見えた。警備会社は応対は主に社長がするらしく他のメンバーはそれのサポートをするらしい。裏の業界の人間かどうか分からなかったので女性メンバーが所持品検査やボディチェックをした。
「先日、電話をしました倉持芸能の住田と申します。こっちは所属の見島鈴と申します。」
「宜しくお願いします。」
「私は社長のウェス・テイラーと申します。こちらこそ宜しくお願い致します。早速ですが、どういうご用件でしょうか?」
「はい。私たちはメタルバンドを組んでおりまして、その警備をお願いしたいのです。」
「なぜ、うちに?」
「理由は二つあります。一つ目は、私たちは宗教批判の曲などもかいておりまして、よく宗教の信者から脅迫状が送られてきます。今回も送られてきていることもあり、警戒をしておかなければならないと思ったからです。二つ目はここ最近反宗教団体の幹部が次々と殺害されており、警戒をしておかなければならないと考えました。以上のことからライブ会場から近い御社に依頼しようと考えました。」
「承知しました。なら、依頼を受けます 詳細な情報などはまた追って連絡をお願いします。」




