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31 今日も美味しいご飯
「ルイ嬢はどうも単に寝ている」
アル王子の発言に侯爵令嬢ルイは『恥っ』と寝ながら思った。
今、目覚めたくない。
唇に柔らかいものが触れた。
思わず目を開けると、アル王子の目と合った。
『近っ』
ん?
んんんん?
今のキス?
ルイ、目を見開く。
「お嬢様!」
万能メイドのサラが駆け寄る。
ざあっと風が吹き、蝋燭と暖炉の火が消える。炎の精霊王が去ったようだ。
白猫と黒猫がすりすりしてくる。
窓の外の常緑樹がざわざわと揺れる。
「おはよう、私のレディ」
爽やか王子が屈託のない笑みをルイに向ける。
ぐう。
空腹の虫で返事をしてしまった。
ルイ、恥ずかしくて俯く。顔が真っ赤。
「お嬢様、今、胃に優しいお食事をお持ちします」
サラがいつもより軽い足取りで寮室から出て行く。
社畜時代の睡眠不足を、現世のぐうたら寮生活で取り戻した侯爵令嬢ルイであった。




