誤解
「あっはははははははははははははははは」
笑っている彼女の短い髪がさらさらとゆれる。
(か、かわいい…!!)
「お、おいちょっと笑いすぎ」
「だってー、んふふふ…二人とも遅刻したと思ったら一緒に来るんだもん…ふふふ」
今は遅刻してしまった朝から時間が経った昼休みだ。
咲がニヤニヤしながら優希を見ている。昼休みこうして優希のもとに来てくれるのは彼にとってとても嬉しいことだが…。
「ばっ、も、もしかしてお前俺たちのことそんなふーに見てるんじゃないよな!?」
勘違いされていることに気づいた優希は必死になる。
「あはは、見てないよーん。…昨日と今日で、ねぇ。もうそこまで…いひひ」
「お前やっぱり!!…俺とあいつはそういうんじゃないから!!」
咲は昨年優希と同クラスでそのころからものすごい恋愛脳だった。
「いひひひひひひひひ」
「ああああああああああ」
「あ!優希!!さきぃ!!」
ひょいひょいと、かじゃが現れた。タイミングは悪いが咲がしている誤解をといてくれと優希はかじゃにうったえる。だがそれには全く気付かない。
「あ、ちょうどいいところだよ!宮川さん!!」
「ん?どーしたの?」
「いひひひひ、じゃ、ゆーき君、あとはお二人で」
最後にハートマークを残した咲はそそくさとさっていってしまう。
優希は咲が誤解したままなため、青ざめている。
その間かじゃは二人きりにしてくれた咲に大感謝していた。
「ねぇ優希ー…」
「かじゃ…話がある」
「…え??」
かじゃはまさか!?と思い期待してしまう。
「俺たち…咲に誤解されてるんだ。」
「え?えええええええええ!?」
思っていたこととは違ったがそれもそれでかじゃからしたら嬉しいことだ。好きな人と自分がそういうふうに誤解されれば嬉しくなるのも当然だろう。
「うへ、うへへへへへへ」
あまりの嬉しさについついにやけてきてしまう、かじゃ。
「それだけは、絶対に困るんだ。よりによって咲…」
「……え?」
かじゃは優希の思わぬ言葉に驚き、まさか…と思う。
「優希……もしかして」
「あ、い、いや別に深い意味は無い。誤解は良くないだろ?」
自分の本当の気持ちを悟られないため言葉を濁す。
「そっか…!うん!そーだよね!」
「どうしたら誤解溶けると思う??とりあえず、その誤解が広まるのを避けたいよな。」
「大丈夫、私に任せて!!!」
かじゃのウィンクから星が飛び出した。
「いいのか?…」
「うん!絶対上手くやるから!」
「おう!任せた。」
そういうと彼女はぴゅーーーんと飛んでいってしまった。」
(なんとしてでも誤解をとかないと…)
優希は少し不安なのか険しい顔をした。