表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奇聞集  作者: keikato
46/79

46 解剖

 この話は中学校で理科を教えているAさんの学生時代の体験談である。

 時期としては平成二十年頃のことになる。


 Aさんの大学の構内には、解剖実習の専用プレハブ小屋があった。

 解剖に使う小屋だけに構内の片隅にあり、その周囲は木々の緑で囲まれていたそうである。

 不思議なことを体験したのは、Aさんが友人と二人で小屋の中にいたときのことだった。

 その日。

 二人はそこで魚の解剖をしていた。

 そんなとき。

 ドン、ドン!

 小屋の壁が強く叩かれた音がする。

 訪問者かと思い戸を開けてみたが、そこには誰もいなかった。

 戸を叩く音が大きかったので、二人は気になって小屋のまわりを一周してみたが、やはりだれの姿もなかったそうだ。

 不思議なことが起きたのはこの直後。

 それは小屋に入ろうとしたときで、Aさんの横を何かがすり抜けたように感じた。

 そのとき。

 そばにいた友人も同じことを感じたのか、二人はおもわず顔を見合わせたという。

「それからもっと奇妙なことがあって。テーブルに置いてあった解剖中の魚が消えていたんです」

 小屋の中に置いてあったほかの魚も消えていたのだという。

 あの時の感覚。

 魚が消えたという事実。

 何かがいたのだろうと考えるしかないのだが、そのものの姿は見ていない。

 Aさんが当時を振り返る。

「それまで構内で猫なんか一度も見たことはないんです。ですから犬や猫じゃなかったと思います。あのときのこと、今になって考えても不思議でたまらないんです」


 たしかに犬や猫などの小動物なら、壁を強くは叩かないだろうし、叩けないであろう。

 が、何かがいたことはたしかである。

 不思議なことがあるものだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ