第15話 次、どこに行く?
依頼の完了報告をした後、商人さんたちや冒険者たちと別れた。
別れる時に、餞別だと保存食をもらった。
けれど残念ながら、活躍する日はこなさそうだった。
今回私たちが遭遇したA級のアズィーラの報告に、ギルドは騒がしくなったので、面倒に巻き込まれないように、さっさと町を離れることにした。
それにこの町はまだ魔界が近い。
出来れば国一つ分くらいは離れたい。
私は町を出た後、安全な街頭を通らずに森を移動するとこにした。
人目がなければ、全力で走っても問題ないからだ。
街頭で走るのは、目立ちすぎる。
その後は一切町によらず、ただひたすら、人気のない森の奥を進んだ。
時折休憩を入れながら、地図を確認する。
真っ直ぐ最短ルートで渓谷や山脈を超えていると、いつの間にか国を2つ超えていた。
正規の道より、だいぶ距離を稼げたようだ。
目的地を定めていないので、魔界からできるだけ離れられれば、何処の国に行ってもいい。
走った場所と距離、時間を考えるに、ここはオクサレヌ国内のようだ。
オクサレヌ国は、大陸西側の大国だ。
勇者伝説もある国なので、色々な情報を集められるのではないだろうか。
ただ勇者と魔王は相反する存在なので、少しの不安はあるが、今は勇者は生まれていないし、大丈夫と思いたい。
オクサレヌ国の隣、大陸中央にはセイント国がある。
セイント国は、神殿の総本山である大神殿と聖域がある国。
神殿の総本山と言うだけで、気になる国でもある。
各国の神殿を調べるのもいいが、大神殿も出来れば調べておきたいところだ。
とにかく、一旦オクサレヌに腰を落ち着かせて、冒険者稼業と情報収集をしよう。
あと個人的に、もっと冒険者っぽいことがしてみたい。
せっかく人間界に来ているのだから仕事っぽいことだけじゃなくて、楽しみたい。
こちらの世界と、転生前の世界の違いも感じたい。
やりたいことは、たくさんある。
一つ一つ、確実にやっていこう。
こんなにワクワクする気持ちは、久しぶりに感じた。
魔界ではここしばらく平和で、非日常がなかった。
平和なのはいいが、時々は、日常じゃないこともしてみたい気分になったものだ。
私は地図を終い、再び足を進めた。
ここからは街頭に戻ることを優先するので、歩きて行くことにした。




