夕闇の訪問者
夕焼け空の元、光が冥王軍に降り注ぐ・・・崩れ落ちるスケルトンを見ていると不意に
「へ~ライオネルさんが認めた方ですか・・・ならボクが来ることもなかったかな?」
振り返ると、空に1人の少年が浮かんでいた・・・その少年を見て聖獣ライオネルは
「お久しぶりですなキョウ殿。」
「うん久しぶり、契約者が見つかったみたいだね。」
そんな2人のやり取りを見ていたビルギット王は
「知り合いなのか?ライオネル。」
「うむ。我ら聖獣の恩人だ。」
階段でも降りるようにキョウは降り立ちながら
「恩人だなんて、そんな大それたことした覚えがないんだけどね。」
「キョウ殿がそう言われても・・・この話はよそうかの。」
「フフフ、そうですね。」
そう言ってキョウはビルギット王に向き直り
「初めまして、天魔王キョウと言います。以後お見知りおきを。」
その言葉にビルギット王とゼノンは驚いた。
「天魔王と言われますと、亜人王を討伐したあの?」
ゼノンが恐る恐ると言った感じで聞いてきたので、
「うん。多分その天魔王です。」
にこやかに笑う少年がそんなに強いのかとゼノンが驚いていると
「討伐したって言っても、ただ皆が作ってくれたチャンスをものにしただけでボクだけでは、討伐なんてできなかったと思うよ。」
「まぁそれでもだな。それでここに来た訳はやはり・・・」
「そっここガンドークにビースガルドの援軍が到着するのは明日の朝、それまで持ちそうにないと読んだんだけれどね。」
「そこに我々がいたと・・・」
「そうだよ。正確にはライオネルさんがだけどね。だから今回はボクの出番はないかなと。」
落ち着いた表情でそういうキョウに対してゼノンは
「お言葉ですが聖獣ライオネル様はそれほどなのですか?」
「ん~そうだね。冥王軍に対してならボクより強いと思うよ。」
亜人王を倒した少年の言葉にビルギット王とゼノンは気持ちが昂るのを感じていた。
「属性的な相性がね、ライオネルさん聖属性だしね、不死者には脅威となるはずだよ。」
そう不死属性の魔物は核となる魔石を破壊するほかに、聖属性での浄化があるのである。ライオネルは聖属性の聖獣で聖獣たちの王、聖獣王なのだから・・・
「だからライオネルさんが居るならここは落ちないかなと。」
その言葉にゼノンは
「しかし食料や薬などの医療品が不足しています。」
その言葉を聞いたキョウは
「ん~それなら朝に到着する飛空艇に多少の物資は積んであるだろうし、飛空艇があるからそれを利用して他国から運んできてもいいしね。」
その言葉にビルギット王も頷いていた。




