飛空艇
聞くところによると、俺の歳でLv.10を超えているのはドラグーナ出身者くらいなんだそうだ・・・異世界人補正でもかかっているのかな?
「あの!助けてくださってありがとうございます。私はリース。リース・ガーランドと言います。」
と言いながらリースが自己紹介をしてきたので俺たちは
「俺はトウマ・キサラギ。トウマでいいぜ。でこっちのが・・・」
「ミコト。ミコト・カンザキです。」
挨拶をして立ち話もなんだからと受付け横の飲食店に来ている。
「それにしてもトウマはお強いんですね。」
リースがそう話しかけてきたので、
「いや、あのくらいならミコトでも相手にできると思うぞ。」
「そうなのですか?」
リースはミコトを見てそう呟くと
「そうなの?」
とミコトが俺に聞いてきたので、
「ああLvも同じだし、多分スキルの影響でミコトの方がはるかに強いと思う。」
「へ~そうなんだ。」
俺とミコトの会話を聞いていたリースが
「えっ?特殊なスキルをお持ちなのですか?」
「え~と、まぁその何だ・・・」
しどろもどろになりながら俺が答えようか迷っていると
「あっ!いえ別に詮索しようなんて思っていません!」
と慌ててリースが言ってきたので俺たちは「ふ~」とため息をついた。
・・・・・・・・・・・・・・・
今現在俺たちは天魔王軍の飛空艇に乗り、ガンドークへと向かっている。15日かかる道のりを飛空艇なら9時間で到着するというのだから驚きである。この飛空艇が大量にあれば戦況も大きく変わるんだけどな・・・
到着するまで俺たちはリムからの情報を聞いていた。
「そうか・・・亜人王は打ち取り、獣王軍の活動を確認、冥王も動き出した・・・他の魔王も城に戦力が集まってきているとなると・・・そしてリースが感じた6体目の存在・・・かなり戦況はこちらに不利となっているな。」
俺のつぶやきにミコトが
「そうよね~でも今回は勇者召喚やらないのかしら?」
その言葉にリースは
「そうですね。行っていても可笑しくないと思うけれど・・・10年前も行ってませんよね?」
そうなんだよね20年前のカクトを召喚して以来10年前も召喚が行われた形跡がないんだ・・・
「何を考えておられるのかあの方は・・・」
俺やリース、ミコトはあの陽気な王の顔を思い浮かべているとミリスが座りながら
「実践・・・初めての実戦・・・」
と繰り返し呟いていた・・・すると
「プッ!ワ~ハッハハハ!」
と笑い声が木霊するとミリスの顔が赤くなり、
「父上!笑いすぎです!」
と笑っている男に向かって叫んだ。




