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ユグドラシル~剣と魔法と冒険譚  作者: あおい聖
ルイン動乱編
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謁見後編

 謁見の間が「し~ん」としばらく静まり返り、顔を真っ赤にした大臣が


「貴様と貴様が属する全てだ!何なら国の公的文章にしてもよいぞ。ん、どうだ?」


 あらあら公的文章にしちゃうんですか・・・「クスクス」と聞こえたのでそちらを向くとカーナさんが笑っていた。そのカーナさんが


「ライナ陛下、あのようなことを言ってますがそのままでよろしいのですか?」


 その言葉を聞き「ハッ」と気が付いたように大臣に向かって


「大臣!勝手なことを言うではない!」


 そう怒鳴りつけても大臣は何食わぬ顔で


「陛下!こうなっては引けませぬ!」


 はぁこれでよく大臣なんて勤まるな?さて種明かしをしてキッチリ処分しましょうか。


「軽率だね大臣さん、ボクの情報を調べもせずにこんな公の場で言えますね。」


 ボクはにこやかにそう言って楽しそうに挑発した。


 大臣はいぶかしげな表情で


「ふん!平民の冒険者風情であろう?それくらい知っておるわ!」


 さてとじゃお灸です。ボクは力を解放して


「では改めまして、昨年天魔王の名と地位を継ぎましたキョウです。あ~もうよろしくしなくていいですよ?先ほどのボクが属するって意味わかりますよね?」


 大臣はおろかライナ王も王妃もルインに属する全ての者が青ざめた。だって今世界同盟の盟主ってボクになってるんだよね。さてどうするのかな?


 ボクの言葉に大臣は


「なっ!なななななななな」


 あつ壊れた。そう思っているとライナ王がいち早く意識を取り戻し


「それはまことなのか?」


 コルトさんとカーナさんにむけて言葉が発せられた。コルトさんとカーナさんは頷き、カーナさんが


「はい、事実です。それでどうするんですか?このまま公的文章にします?ルイン王国は世界同盟から脱退しますって?」


 その言葉にやっと気づいた大臣たち文官は大慌てで罪の擦り付け合いを始めた。


 コルトは呆れながら


「はぁどうなさるつもりですか?ライナ陛下?彼が大臣をしている限り、もはやこの国は信用に値しないと判断されますよ?」


 こんなやり取りがあり、大臣とそれを煽っていた取り巻きの文官は拘束され、役職をはく奪されたと後で聞いた。


 後でライゼンさんにもう少し冷静にお願いしますと説教を受けたのは言うまでもないよね?ボクだってちょっとやりすぎたかな?って思っているんだから・・・でもスズカのことや身内のこと悪く言われると沸点低くなるみたいだね気おつけないと・・・


 まぁ色々あったけれど謁見は無事?に終わり、この後スズカの家族と個人的に会うことを約束してボクたちは謁見の間を後にした。

3月は不定期更新になります。

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