使い魔契約03
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一方そのころ相手の魔族たちは、中々リリア達を倒すことのできないことにいらだちを見せていた。豪華な鎧を着たガンゼルは
「なぜだ!なぜまだ落ちん!」
隣に座っていた老人フォルト
「これ落ち着かんかガンゼル!」
「フォルト殿!これが落ち着いてられるものか!あの程度の戦力に苦戦したとあっては私が王に叱られてしまうではないか!」
この中では一番若い獣人の男コボルは
「ガンゼル様!奴らはもはや風前の灯火であります。ここはわたくし目にお任せくだされば直ちに落として見せましょう。」
「うむ。それではそちに・・・」
不意に
「あっあれはなんだ!」
「ぎゃぁぁぁぁ~!」
「げぶぁあぁぁぁ~!」
あたりに悲鳴ともつかない断末魔がこだましている。状況把握のためコボルは
「何事だ!」
「は!突如現れた黒い騎士型のガーディアンが本陣に現れたかと思うと無数の小型の物体を呼び出し、わが軍を襲い始めました。」
それを聞いた老人フォルトは
「黒い騎士型とな?・・・まさかの・・・」
「通せ!通せ!前線からの急報だ!通せ!」
またしても乱入してきた兵士に向かってコボルは
「今度はなんだ!」
「は!突如前線に現れた白い騎士型のガーディアンが無数の小型の物体を呼び出し、わが軍を襲い始め、前線はほぼ壊滅にございます。」
豪華な鎧を着たガンゼルは
「なっなんだと!」
フォルトは1人ごとを呟くように
「・・・更に白い騎士型か・・・ということは・・・」
コボルは立ち上がり、
「前線が壊滅したとなるとここも時間の問題かと。ここは一時退却して体制を整えるのが得策かと存じます。」
その言葉にガンゼルは、親指の爪を噛みながら
「くぅぅぅぅ~」
「お早くご判断を!」
コボルは急かすようにまくしたてた。
「たっ退却だ!全軍退却!」
ガンゼンが叫ぶと、慌ただしく取るものも取りあえずに我先に逃げ始めた。
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「姉さん見てください!敵が!敵が退却を始めました!」
「うるさい!見てればわかるわよ。大声で叫ばないで。」
そんな話を私たちがしていると
「・・・たっ助かったのか?」
「助かったんだよな?」
そんな声が聞こえてきたので私は、
「我々の勝利よ!我々は助かりました!」
「「「わああああ!!!」」」
古城に歓声が響き渡った!
良かった・・・これでキョウ様を迎えることが出来る・・・
「ひとまず見張りを残して休める者は休みなさい!」
シロと呼ばれていたガーディアンは
「それは我らがやる。」
クロと呼ばれていたガーディアンも
「汝らは全員休むがよい。」
「しかし。」
「結界を張るから大丈夫だ」
「姉さん!今日は彼らのお言葉に甘えようではありませんか。皆疲れているのです。」
「・・・分かりました。それではシロ、クロよろしくお願いします。」
シロとクロは
「「心得た!」」
その言葉を聞き気が抜けたのか、すぐに全員その場で横になり、眠りについていった。