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アルケニアイル  作者: 犬助
二章 入学試験編
22/26

22話 後悔の呪縛

「それじゃあ、わしから上位10位を発表しよう。」

 グアンがそう言うと、レンはその場で屈み込んでしまった。

「おい、大丈夫かよ。」

 試験前に警告をした赤髪の男はレンに問う。レンはそれに応えない。

「10位……。」

 レンはランキングを聞こうとしない。

「8位……。」

「5位……。」

「2位……。」

 順位だけが聞こえてくる。

「首席……。」

 レンはもう白髪の自分に言われたことを思い出す。

「人に頼ってばかりで恥ずかしくないのか?」

 その言葉が自身を縛り付けた。

「レン。」

 グアンの声。

 

「レン。」

 美雪の声。

 

「レン。」

 タクトの声。

 

 彼らが自分を呼ぶ声がしてレンは顔を上げた。

 目の前の光景が、あまりにも眩しかった。

ランキングボードは切り替わり、真ん中には自分の名前があった。

「なんで……。だって一番上の名前は……俺じゃなかったろ?」

「2位までしか表示されてなかったんだよ。」

 美雪は言った。

「自分が1位だと言う絶対的な自信がなければそうはならん。視野が狭くなることは欠点だが、悪いことではないじゃろ?」

 グアンはレンに近づき言った。

「おめでとう。」

「まさか、本当に魔法を使わずに成し遂げるとは思わなかったぞ。」

 レンは目頭が熱くなる。しかし、それを必死に抑えた。

「それでは、今から飛び級検査を行う。2年に上がりたい者は前へ出るといい。」

 グアンはそう言う。

 しかし、前へ出る者は少ない。

「なんだよ、なんだよ! 今年の上位の奴らはやる気がねぇな。

 特に主席のお前だよ。首席を取ったならそのまま高みを目指さねぇのか? そこで満足してる時点でお前の強さはそこで終わりだよ。」

 そう言い、1人の男が観戦席から降りてレンに近づいてくる。

「あんたは?」

 レンは言う。

「俺は今年の飛び級の試験官だ。前回の首席合格者でもある。」

 そいつはレンを罵倒し続けた。

 しかし、レンにはその言葉が聞こえていない。

 試験が終わってから、奇妙な違和感があった。

人の魔力を異常なほど感じ取れるようになっている。

 レンはそれに心地よさを感じる。

 フラッシュ暗算の数字が一瞬で見えるような感覚だった。

 そんな気分だった。

 目の前にいる先輩の魔力量や質を見ても、会う前から知っていたかのように違和感がない。

 だからこそ違和感があった。

 そんな状態だから分かる。

 グアンは異質だった。

 誰よりも大きい魔力。

 まるで神々しい光のようだった。

「俺が前に居るのに、何よそ見してんだよ!」

 目の前の先輩が火の魔法を放つ。しかし、レンは確実に避け、拳を握り、軽く前に出す。

 次の瞬間、先輩の顔面がその拳に吸い寄せられるようにぶつかった。

 魔力は込めていない。それでも先輩はその場に崩れ落ちた。

 するとグアンは異変に気づきレンに触れる。

「魔力異常感知症じゃな。どうする? 飛び級はするかの?」

 その問いにレンは首を振る。するとグアンはレンに『眠れ』と唱えた。

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