22話 後悔の呪縛
「それじゃあ、わしから上位10位を発表しよう。」
グアンがそう言うと、レンはその場で屈み込んでしまった。
「おい、大丈夫かよ。」
試験前に警告をした赤髪の男はレンに問う。レンはそれに応えない。
「10位……。」
レンはランキングを聞こうとしない。
「8位……。」
「5位……。」
「2位……。」
順位だけが聞こえてくる。
「首席……。」
レンはもう白髪の自分に言われたことを思い出す。
「人に頼ってばかりで恥ずかしくないのか?」
その言葉が自身を縛り付けた。
「レン。」
グアンの声。
「レン。」
美雪の声。
「レン。」
タクトの声。
彼らが自分を呼ぶ声がしてレンは顔を上げた。
目の前の光景が、あまりにも眩しかった。
ランキングボードは切り替わり、真ん中には自分の名前があった。
「なんで……。だって一番上の名前は……俺じゃなかったろ?」
「2位までしか表示されてなかったんだよ。」
美雪は言った。
「自分が1位だと言う絶対的な自信がなければそうはならん。視野が狭くなることは欠点だが、悪いことではないじゃろ?」
グアンはレンに近づき言った。
「おめでとう。」
「まさか、本当に魔法を使わずに成し遂げるとは思わなかったぞ。」
レンは目頭が熱くなる。しかし、それを必死に抑えた。
「それでは、今から飛び級検査を行う。2年に上がりたい者は前へ出るといい。」
グアンはそう言う。
しかし、前へ出る者は少ない。
「なんだよ、なんだよ! 今年の上位の奴らはやる気がねぇな。
特に主席のお前だよ。首席を取ったならそのまま高みを目指さねぇのか? そこで満足してる時点でお前の強さはそこで終わりだよ。」
そう言い、1人の男が観戦席から降りてレンに近づいてくる。
「あんたは?」
レンは言う。
「俺は今年の飛び級の試験官だ。前回の首席合格者でもある。」
そいつはレンを罵倒し続けた。
しかし、レンにはその言葉が聞こえていない。
試験が終わってから、奇妙な違和感があった。
人の魔力を異常なほど感じ取れるようになっている。
レンはそれに心地よさを感じる。
フラッシュ暗算の数字が一瞬で見えるような感覚だった。
そんな気分だった。
目の前にいる先輩の魔力量や質を見ても、会う前から知っていたかのように違和感がない。
だからこそ違和感があった。
そんな状態だから分かる。
グアンは異質だった。
誰よりも大きい魔力。
まるで神々しい光のようだった。
「俺が前に居るのに、何よそ見してんだよ!」
目の前の先輩が火の魔法を放つ。しかし、レンは確実に避け、拳を握り、軽く前に出す。
次の瞬間、先輩の顔面がその拳に吸い寄せられるようにぶつかった。
魔力は込めていない。それでも先輩はその場に崩れ落ちた。
するとグアンは異変に気づきレンに触れる。
「魔力異常感知症じゃな。どうする? 飛び級はするかの?」
その問いにレンは首を振る。するとグアンはレンに『眠れ』と唱えた。




