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ざまぁフラグが立ってる王子様に転生した  作者:
王子様の学園生活(四年生)

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73 フルフトバールで魔獣狩りだぁ! そのじゅうさん

 もの言いたげな顔をするテオを無視して、僕は再度イジーに告げる。

「とにかく、一度、ちゃんとヘッダと二人で話しなさい。ただし、ヘッダに考えることを全部押し付けて、答えを出してもらうようなことはしちゃだめだよ。あと、なるべく早く話し合うこと」

 ずるずる話をすることを引き延ばしたとしても、いいことなんて一つもないのだ。

 僕が言いたいことがわかったのか、イジーは静かに頷く。

 うん、素直ないい子だ。


 よしよしとイジーの頭を撫でていると、テオからじーっと見つめられているのに気付く。

「なに?」

「なに? じゃなくってさ。アルはどうなんだよ」

 テオの問いかけに、ネーベルとイジー以外が、反応する。

「俺とイジーの話だけじゃなくって、アルの話も聞かせろよ!」

「それを言ったら、クルトとリュディガーとマルクスはどうなのって話にならない?」


 僕に好きな子がいるのを知ってるのは、ネーベルとヒルト。それからイジーと、オティーリエ、アンジェリカ、ヘレーネだったっけな?

 その好きな相手が誰であるのかまで知ってるのは、ネーベルとヒルトだけで、それ以外は相手が誰であるかは知らないけど、好きな人がいるってこと自体は知ってる。


「僕は好きな人ができても、その相手と結婚できるかどうかは……」

 控えめにそう言ってきたのはマルクスだ。

 あー、マルクスの場合は、上二人の兄がやらかして、婚約を白紙撤回させてるからなぁ。

 イジーが結婚して子供が生まれない限り、『公子』という立場のままだし、運命的な恋に落ちたとしても、その相手と結婚できるかどうかは、難しいだろうなぁ。

 伯爵位の令嬢だったらまぁ何とか行ける?

 けれど、それ以下だと絶対に許可されないだろうし、相手が伯爵位以上だったとしても、毒にも薬にもならない家門でなければ許可が出ない。

 とにかく現在のラーヴェ王国の婚姻事情って、慎重すぎるぐらい慎重な状態になってるからね。

 誰のせいとは言わないけれど。


「結婚……。う~ん、まぁそうか。好きな相手と結婚って、貴族の俺たちじゃぁ難しくなるよなぁ」

 テオが腕を組んで唸りだす。

「身分を捨てる覚悟があるなら……って思ったけど、マルクスは無理かぁ。イジーだけじゃなくってオリーの方もあるだろ? 王家もアインホルン公爵家も、マルクスしか残ってねーもんな」

 それな? ほんと、それな?

 僕が中継ぎで王様やる道もあったけど、それは国王陛下が潰しちゃったしさ。

「でも、恋ぐらいはできるんじゃないのか?」

 マルクスを気遣って、イジーがそう声をかける。


「いえ……。それよりも僕は、恋よりも、友人を作る方が先です」

 学園に入学したばっかりだもんね。

 上二人の兄のやらかしと、オティーリエのあれこれで、マルクスはたぶんあまり手をかけられてもらっていないんじゃないかと、僕は予想している。

 どちらにしろそういった交流は学園でやるのが一番効率的だから、好きな相手とどうこうなるっていうよりも、同年代の同性との付き合いが優先の時期なんだろうな。

 でも油断してるときに限って、変なのが湧いてくるからな。


「好きな人ができたら相談しろよ!」


 にばーっと笑って言うテオに、みんなが少しだけ遠い目をする。

 この手の相談をテオにするのって、ちょーっと心配になるんだよね。

 頼りにならないとか、やらかしそうとか、そういうんじゃなくって、予想がつかなくて怖いみたいな。


「はいはい、じゃ次は僕言います」

 元気よく手を挙げて、にこにこ笑いながらクルトが喋り出した。

「僕はテオ様が落ち着いてくれない限り、好きな相手を探すのも、恋愛をするのも、暇がないです」

「何だよそれ! 俺のせいにすんな!」


 邪気のない笑顔で言い切ったクルトに、テオがキャンキャン吠えまくる。

 しかし長いことテオの従者やってるクルトは、笑顔のまま動じることはない。

「それだと、親に何か言われたりしないのか?」

 こそこそとリュディガーが声を潜めて訊ねると、これまたいい笑顔でクルトは答える。

「言ってこないですね。どうやら俺は、テオ様の所有物らしいので」

 さらっと言ってるけど、闇が見えるぞ。

 突かないでおこう。


「リュディガーはどうなんだ?」

「い、以前ちょっと、気になる人がいたんだけど……」

 イジーの問いかけに、リュディガーがボソボソ呟く。

 へー気になる人いたんだぁ?

 僕がまだ好きな人がいなかったときは、好きなタイプは可愛い感じの子って言ってたよね?

「誰、誰? 名前言えるか?」

 リュディガーの呟きを拾ったテオが、身を乗り出して訊いてくる。

 照れて話したがらないかと思ったら、意外や意外。

 ポロリと相手の名前を口にした。

「……卒業しちゃった、ルイーザ先輩。です」

 ふぁっ!! ルイーザ先輩?!

 驚きで黙ってしまう僕とは逆に、テオとイジーはグイグイとリュディガーから話を訊きだす。


「マジ?! ルイーザ先輩って、卒業しちゃったあの人だろ? 浮気者の婚約者がいた人」

 痛い、痛い。テオ、それはベーム先輩に対して致命傷!!

「リュディガーは、可愛い人が良いって言っていただろう?」

 もっと早く知りたかったと言わんばかりのイジーが、さらに踏み込んで聞きだす。

「ルイーザ先輩は可愛いっていうよりも、美人じゃないか?」

 そう言えば、前にちょっとそういう話になった時に、リュディガーは好きな人はいないけど、可愛い人が良いって言っていたっけ。

 ルイーザ先輩は可愛いっていうよりも、美人ってイメージが強いなぁ。

 まぁ僕らよりも年上だから、そう見えるんだろうけど。


 そんなことを考えたら、リュディガーは顔を真っ赤にして言った。

「か、可愛かったじゃないですか。仕草とか、笑った顔とか」

 あー、内面の方の可愛いかぁ。

 うわぁ~、リュディガーって顔じゃなくって、そっちを見る子だったんだぁ。

 エモッ!



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