↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

59/59

最終話 ユウト国王

「すごくカッコいいですよ、国王様!」


 街中の住人たちの、明らかにお世辞のような声援が聞こえてきた。


 ……なんだか前にも似たようなことがあったな。確か俺の成人祝いのパレードだったかな? なんだかあの時がすごくなつかしいな。


 今回のパレードは前回以上の大にぎわいになっている。なんてったって今日は戴冠式(たいかんしき)。国王が母さんから俺に代わる日だ。住民も大騒ぎである。


 俺は前回と同様に、可愛らしいフロート車に乗せられ見物人に作り笑顔を見せながら手を振っている。


(今日くらいはしっかりやってやらないとな……)


 新しく俺が国王になるついでに、俺は国名を変えることにした。国名はAICⅡも明らかに味で『ユース連合国』にした。……まあ、今までマサト王国とかいうとんでもない国名だったからまだこっちのほうがマシだろう。


 そんなことを思いながら、パレードは無事終了した。






 パレードが終わった後、俺は母さんから王冠を譲り受けた。


「今日からあなたが正式にユース連合国の国王です。私に代わってしっかり国を守ってくださいね」


「わ、わかりました……」


 あまり乗り気はしないが、こうなってしまってはもう逃げられない。


 仕方がないから引き受けることにしよう。


 ……いや、やっぱりめんどくさいしやりたくないな。どうにかサボる方法はないだろうか……。あっ、違う。そもそも俺は国王になったんだ。今の俺には誰も逆らうことはできまい。仕事は誰かに任せて、俺はのんびり過ごすことができるじゃないか。


「……とはいっても、今のあなたじゃ少し不安だし、当分は私も手伝いますけどね」


「え!? 母さんもいるんですか!?」


「はい。……何か問題でも?」


「い、いえ。なにも問題ありません」


 ああ、最悪だ。しばらくは休みなく働かないといけないんだろうな。そう思うと少し憂鬱だった。


「まあ、いいです。それじゃあ今日ですが……」


 うっ、もう仕事があるのか……


「今日は屋敷に戻ってみんなと楽しい時間を過ごしてください。ユキちゃんたちも待っているでしょうし」


「え? いいんですか?」


「はい。ただし、明日からは厳しくするのでそのつもり……ってちょっと、最後まで話を聞きなさい!」


 話の途中だったか仕方ない。俺は逃げるように屋敷に戻った。





「あっ! ユウくん! おかえりなさーい!」


「マスター。お疲れ様です」


「ゆうと、はやくおいわいしよう」


 屋敷に戻るとみんなに出迎えられる。


 はじめは一人でのびのび生活したいと思っていたが、なんだかんだ俺もこの環境に慣れてきたな。


「わかったからちょっとまってくれ」


 家に入ると、『国王就任おめでとう』と書かれた垂れ幕がでかでかと飾られていた。


「す、すごいな。飾りつけも頑張ってくれたみたいだな」


「ゆ、ユウト国王に気に入ってもらえるように頑張ったんですよ。気に入ってもらえましたか?」


「ああ、すごくうれしいよ。みんなありがとう」


 まさかここまでちゃんとお祝いをしてもらえるなんてな。


「ユウト、さっさとこっちにきてお祝いしましょー。私おなかすいちゃったー」


「まったくずうずうしい方ですね。少しは気品というものを身に着けたほうがいいですよ」


「はぁ? あんたにだけは言われたくないわよ!」


 ……もうこの2人がケンカする光景も見慣れてしまったな。


「さあ、ユウトさん。こちらの席に座ってください」


「ああ、わかった」



 こうして俺の国王就任のお祝いが始まった。






 まだまだ俺は国王としては未熟ではあるが、せいいっぱい頑張っていこう。


 俺はそう覚悟を決めた。


 ……たぶん。


※今回で異世界プリンス物語は完結になります。


まだ時期は未定ではありますが、恋愛を軸にした続きの物語を書きたいと思っているので、投稿した際にはぜひそちらの方も見ていただけると幸いです。


最後に、今まで見てくださった皆さん、本当にありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。