56話 最後の戦い
気が付くと俺は王宮の中にいた。……どうやらちゃんと元に戻れたようだな。
俺は急いで外に飛び出し、状況を確認しに向かった。
「……よかった。まだあのドラゴンはここにはきていないようだな」
おそらくあいつはまだ龍の国にいる。……こうなったら俺が直接龍の国にいって戦いに行くしかない。龍の国に行くために、まずはノルンと合流しよう。俺はノルンを探しに街中をかけ回った。
しばらく走り回っていると、近くでユキを見つけたので俺は声をかけることにした。
「ユキ!」
「あっ、ユウト様じゃありませんか!? いつの間に戻ってこられたのですか?」
「ついさっき戻ってきた」
「そうですか……。ご無事のようで本当に良かったです。すごく心配したんですよ!」
「そうか。心配かけて悪かった」
「まったくです。何があったのか、今からじっくり話を聞かせてもらいますからね」
「……俺もそうしたいところなんだが、今は緊急事態なんだ」
「え? どういうことですか? もう魔物たちはせん滅させたので問題はないかと……」
しまった、ユキはまだあのことを知らないのか……。 こんなことを話して分かってもらえるかわからないが、俺は手短にユキに今まであったことを話した。
「神様、ドラゴン、世界崩壊。……えっと、それは冗談ですよね?」
やっぱりこんな反応になるよな……
「全部本当のことだ。それで、今から俺はドラゴンと戦うために龍の国に行こうと思ってる」
「……私も同行します」
「ダメだ。危険すぎる」
「そんな危険な場所にユウト様1人で行かせるわけにはいきません! それに、先ほどの戦いで少なからずユウト様も疲れているでしょう?」
まあ、確かに精神的には少しまいっているが……
「なのでアシストする人間が必要かと考えられます。……それとも、私じゃ力不足でしょうか?」
そういってユキはわざとらしくしょんぼりした。……そんな顔見せられたら断るわけにはいかない。
「……分かった。ユキも連れて行くよ。ただし、ぜったい無茶はするなよ」
「はい!」
「よし。それじゃあすぐにノルンと合流して龍の国に行くぞ。……ユキ、彼女の居場所は分かるか?」
「はい、今すぐよんできます」
そのあとノルンと合流して俺たちは龍の国へと向かった。
「ここが龍の国ですか……」
「ああ。……それにしても、ひどいことになっているな」
龍の国にあった神殿は半壊してしまっている。
「龍神様と魔龍さんたち大丈夫かな?」
「……分からないが、とりあえず中に入ってみよう」
中に入ると、ほとんどのドラゴンが気絶して倒れていた。
「ウソ!? みんなやられちゃってる……。そんな……。ここにいるドラゴンはみんな強いのに……」
「2人とも注意してくれ、黒色のドラゴンが近くにいるかもしれない」
俺たちは辺りを見渡す。だが、どこにも漆黒のドラゴンは見当たらない。……いったいどこにいってしまったんだ?
「……あ、あいつは、もう、ここには、い、いないぞ」
声がした方に振り返ると、白色の魔龍がボロボロの状態でこちらに近づいていた。
「魔龍さん!? よかった、無事だったんだ!」
「……無事ではない。仲間もほとんどやられ、龍神様も呪われてしまった」
ここにいるドラゴン全員が戦ってもかなわないとは……。いったいどれほど恐ろしい怪物なのだろう。
「あの、漆黒のドラゴンは今どこにいるかわかりますか?」
「わからん。だが、人間たちが住んでいる方に向かって飛んで行ったのは見えた」
「……ここに来る途中では見ていませんね。すれ違ってしまったんでしょうか?」
「たぶんそうだな。よし、今すぐ追いかけにいこう!」
「ユウト、少し待つんだ」
国へ戻ろうと駆け出した瞬間、魔龍に呼び止められる。
「え? どうしました?」
「ここにある石板を持っていくといい。きっとお前たちの役に立つはずだ」
この石板は……。俺がドラゴンの力を継承したときに使ったものだ。
「……これって魔力をためておく石板なのでは?」
「この石板は本来、凶悪な魔物を封印するために使われるものだ。……あいつを倒した後、これを使ってあいつを封印してくれ」
「分かりました。ありがたく使わせていただきます」
「うむ。すまんが頼んだぞ」
「はい」
石板を受け取り、俺たちは龍の国を後にした。
※次は11時20分ごろに第57話を投稿します。
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