52話 全世界ダークネスタウン化計画
外へ出ると、門番と冒険者たちが門の前で魔物と戦っていた。
(……よかった、思ったよりはみんなが頑張って抑えてくれてるようだな)
「ユウト国王!」
「ストラか? ちょうどいい、こいつらがどこから来たか分かるか?」
「平原のさきにある森からです。いったいなんでこんなに魔物たちがきたのか……」
森か……。あとで森にいって探索してみるか。だが、とりあえず先にこいつらを倒しておかないとな……
「ユウト様! よかった、ここにいたんですね」
「ちょっとユウト、これ一体どうなってるんのよ!?」
……ちょうどいいタイミングでユキ達と合流できた。彼女たちがいればおそらくここはもう大丈夫だろう。
「ユキ、それとみんな、こいつらの退治を手伝ってもらってもいいか?」
「もちろんです」
頼もしい援軍もあって、100体ほどいた魔物をすべて討伐することが出来た。
「よし、これでなんとか……」
「お、おい、森の奥からまだ魔物が来るぞ!」
先に進もうと思っていたとき、他の冒険者が血相を変えて叫びだした。
「し、しかも、さっきよりも多い……、何体いるんだあれは?」
少々やっかいだな。このままじゃキリがない。
「次から次へと……」
――――ドド――ン
突然森の奥から爆発音が聞こえてきた。
これはいったい?
「ユウト国王、ご無事ですかーーー」
遠くで声を張り上げ、ゴモン国王が俺を呼んだ。
どうやらフォスト王国の連中が助けに来てくれたようだな。
「ハァハァ、な、何とか間に合ったみたいですね」
「ええ、助かりました。ありがとうございます」
「いやいや、構いませんよ……」
そういえば、ゴモン国王達はこの森を抜けてここにきていたな。それなら、この魔物がどこからきているのか知っているかもしれない。
俺はゴモン国王にこのことを聞いてみた。
「……おそらくダークネスタウンからでしょうね。この魔物もミツキちゃんのスキルで作られた怪物ですし」
ダークネスタウン? 聞いたことがない場所だな。しかし、ミツキという名前はハッキリと憶えていた。
「ミツキ……」
「おや、ユウト国王はミツキちゃんのことを知っているんですか?」
「何回かあったことがあります。あの、もしかしてダークネスタウンっていうのは……」
「ミツキちゃんが国王をやっている国ですね」
ミツキが国王の国か……。きっとかなり危険な場所なんだろうな。
「その、ダークネスタウンっていうのはどこにあるんですか?」
「森をまっすぐ進んで抜けたさらに奥にあります。……行ってみればわかると思いますが、あの国は本当に恐ろしいですよ。ここにいる魔物が街中にうじゃうじゃいますからね。きっとまだまだ魔物が攻めてきますよ」
「それじゃあ、この魔物たちを止めるには……」
「ミツキちゃんを止めるしかないですね」
やはりそうか。
「……俺が行ってミツキを止めてきます」
「分かってると思いますがミツキちゃんは非常に危険な子なので、くれぐれも気を付けて付けてくださいね」
「はい」
ダークネスタウンまで森を抜けないといけない。それにかなり距離がある。なので俺は、空を飛んでいけるノルンを探しはじめた。
「おーい、ユウト国王!!」
ノルンを探している途中、武器屋のタンゾウさんが一緒になって俺に声をかけてきた。
「いやぁ、探しましたよ」
「タンゾウさん。そんなに慌てていったいどうしたんですか?」
「いやぁ、ユウト国王にこれを渡そうと思っておっての」
そういうとタンゾウさんは大きめの剣を俺に渡たしてきた。
「ソード・ステッキが壊れたと聞いてな。代わりにこれを渡そうとおもっとったんじゃ」
……そういえば昨日、ゴモン国王からいってたな。たしか大量に魔力が注ぎ込める剣だったかな?
「いいんですか? こんないいものをもらっちゃって」
「ああ、ぜひ使ってくれ」
「ありがとうございます。大切に使います」
タンゾウさんにお礼を言い、俺はノルンを探しを再開した。
「ノルン、いたら返事をしてくれ!!」
「はーい。ユウト、ここだよ」
声がした方を見ると、遠くの方で手を振っているノルンが見えた。
「ノルン、連れて行ってほしいとこがあるんだ。頼めるか?」
「うん、いいよ。任せて!!」
俺はドラゴンの姿になったノルンにのり、ダークネスタウンへと向かった。
「……恐ろしい場所だな」
まだ明るい時間帯なのに、この街だけなぜか真夜中のように暗かった。
それに街中はゾンビたちであふれかえっている。
「ノルン、そろそろおろしてもらってもいいか?」
「わかった!」
「それと、ノルンは先に戻っていてくれ。」
「え? 先に戻っちゃっていいの?」
「ああ、構わん。戻って魔物退治の手伝いをしてくれ」
「分かった……。気を付けてね」
「ありがとう。そっちも気を付けるんだぞ」
ノルンと別れ、アリハラ・ミツキがいるであろう王宮へと向かった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「あぁ、ゆーちゃんが私に会いに来てくれてる!! うれしい!!」
街を乗っ取ったあと私が直接連れてこようと思ってたけど、まさか向こうからきてくれるなんて。
もしかしてこれって、運命……
―――ガタンッ
ああ、ゆーちゃんだ! ひさしぶりにあうからちょっと緊張しちゃう……
「……おい、今回の騒動はミツキがやったんだよな?」
あ、あ、あぁ……。ゆ、ゆーちゃんが私に話しかけてくれた。
「おい、話を聞いているのか?」
ああ、ホントに好き……
「おい……」
「ええ、聞いているわよ。わたしがやったのか聞いてるんでしょ?」
あっ、ゆーちゃんが困った顔してる。 カワイイ!!
「そうよ! 私がやったの!! ゆーちゃんと2人きりの世界にするために!!」
フフッ、今度は驚いた顔してる。サプライズ成功ね。きっとゆーちゃん嬉しすぎてしゃべることが出来ないんだわ。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
こいつはさっきからいったい何をいっているんだ?
俺と二人だけの世界? なんのためにそんなことをしようとしているんだ?
「……俺たちの国にあの魔物を送ったのもミツキか?」
「魔物? それって『ゾンビちゃん』のこと?」
あの魔物ゾンビちゃんっていうのか……
「ええそうよ! 私のスキルで人間の死体をゾンビ化してね、その子たちにゆーちゃんの国を壊すように指示したの!」
「……なんでそんなことしたんだ?」
「だ、か、ら、ゆーちゃんと2人きりの世界にするためって言ってるじゃん!!」
全く意味が分からない。
「『全世界ダークネスタウン化計画』、ゆーちゃんとの理想的な世界を作るために私が考えた計画」
全世界ダークネスタウン化計画?
ミツキの言っていることが全く理解できない……
「まず、ゾンビちゃんたちを使って全世界を私が支配する。そのあと私とゆーちゃんだけの世界にする。あとはゆーちゃんを『お人形ちゃん』にしたらこの計画はすべて完了」
……俺をお人形ちゃん?
笑顔で計画の内容を話すミツキがすごく不気味だった。
「それじゃあ、ゆーちゃん……」
「今すぐ、お人形ちゃんにしてあげるね♪」
※次は明日の18時20分ごろに第53話を投稿します。
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