13話 戦闘開始
屋敷に帰り、すぐにユキ達にも魔族討伐の指令について話をした。
「えーー?? そんなの酷すぎるよ。私たちだけなんて……」
「ああ、だが問題ない。俺が考えた作戦が上手くいけば、特に苦戦することなく魔王城を打ち崩せる」
「作戦ですか?」
「ああ、簡単に説明すると……」
俺がたてた作戦はいたってシンプルなものだ。
まず、ランディアとアンリに協力してもらって魔王城がある場所や敵の位置などを把握する。
そのあとに俺が広範囲の特級魔法をうって大半の敵をせん滅させる。
最後に俺とストラで魔王城に乗り込み、魔王を討伐する。
生き残った下級魔族たちがいたらユキ達に処理してもらう。
「こんな感じの作戦で行こうと思ってるが、問題はないか?」
「うーん。いくらユウくんでも特級魔法を使うってなると結構負担かかっちゃんじゃないの?」
「問題ない。この前武器屋に行ったときに杖を作ってもらった。杖があれば魔力消費も軽減しながら高火力の魔法も打てるから何とかなるだろう」
「分かった。それじゃあお任せしちゃうね」
「うん。基本はこの作戦で行くが、予想外のことがあったらその度に俺が指示を出す。だから安心して敵と戦ってくれ」
「承知しました」
みんなに作戦を伝えた後、俺たちは深い森の奥に入って魔王城を目指した。
「アンリ、魔王城はもう見えるか?」
「うん。見えるよ。あともうちょっと北に進んだらユウト達にもお城が見えると思うよ」
「ランディア、魔族は近くにいるか?
「いえ、魔族の気配はありません」
「分かった。それなら作戦通りに行けそうだな。アンリ、そろそろ降りてもらって大丈夫だぞ」
「はーい」
俺たちは魔王城の場所を特定した後、魔族たちにばれないようゆっくりと魔王城に近づいた。
俺たちは木に身を隠して奇襲の準備を始めた。
ざっと魔王城周辺を見回すと、およそ300体くらいの魔物がいた。
やはり情報と違って数が多いな。だがこれくらいなら余裕でせん滅できる。
「それじゃあ行くぞ。みんな準備してくれ」
全員が戦闘配置についたのを確認して、俺は特級光魔法を放った。
「――――デストロイ・ブライト」
詠唱を言うと、魔王城を中心に巨大な魔法陣が現れ、その範囲内が白く激しく輝きだした。
「ギィアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァ」
それと同時に、俺の魔法に苦しんでいる魔族の声が無数に聞こえてきた。
……すごいな。ちょっとしか魔力を使っていないのに、杖があることでここまでの威力になるとは。
そのあと、俺たちは一気に魔王城に向かった。
「やはりユウト様はすごいですね。外にいる魔族はすべてせん滅できたのではないでしょうか?」
「ああ、うまくいって良かった。これなら魔王城に乗り込む人を増やしてもいいかもしれない。ユキ、それとミーロン、君たち2人もいっしょに乗り込んでもらってもいいか?」
「はい」
「りょーかい。ユウくん見ててね。私も頑張るから!」
「二人とも期待してるぞ。あまねちゃんたちは生き残りの魔族がいないかあたりを確認しもらっていいか? 確認が済んだら魔王城に乗り込んでくれ」
「は、はい。わかりました」
あまねちゃんたちと2手に分かれて、俺たちは魔王城の扉を開いた。
扉を開けると、数十体の魔物が俺たちを待ち構えていた。
「どうやら魔王城内に結界を張っていたようですね」
なるほど、結界か‥‥。どうやら城内の魔族たちにはダメージは与えられてないらしい。
「ユッキー、ここは私たち二人であいつらやっつけちゃおう。ユウくん、ここは私たちに任せて!」
「了解。ユウト様どうぞお先に行ってください」
「ああ、頼んだ。いくぞストラ」
「承知しました!」
俺とストラは魔族の集団を無視して、魔王がいるであろう最上階を目指して階段を駆け上がった。
※次は17時10分ごろに第14話を投稿します。
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