14話 魔王討伐
階段を駆け上がってる途中で、ストラが俺に話しかけてきた。
「しかし、あのメイドたちに魔族討伐を任せて大丈夫なんですかね? 全員戦闘なんてやりそうにない、かわいらしい子ばかりなのに」
「問題ない。彼女たちは強い。俺が保証する。ひょっとしたら、ストラより強いかもしれないぞ」
「マジですか……」
ユキ達のことを話している間に、最上階にたどり着いた。
「いかにも魔王の部屋って感じの扉がありますね」
「さっそく突入するぞ」
そうして俺たちは最上階の部屋に突入した。
俺たちが部屋に突入したあと、すぐにあたりを見回すとそこには魔王と幹部の2人の魔族が座っていた。
たぶん俺たちが乗り込んでくるのをまっていたのだろう。
「よくここまでキタナ、人間ドモヨ、歓迎スル」
魔王が低く威圧感のある声で話しかけていた。
「余は強いぞ。お前らじゃカテない。サッサと帰るのなら見逃してヤル」
「悪いが歓迎される気もないし、俺にはお前らは強そうには見えないんだけどな」
「ナニ?あまりチョーシに乗るなよ人間。――ダークボール」
魔王たちが立ち上がり、俺たちに闇属性の魔法を放ってきた
それを俺たちはするりとかわした。
「王子、魔王の椅子の下を見てください」
ストラが俺に小さく耳打ちしてきたので、椅子の下を見てみるとそこには小さなサキュバスの女の子が首輪をつけられて拘束されていた。
「あのサキュバスはいったい?」
「フン。キサマラが死ぬ前に教えてやる。このサキュバスの幼女は特別なソンザイだ。この子の血を飲むと、ワレワレ魔族はマリョクリョウがゾーカする」
――――ガブッ
「や、やめ、イヤアアアアアアアアアアアアアァァァァァァ」
そういうと魔王たちはサキュバスの幼女に噛みつき、血を吸いだした。
血を吸い終わると、奴らの目は赤く輝きだした。
「コレはいい。サッサとおまえらコロス」
そういった瞬間、魔王は俺に、幹部はストラに向かってとびかかってきて、漆黒に染まった剣を振りかざした。
俺とストラはその攻撃を自分の剣で受け流した。
「ッ、王子、こいつらとんでもないパワーをもってますよ」
「ああ、どうやら魔力量だけじゃなくて身体能力も上がってそうだな」
まあ、あの子の血を飲んでもザコであることは変わりはないが。
「ストラ、幹部の奴を任せてもいいか? 俺が魔王を倒すから」
「ええ。それは構いませんが。魔王を王子一人に任せてしまって大丈夫ですか?」
「問題ない。すぐ終わる」
おれは魔王に狙いに定めて勝負をすることにした。
「後悔するのだな。ニンゲンよ。――ダークネス・ファウンド」
魔王は闇属性の上級魔法を放ってきたが、それを俺はゆったりとかわした。
「ほう、これをよけるとはなかなかヤルではないか。なら次の……」
「残念だが、もうお前と遊ぶのも飽きてきたし、もう終わらせる」
ソード・ステッキに光属性魔力を注ぐと、剣先が白く輝きだした。
俺は一気に魔王に近づき、魔王の懐に入ることに成功した。
「ナニ!?」
「……この程度の強さでよく魔王なんて名乗ることが出来たな」
――――ズシャ
俺は剣を振り、魔王の体を真っ二つに切り裂いた。
「おお、すごい……」
椅子の下にいた幼女サキュバスが俺に一言声をかけてきた。
「君は、魔王の被害者ってこといいのかな? もしそうじゃなかったらこいつと同じ目にあってもらうことになるけど」
「う、うん。ひがいしゃ、だからおねがい。わたしをたすけて」
ウソかもしれなかったが、攻撃されても問題ないので一応助けてあげることにした。
「ありがと。ずっとまおうにいじめられてた。だからたすけてくれてうれしい」
「そうか。これからは仲間と一緒に自由に生活していいんだぞ。そういえば君の故郷はどこかな? 後でそこまで送ってあげるよ」
「こきょうはない。なかまみんなしんだ」
「そ、そうか。それは残念だったな」
「だから、おまえ。せきにんとって、わたしをやしなってほしい」
……何を言ってるんだ、この幼女は?
「わたしのじゅうしゃにしてやるから、やしなって」
とんでもない要求をされて俺が困っていると、後ろから叫び声が聞こえてきた。
「ぐあああああああああああああ」
振り向くと、そこには切り刻まれた幹部の魔族とストラの両方倒れていた。
魔族は死んでいるようだが、ストラは額に呪印が刻まれてひどく苦しんでいた。
「これはいったい?」
「これはとらっぷ。こののろいはにんげんじゃとけない。わたしはとける。わたしがといてあげる」
「いいのか?だいぶ苦しんでいるみたいだし、さっさと呪いを解除してあげてくれ」
「といてあげるけど、そのかわりわたしをやしなって」
……そういうことか。
「――パーフェクトヒール」
俺が回復魔法をかけると呪印はきれいになくなり、ストラは目を覚ました。
「あれ? 俺はいったいなにを?」
「え? そんな、なんで? なんで? なんでとけたの?」
サキュバスの幼女は俺が呪印を解いたことでひどく動揺していた。
「それじゃあ、俺たちは用が済んだし、君も自由に暮らすんだよ」
「ちょっとまって、おいていかないでえーーーーー」
泣きながら俺の足にしがみついてきた。
「まだわたしをおいていくきなの? ……それならわたしにもかんがえがある」
そういうと、この子はストラの左腕に思いっきり噛みついた。
「いって! 何するんだこのサキュバス……。ってなんじゃこりゃ!?」
幼女が噛みついた瞬間、ストラの腕は漆黒にそまり片腕だけ怪物のようになった。
「わたしをつれていけ。さもないとこいつをまものにする」
……これも呪いの一種だろう。
すぐ解除することも出来るが、そしたらまたこの子はストラに噛みつくだろう。
これではただストラが噛まれまくるだけで先に進まない。
仕方ないが、ここは俺が折れてあげるしかないか。
「分かった、俺の負けだ。お前を連れていく」
「やったー。これからよろしく。はやくおまえのおうちにつれていって」
そういうと、この子は俺の手を繋いできた。
そうして俺たちは魔王討伐を成し遂げ、魔王城を後にした。
「王子、、俺の左うで、、元にもどしてくださいよーー」
ストラの嘆きを後ろで聞きながら。
※次は明日の18時20分ごろに第15話を投稿します。
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