第四十六話 逆転
「あ、なるほど。でも九筒を持ってこないと聴牌を崩していますから、このままではあがれませんよ」
「そうです。だけどこのままピンフのままリーチを掛けても逆転できたかどうか?」
そうやって二人が話している時にはるかが九筒を自摸って来た。
「おっと本当に九筒を持ってきました」
「これで後は一萬であがるだけです」
はるかは赤五筒を切って、リーチを掛けなかった。
「リーチを掛けませんでしたね」
「リーチを掛けて四萬が出たら裏期待ですけど、滝川選手からは当たれないから、この場合はリーチを掛けない方が良いかもしれません」
はるかが赤五筒を切った時点で沢野も木下も安心した。赤五筒を切った時点で倍満が遠のいたからだった。
そして木下が無警戒で一萬を切った。しかしそれをはるかが見逃した。
「えー!あの一萬であがりませんよ」
「リーチを掛けて倍満を狙っているのかもしれませんね」
「それでしたら先にリーチを掛けているはずです」
エリカは聴牌を果たしたが、点差的にこれをあがっても逆転は無理で、もうエリカの気持ちは終戦だった。そんなエリカを見て沢野と木下は勝ちを確信する。はるかは何もしないでそのまま自摸切る。木下はもうあがる必要無く、沢野に振り込む準備をした。そして沢野は二人に止めを刺そうとリーチを掛けた。
「ロン、一万二千」
はるかだった。沢野は無警戒に一萬を切ってはるかに振り込んだのだった。




