第三十二話 苦しむはるか
木下は親の沢野を支援して、鳴きたそうな牌を次々切っていく。エリカとはるかは沢野に振り込まないように安全牌を切るしかない。そして木下が三筒を切ったからエリカも合わせて三筒を切った。
「ローン」
そう言って沢野が手を開く。予想外のことに驚くエリカ
「五千八百は六千百」
「エリカ何やってんのよ」
間髪入れずはるかがエリカを怒鳴る。実ははるかも次は三筒を切る予定だったが、そんな気配は全く見せなかった。
「これはうまく山越が決まりましたね」
「チーム戦ですから、こういう打ち方が効果が有ります」
「流石ワルキューレチームです」
「二人ともサバンナでは連係プレーが出来ませんから、こういう打ち方が有ることを想定出来なかったみたいです」
この直撃で点差が、沢野39100、エリカ22900、はるか29000、木下29000となった。
東一局二本場、木下は相変わらず沢野に鳴かそうといろいろ牌を切っていく。それをはるかはくやしそうに見る。
(何か対策が無いの?)
とはるかは悩みながらエリカを見る。エリカはもうはるかと目を合わさないように手牌を見ていた。麻雀のルールでは何を切っても問題が無いから、木下の甘い打牌を止める方法は無かった。何も打つ手が無いはるかをあざ笑うかのように沢野と木下ははるかを見ていた。
「柏木さん、この連携プレイに対する対策は何か有りますか?」
「そうですね、沢野選手より早くあがるしか方法は無いです」
と柏木店長ですらワルキューレチームの連携プレイの対策は考えつかなかった。




