第二十七話 インタビュー
沢野はプロレスのDVDの制作を依頼する柳沢の顧客だから、柳沢には偉そうな口を聞けて、いろいろと命令することが出来た。柳沢は沢野の御機嫌を損ねないように対処しなければならなかった。女子プロレス団体ワルキューレはそれほど大きな団体ではないが、DVD制作も競争が激しく、沢野からすれば他の制作会社に変更しても問題無かった。だから柳沢は貴重な仕事を他の制作会社に取られないように、沢野の御機嫌をこの場でも取る必要が有った。
「おい、柳沢、早く対戦前のインタビューをしろよ」
沢野から柳沢に指示が飛んできた。柳沢は気楽に考えていたからリポーターなど用意していない、他のみの美幸にも先ほど断られたばかりである。他のスタッフは危なかっしくてリポーターを任せられない、仕方なく柳沢自身がカメラマンを引き連れて行くことになった。
「まずは今回挑戦を表明した女子プロレス団体ワルキューレの沢野木下両選手です。沢野選手、今日の試合の意気込みを」
「あ、意気込み?勝つのに決まっているだろ。ワルキューレは麻雀もプロレスも最強なんだよ」
「木下選手は?」
「対戦相手には申し訳ないけど、すべての面において私達の方が優れているってことを証明したいと思います」
「いくぞ」
「ワルキューレ最高!」
「以上ワルキューレ陣営でした」
柳沢はインタビューが終わってほっとしたが、制作の関係上片方だけインタビューをするわけにはいかず、はるか達の方にもインタビューをしなければならなかった。




