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ウロボロスは気の向くままに  作者: 鳥羽 新
13/17

つまらなかった日々

 前世の俺、八羽場(やはば) 彼方(かなた) はただただつまらないやつだった。

 何をやっても中途半端で、クラスとも馴染めなかった。

 心は閉ざした。


 クラスでわいわいしてる子を見ると嫌悪感が込み上がってきた。

 これは嫉妬かな。

 それとも偽りの友情を見たからかな。

 わからない。

 わからない。

 なんで理解する必要があるのだろう。

 他人は他人、自分は自分なのに。

 他人の考えはわからない。

 何を考え、何を感じたかは他人からは完全にはわからない。


 わかった気になってふんぞり返ってるやつをみると吐き気がする。

 その人がどんだけ苦労してきたかわかんないくせに。

 

 そんなことを考える毎日。

 暇だった。

 退屈だった。

 鬱になった。

 

 そんな日々に終わりを告げる存在があった。

 ゲームだ。

 ゲームは面白かった。

 この退屈な現実とは違った。

 自分がやったのはVRMMOという種類のゲームだった。

 冒険者になってモンスターを倒すもよし、生産職についてスローライフを送るのもよしといった感じのゲームだった。

 

 それからはゲームにのめり込んで現実の辛いことはだんだん忘れていった。

 世間から見たらゲーム廃人だろうが当時鬱だった自分には、これしかないという気持ちでいっぱいだった。

 嬉しかった。

 楽しかった。

 

 それから自分は世界ランカーになった。

 ステータスは魔法全振りの特殊タイプのビルドだった。

 一人ギルドをつくり、ギルド対抗戦を荒らしまくった。

 ついた二つ名は震天動地。

 天地を揺るがすほどの魔法使いになった。

 自分が主人公になった気がした。


 それで自信がついて、一回学校行ってみよう、と思ったのが始まりだった。

 いつも通りの学校だった。

 いつも通り騒いでる男子、教室のドアの前で話してる女子、教室で座ってる俺含めたボッチ数人。

 いつもの光景だ。


 一時限から四時限まで何事もなく終わり、迎える5時限目、安斎(あんざい) (つとむ)先生の数学の時間になった。

 どうやらこの先生は人気で、つっくんと呼ばれているっぽい。

 まあ見た目から善人オーラ出てるし、若いし、人気が出るのは当然だろう。

 キラキラしている。

 いけすかない。

 

 その時が、前世の最後の記憶だ。


 

 

 

 

 

 

 

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