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異世界なんてクソくらえ  作者: 南都河埜
西の国の動乱
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物事には時間が必要



 何とかルーベルトの爺様に見放されないで済んだが、それはそれとしてシェリールよりも幼いシャルロットを知ってしまったが為に、更にルーベルトの爺様のシャルを見る目が優しくなってしまった。

 あかん、爺様世代は孫に甘いが、普通にシャルの見た目が可愛いせいで完全に落ちてる。


「とにかく兵の移動をしてくる。主力だけなら残りの魔力で終わる」

「ツヴァイに何となく説明しなきゃだから俺も行くよ」

「ん、トモヤ演技下手。私が適当に言っとく」

「……はい……」


 今回はダメだ。

 西の国の知識自体シャルから多く聞いたし、偵察もしてもらったし、こうしてフォローまでしてもらってる。

 完全に頭が上がらない。


「じゃハイリッヒの御爺様、またね」

「ほっほっほ」


 シャルに手を振られてほくほく顔の爺様だ。

 いや正確には琴美の姿のままだったのだが、転移門を開きつつシャルに戻って消えて行った。


「……爺様?」

「んん、い、いや、うちの孫は女が多いが、やはり幼子は可愛いなとな……」


 幼子って、まぁ確かに琴美が死んだのは十歳に満たない頃だったはずだし、さっきのはその頃の姿だ。

 ぷにぷにロリっ子のシャルもほぼ同年齢サイズだし、幼子と言えば幼子である。

 だが、今のシャルを幼子と呼ぶには少々無理がある。

 よって、ルーベルトの爺様は琴美の姿がお気に入りらしいと言う事に。


「まぁそう言う事にしておきましょう」

「おいトモヤ。おい、何か変な事を考えているのでは」

「いやそんな事は」


 恩人いびりもこの程度にしておこう。


「さて、俺達も城に帰ります」

「む、うむ……」


 シャルが帰って来るのを待とう。



 城に帰って一息ついていると、やっちまったなぁと言う思いが噴き出してくる。

 確かに千絵の言う通り、これまでが上手く行きすぎていた。

 上手く行くと思って色々画策した。

 それがこの様だ。

 あーあ。


「なに黄昏ておるのだ」

「うおっ」


 ぼーっとしてたらベスターが来ていた。


「い、いやさ、色々あって」

「色々か」

「うん、色々」

「そうか、色々か」


 ヤバい、言うべきでは無かった。

 完全に聞く気だから、なんとか話を逸らさないと。


「ベスターはどうしたのさ」

「で?」

「……」


 白状した。

 だって逃がしてくれそうにないんだもん。


「だから私を頼ればよかったのだ」

「今思えばそれも有りだった」


 この際魔人の国とずぶずぶだと言われようが、大魔王の手下と言われようが、王国の民が魔人の支配下と言われようが、いやそれはダメだな。


「ふむ、では少々暴れて来るか」

「たんまたんま。今回は人間の力で解決するから」

「なんだ、結局か」

「ここまで来てベスターの力借りたら、俺はもうダメだと思う」

「まぁいい。だが、そのバウワーの当主とやらは中々やり手だったようだな」

「完全に見くびっていた。いや見くびるように振舞われていた感もある。何なら道化を演じて騙しに来られた」

「恐らくだが、トモヤをとっかかりにして王国の主力を潰す気だったのだろう」

「そこまで狙ってたのかなぁ」

「さぁな。だが最大ではその辺りだろう。最低でも王国と通じてるノイベルトを潰せるだろうし、向こうにとって不利益の無い作戦をいくらでも組めただろうな」

「うーわー……」


 完全にカモにされたとベスターからもお墨付きを頂いてしまった。


「何で行けるって思っちゃったんだろうなぁ……」

「テオと言う奴のせいだろうな。そいつを気にし過ぎたせいだろう」


 結局全て奴のせいか。

 いやここで恨みで動いたら、また何かやらかしそうで怖い。

 くそう。


「ふむ、面白そうだからあちこち見て回ってみるか」

「いやいやいやいや」

「勿論手は出さん。知りえた情報も事が済むまでは黙っていよう」

「まぁそれなら」


 もう勝手に楽しんでてくれ。


「まぁなんだ、あまり気にするな。切り替えて行かんと同じ轍を踏むぞ」

「わかってるけどさ」


 けどさ、と言いながらも、ベスターのおかげかさっきより大分気楽になっていた。

 一人で悔やんでるよりかはマシと言う奴か。


「んで、ベスターは何しに来たんだよ」

「ああ、そうだ。ポチがな」

「ぽ……ポチがね」


 まだ駄目なのかと呆れ顔のベスターさんだ。


「犬系の亜人は犬小屋がいいとか言い出してな」

「……好きに作ればいいんじゃないかな……」

「ポチ達犬亜人だけならいいのだが、亜人全てが本当はこんな家がいいと言い出してな……」

「自分達でやるならいいんじゃないの」

「うむ……だが資材の調達は必要だ。それら全てをこちらでやるのもどうかと思ってたな」

「あー。でも資材なら渓谷の南側にあるだろ。ジャングルだけど」

「だが、ああいったジャングルは下手に切り開くと野生動物から疫病が発生しかねん」


 この世界にそう言った物があるのか知らないが、病気に関して人間以外は非常に恐れている。

 と言うか、人間だけがクレリックの存在のおかげで割と無頓着なのだ。


「でも亜人は元々そっちに住んでたわけだし、大丈夫なんじゃないの?」

「そうだが私がだな」

「ベスターに掛かるような病気なら問題だから考える。掛かったら楓子が何とかする」

「むう、まぁフウコを頼っていいのなら構わんか。どうせ人は渓谷以南に近寄らんしな」

「って言うかベスターって病気になるの?」

「さぁ、記憶してる限りは無いが」

「ユニークスキル関係で何かある?」

「病気に言及した物は無いが、例えば魔王だったらその辺りが無効とかあるかもしれん」

「うーん」


 現状だけを考えたら好きに切り開けばいいと思う。

 だが、将来的に人間と和解して交流を持てるのなら、気を付けなければいけない問題だ。

 ベスターもはっきりとは言わないが、そう言う未来を見据えて言ってくれているのを俺は知っている。

 まぁそうなったら亜人全員ノミとダニの駆除から始める事になるのだろうけど。


「資材って言っても、他所から持ってくるには伐採する場所も無いしなぁ」

「そうなのだ。我が国の森林地帯もこれ以上削るわけにはいかん。あそこはあそこで新しく作った街に馴染めない魔人や魔獣が住んでいるからな」

「世界樹の外のエリアの森林を伐採しちゃうとか。エリア外ならどうでも良さそうだったから」

「ふむ。あの代表は少々気に食わん奴だったからな。文句言ってきても構わんな」


 見渡す限り大自然だったが、少なくともエルフはあの森で狩りをして生活しているようだし、シャルからも特に病気の話は聞かなかった。


「後でシャルが帰ってきたら聞いてみて、大丈夫ならある程度伐採して持って行けばいいんじゃないかな」

「そうするか。結局資材調達と加工まではしなきゃならんのだな……」


 加工は主にカットと乾燥の事だろう。

 しかし、犬の亜人の集落に行ったら、大きな犬小屋が並んでいるのか。

 ヤバいな。

 他の亜人がどのような建物を好むのかは知らないが、犬小屋を欲するのであれば犬の亜人の大昔は犬と同じような生活をしていたのだろうか。

 亜人の発生がどう言った経緯かがわからないため、そう言う物なのだろうと納得するほか無い。


 二時間程してシャルが帰って来たが、思いの外時間が掛かったと思ったら、シャル個人だと本隊の連中を納得させるのが大変で、とにかく関所まで送るからと説得するのに時間が掛かったらしい。

 そうだった。

 最初シェリールでやるつもりだったから気にしてなかったが、シャルがいきなりそんな事を言いだしたら、とりあえず疑ってかかるだろう。

 幸いにも俺と行動してる事を知られていたので、ツヴァイの独断で許可を出したらしい。

 今度会ったら謝っておこう。

 ちなみに、世界樹の外側の森に関しては所有者がいないとかで、生態系を変えない程度なら問題無いと言う事だった。

 今度犬小屋を見に行こうと思う。





 一般兵の輸送をしている間に、ルーベルトの爺様経由で『どうやら兵の輸送を手伝ってくれる協力者が出たらしい』と情報を流してもらい、ノイベルトの受け入れ態勢を整えてもらった。

 と言うか勝手に整えて待っているだろう。

 既に主力本隊が関所にいるので、その情報が誤情報と思われる事も無かったようだ。

 まぁ全ての兵が集まるまではツヴァイ達に待機してもらわなければならないのだけど。

 並行してバウワーの兵の動きをチェックする。

 あれ以来、二日あけてもう一回侵攻があった。

 が、やはり小柄な仮面剣士に阻まれて撤退している。

 もしかしたらシエルの噂くらいは聞いているかもしれないが、向こうも確証が無ければ何も言って来れないだろう。

 バウワーの狸親父はシエルを実際見ているが、戦場に来るとも思えない。

 来てたら捕縛――はまだ出来ない。

 捕縛するには正当性が必要だ。

 バウワーだけならノイベルトへの協力として捕縛できなくも無いのだが、狸親父が捕まったとなると雲隠れする恐れがあるので、オイレンブルクとほぼ同時に捕縛しなければ意味が無い。

 狸親父が捕まったと知れれば、オイレンブルクの当主であるデニス・フォン・オイレンブルクは雲隠れするだろう。

 そのオイレンブルクの街は、あの翌朝大騒ぎになっていた。

 現状外に出れるのは転移門の魔法とフライを使えるウィザードくらいな物で、突如現れた穴をどうするかで暴動一歩手前になっていたらしい。

 どうも兵が集まっていたせいで、参加しない一般市民の感情が穏やかじゃなく、そこに来てコレなのでオイレンブルク家を責める人まで出始めて、暴動は起きずに済んでいるがかなり空気が悪いようだ。

 オイレンブルクの当主は気付いているだろう。

 俺がやった事に。

 そして狸親父も朝が来て気付いた事だろう。

 俺がノイベルトに、と言うか王国側で正式に相手する事にしたと。

 狸親父の場合は転移門の魔法を使える筆頭アークウィザードが側近にいるので、移動は特に問題無いと思う。

 昼頃魔力捜査で探した所、自分の邸宅に戻っているようだったし。

 そう言った報告をしにルーベルトの爺様の所へ行こうと思っていたら、毎回来るのも不審がられようと向こうから王城に来てくれた。

 なのでリビングに通して、孫にお茶を入れて貰ってのんびりと話すのである。


「では、準備は着々と進んでいるのだな」

「はい。おかげさまで」

「そう言えば猊下にはちゃんと話を通してあるのか?」

「勿論です。ですが教皇と言う立場を隠し、聖地で役職に就いていた貴族、と言う扱いにしてくれとの事でした」

「なるほどな……。まぁその辺りは猊下に任せよう。どうせ噂になる」


 俺もそう思うのだ。

 遠目に見れば若くなっていても教皇その人だとわかる。

 むしろ近くで見るとわからない人の方が多いのかもしれない。

 それくらい若返りによる変化は大きい。

 教会でも極力人に合わず、会うとしてもある程度距離を開けて老け顔に化粧してると言う。

 それでも引退したとなれば、そしてそっくりさんが地方領主として一国分の土地を管理し始めたとなれば噂にならないわけがない。

 古城に住むとして、城下町の復興は簡単に行かないので、その間は噂もなく平和だろう。

 だが、信者が見れば分からないはずがない。


「バウワーの兵の損耗は?」

「ギリギリ動ける程度の大怪我なら一割程。後は軽傷です」

「その程度なら問題無いな。では集合次第、まずはバウワーの兵を叩き、その後でバウワーの邸宅へ向かう。バウワーの街を占拠した後で補給し準備を整え、オイレンブルクだな」

「はい。ですが補給は現地でなく王国から運びます」

「奴等、やるか?」

「可能性はあります。あの狸親父なら」


 現地での調達は自然な事だ。

 だからこそ毒等を混ぜている事が考えられる。

 ただ、下手にそれをやると味方が間違えて食べる可能性もあるので、やるなら倉庫別でやっているはずだ。

 どれが正しいかなんてわからないので、ハナから現地調達しなければいい。

 ここでもシャルに活躍してもらう事になるのだ。

 流石に水は井戸を丸ごと汚染する事になるからやらないと思うが、後でマーレンの町からマルコを連れて来よう。あの人なら毒の見分けが出来るスキルを持っているので見て貰おう。


「後日余裕がある時にでも、知り合いの毒の見分けが出来る人を連れて来て判別します」

「無駄にならんのならばそれでいい。あの地の小麦は質は今一だが豊富だからな」

「おやっさんもパンにするには合わないと言っていましたけど、そんなに違うのですか?」

「以前、会合であちらに行った事があるが、どうも味が今一だったことを覚えている」


 そこまでパンに精通しているわけでも無いので、今度サクラの下宿先にでも小麦を持ち込んで比較させてもらおう。

 おやっさんにはあの地で取れる他の食材のチェックをしてもらわないといけないし、適当に理由を付けて出禁を言い渡して来たサクラへの軽い嫌がらせをだな。


「よし、ではそんな形で進めるとしよう」

「他の公爵家の爺様達は裏で何か言ってきていないんですか?」

「奴等はシャルロットが兵の輸送をしてくれる事でスムーズに進むと喜んでいるだけだった」


 って事は、やはりルーベルトの爺様は俺の失敗を伝えていないようだ。

 ありがたいが、同時に申し訳ない。

 何とかして挽回しよう。

 にしても、シャルの事は『シャルロット』と呼び捨てにする事にしたらしい。

 まさかシャルロット様とか表向き呼べないだろうし、これまで関係の無かったルーベルトの爺様が学校の連中のようにシャルロット嬢と呼ぶのも違和感がある。


「オイレンブルクの人々の不安や領主への不満の様子はどうなのだ」

「あまり長い間は放置できないでしょうね」

「まぁ暴動が起きても構わないと言えばそうなのだが、出来る事なら一般市民には被害の無いようにしてやりたい」


 ルーベルトの爺様も俺と同じように、敵国だからある程度は仕方ないと考えつつも、出来る事なら被害は少ない方がいいと考える。

 単純に一般市民が被害を受けるべきでは無いと言う面もあるが、うちが西の国を奪った後に街がボロボロだと復興に人を割かねばならないからだ。

 それくらい大騒ぎした場合、オイレンブルクの当主は逃げるか捕まるかしていると思うけど。

 何にしても領民感情と言うのは今後の事を考えると穏やかでいておいてくれた方がいい。

 領主に不満を募らせ爆発させて、王国の統治の方がマシだろうと言ってしまえばスムーズに運ぶ面もあるかもしれない。

 だが、逆に原因に街の周りに溝や穴なんか出来た理由は王国にあると思われるだろうから、結果的に反王国を加速させるだけだろう。

 なので、一番はさっさと終わらせて穴を埋めてしまう事だ。

 あの穴は、千絵と楓子に魔法の応用で地面に出て来た土を穴に流し込んで、土魔法か風魔法で上から押し固めてしまえばいい。

 完全に元通りにはならないだろうが、後で門前の穴は本格的な道路工事でもしてしまえば馬車の通行に問題も無いだろう。


「まぁオイレンブルクに関しては、食料や生活雑貨が足りている内は何とかなるでしょう」

「だが、兵が集まった関係で食料の備蓄に難があるだろう」

「それなんですが、実際は突然兵を集め出したわけじゃなく、裏でバウワーと繋がってたので、事前に食料の運び込みは終わってるようです。少なくとも一般市民はそう言っていて、そのおかげで食料が足らなくなると騒ぎになっていないようだと」


 シャルが偵察に行ってくれるのだが、流石に緊張状態なので、オイレンブルクの邸宅付近には近寄れないらしい。

 兵が集まっている事で探知に長けた者もいそうだから、透明化してたとしても近づかない事にしたようだ。

 ここでバレてしまうと王国のスパイが入り込んでると騒ぎになるし、それで横行への悪感情が爆発してもしょうがない。

 実際、オイレンブルクも王国のせいだとして怒りの矛先を変えようとしているようなのだが、西の国でも最も王国から離れているオイレンブルクで、兵を集めて出さなきゃいけないくらいに窮地なのかと一般市民からは思われているらしく、その不甲斐なさで矛先が領主に向いたままだとか。

 勿論市民にも十人十色の思いがあり、一概に領主しっかりしろ王国憎いと二パターン化しているわけでも無いようだが、今の所手っ取り早く恨める領主に矛先が向いているようだ。

 出来る事なら今のうちに全部片づけてしまいたいが、形式上兵は関所を通って正式な手順を踏んで入国した事にしとかないとならず、ノイベルトの街に直接輸送するわけにも行かないので、まだまだ準備に時間が掛かるのが実状だ。

 少なくともシャルの言ったように六日で全兵力の入国が出来る。

 その後は山道を行軍してノイベルトの街まで行って貰わなければならず、それに一週間はかかるのだ。

 もっと人数が少なくて山道でなければ三日で到着する距離なのに。

 西の国を奪う場合、この関所付近は切り開かねば駄目かもしれない。

 こう、トンネルを掘るのと同じ感覚で穿孔魔法でずがーんと、と思ってもアップダウンが激しいわ谷間に道があるので直線の確保が地下以外難しいわで、結局やるのならサウスルタンに通したトンネルよりも長い物を作らなければならなくなる。

 サウスルタンまでの二十キロでさえ莫大な労働力を雇っても十日はかかったのに、西の国との間にある山脈を貫くとなると倍以上になってしまうだろう。

 勿論十日でも神の所業と言われる程に早いのだが、その倍以上はかかるであろう全行程に千絵と楓子をかかりきりにさせられるかと言うと、そうもいかないのだ。

 そもそも敷き詰めるレンガとか壁材の生産が追い付かないし。

 やるとすれば谷間に沿って極太の穿孔魔法を横に放ち、無理やり直線を確保する方法だが、多分その直線は山脈の上の方から水が集まり川になる。

 それの対策をしてたら結局莫大な日数がかかってしまうので、千絵と楓子の拘束日数も増えてしまう。

 やらなくても現状何とかなってるが、行商人の行き来を考えると何かしらやらざるを得ないのだ。


「ちょっと気が早いですけど、あの山を何とか切り開いて道を確保しないと駄目ですね……。何をするにしても交通の便が悪すぎる」

「今回はサウスルタンの時のようにはいかんのか?」

「ざっと考えてはみましたけど、千絵と楓子だけでは準備から完成までで一ヶ月くらいは朝から晩まで働いてもらう事になってしまいます」

「むしろそれで出来るなら万々歳ではないか」

「流石にその期間工事してくれとはお願いしにくいですよ。また作業員の募集を掛けて数百人単位でシャルに運んでもらわないといけませんし、サウスルタンの時のような力業は中々出来ません」

「ふむ……。ベスター殿の助力は?」

「穴を掘るだけなら早いでしょうけど、王国としてそこまで魔人との友好をアピールし過ぎても問題だと思うので」

「それもそうだな。勿論問題が無いのであれば構いはしないのだが、魔人嫌いがそこに付けこんで何か悪さを仕掛けてこないとも限らん。程々にしておかねばな」


 俺もその辺りには気を使っていたが、思いの外ベスター人気が高くて特に問題は起きていない。

 アイシア達が入学した事で、暴行か何かの濡れ衣を着せられるのではと言う不安もあったが、あの三人は一部に熱狂的なファンを作ってしまい、そいつらが見張っているので敵意を持つ人がいても下手な事が出来ないようだ。


「まぁ何か考えておきます。ですがサウスルタンの時みたいにスムーズに行くとは思わないでください」

「仕方があるまい。我々老人からすればトモヤ達は奇跡を体現する神の御子と言ってもいいが、その力にも限界はあろう」

「い、いや、そんな大仰な物でも無いんで……」


 むしろそう思われていた事にびっくりだ。

 いやまぁ確かにうちの嫁達がそう見えても仕方ないのかもしれないけど。



花粉で気管支やられて傍目コロナですおはようございます。

あー、この時期しんど。

しんどすぎて考え纏まらなくて眠気ばかり出る。

そんなだから変なミスもあり、マーレンの町の料理人マルコとオイレンブルクの当主が同名になってしまっていたので、今度時間ある時にでもオイレンブルク当主の名前をデニスに入れ替える予定です。

それと勢いで書いちゃってるから、暇な時に全体的に整える的な意味で微妙に修正作業をするかも。

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