リカバリー
もう結構な時間だ。
暗くて戦闘継続が出来ずに一時撤退となったのが三時間以上前だろう。
そこら辺の町では夕食も食べ終わって、そろそろ寝ようかなんて言っていてもおかしくは無い。
そんな時間に俺達は動く。
オイレンブルクの街の上空に出て来た俺達は、まず少し下降して街の全景を見た。
一般的に西の国では、その領地が住む街に領主の家名が使われるらしい。
付近の町や村は、その町長や村長の家名が使われるようだが、仮に病気等で村長一家が全員亡くなってしまった場合、その家名を新しい村長が継ぐと言う形で続いていると言う。
そもそも一般市民には家名が全く存在しないらしい。
王国に関しては名乗らないだけで実際はあるのに、家名が全く存在しないと言う事があるのかと少し驚いた。
「千絵と楓子で、まず町の周囲に直径三メートルくらいの穴を穿孔魔法で掘って欲しいんだ。深さは五十くらいあればいいかな」
「意外と深いわね」
「今回は土を掻き出してる暇が無いから」
穿孔魔法は掘るのがメインで、掘って出た土は地上に押し出される分と、既に掘られている所に流れ出る二通りだ。
この場合、かなり深めに掘り進めないと出た土で埋まってしまう。
縦方向の魔法をフライで飛びながら横方向に押し付けて無理やり抉り取る形になるが、二人とも穿孔魔法の出力は十分なので問題無く出来るはずだ。
穿孔魔法の優れた点は、それほど大きな音が立たない事だ。
爆発で吹き飛ばすとなれば大きな音が鳴る。つまり爆音が。
穿孔魔法に関しては、地上付近では音がするが地下の音が地中に吸収される分もあって意外と響かない。
町の外周を高い壁で囲っているのも気付きにくい要因だろう。
おかげで、一時間程かかったが闇に乗じて街の外周部に溝を掘る事が出来た。
この地が戦場になると考えていないのか、見張りも立っていないし門番も門を閉めて小屋の中で食事中だった。
多分、俺がまだ気づいていないと思って警戒していないのだろう。
何となく気楽になるからそう思う事にした。
自分でもこんなにショックなのかと思う位には今回の件が効いているのだ。
「次は西と東の門前にフルパワーでどでかいのを掘ってくれ。えーっと、地下百メートルくらいの所に地脈があるから、それより上で」
オイレンブルクの街は東西にしか門がない。
王都の三分の一弱程度の規模で、やや縦長の楕円に街が広がっているが、これは海が近い関係で西よりも北や南に広げざるを得なかったのだと思う。
「ね、智也君。どでかいのってどこまで大きければいいの?」
「どこまで出来る?」
「うーんと、直径百メートルくらいまでは出来るかな?」
「甘いわね楓子、私なら百二十は行けるわ」
「いやそんなでかくてもあんまり意味無いから」
門の間口が十五メートル程しかないのに、直径百メートルもの穴を掘っても無駄に大きすぎる。
今後埋める事を考えるとその半分でも大きい。
「ちなみにだけど、トンネル掘る時に二人で楕円にしてたよな」
「そうね」
「うん」
「門から人が出入りできないように穴を掘りたいわけだから、壁に沿って、街の外に向かって五十メートルくらいの長方形の穴を掘れないかな」
「イメージ次第だからある程度は調整効くわよ。星型とか言われたら困るけど」
「私も出来るよ」
「じゃあそうだな、この際長方形じゃなくて一辺五十メートルの正方形でいいや。それで頼む」
壁の構造上、門自体よりもレンガを積み重ねて作ってある壁の方が外側にある。
そのレンガの壁に沿って、門から左右に二十五メートルずつ。
それだけあればどれだけ身体能力が高くても幅跳びで飛び移る事は出来ないだろう。
フライで飛ばす場合も、フライの魔法を人に掛ける場合はバランス制御が難しいので、距離が遠くなればなるほど危険度が増す。
微調子が効くなら門のきわっきわまで穴を広げる事も一瞬考えたのだが、それをやって朝一で門番が開けた途端落ちる事故が起きたら申し訳ない。
俺は決して死傷者を出したいわけでは無いのだ。
仮にも敵国なので、そうなったらなったでしょうがないと思いはするけども。
楓子は海側の西門に行き、他の面々は東門で千絵の魔法を見ていた。
集中し、恐らく範囲指定を目算でやって手を前に出す。
膨大な魔力の流れが見えた。
その瞬間、『ドンッ』と地響きが起きる。
暗くてハッキリは見えないが、月明かりで何となく見えていた地面が正方形に切り取られていた。
少しして楓子が戻って来て、そっちも成功との事でオイレンブルクでの工作はこれで終了だ。
今の音で門番が出て来るかと少し心配になったのだが、今の所特に動きは見られない。
この辺りに火山があって地震慣れしてる、と言うわけでも無いだろう。
さっきは三メートル幅だったから音も振動も少なく済んだが、流石にこの規模ともなるとそうもいかないか。
それで気付かない門番の緩さは、もしかしたら元々オイレンブルクとバウワーが友好的な関係で、形だけの門番だったりするのかもしれない。
そうでもなければ危機感が無さすぎる。
「門番ってこんな鈍感でいいのか……?」
「西の方は何事だって窓から顔を出してたけど、地面には気付いてなかったよ?」
流石に地面が無くなるなんて考えもしないだろうけどさ。
「ねぇねぇトモヤ。私はいつ出るの?」
「シエルは明日の朝な。夜襲なんてしてもその場で気絶するだけだからな。そうだ、はいこれ」
道具袋の中から覆面を出した。
何でこんな物があるかって、一応変装用に何かあった方がいいのではと言う自意識の過剰具合が生んだ産物で、何となく悪乗りして目出し帽っぽいのを杏里さんに作ってもらったのだが、こんなの被ったら完全に職質を食らうので封印してた物だ。
「やーだーっ」
「装備もナマクラな剣一本で、服も平民の服な。楓子は上空からシエルにシールドを張って。そうすれば誰が犯人かわからないから」
「わからなくてもやだ。かわいくないよー」
「俺の失敗を何とかしてくださいお願いします」
「うー、トモヤズルいー」
何とでも言え。
王都の兵士ならシエルだってわかるだろうけど、覆面を被った小柄な女の子が約三千人いる兵士をばったばったと薙ぎ倒していくのだ。
恐らくバウワーの兵にとって、悪夢であろう。
「じゃあ今日は帰ろう。また明日お願いします」
「ん、トモヤ。敬語駄目。旦那の失敗は嫁が何とかする」
「そうよ。何だかんだ今まで上手く行きすぎてたって言うか、主にベスターさんのおかげで何とかなってただけなんだから、多少失敗しても気にしないの」
シャルと千絵の言葉にお兄さん軽く泣いてしまいそうです。
翌日は昼前から進軍が始まり、同時に現場が混乱した。
バウワーの兵が整列して進み始めた所で、急に小柄な一人の覆面が現れて猛威を振るったのだ。
その覆面の一太刀で、最前列中央の兵を吹き飛ばして何人かがドミノ倒しになった。
それを皮切りに、正体不明の覆面に混乱しながらもバウワーの兵は囲んで倒そうとする。
だが囲んで切りかかった瞬間に一斉に吹き飛ばされた。
そんな事が数分で百人以上。
この時点でバウワーの兵も覆面を相手にしたら駄目だと判断し、主力本隊以外を捨て駒に数百人を割いて他は進軍しようとする。
しかし数百人割いたと言えど、囲んで足止めしたら人の層の厚さは精々三十だ。
直線で三十人程度、突破出来ないシエルでは無い。
敵にぶつかって行くと突破力が落ちると思ったのか、合間を狙ってバウワーの兵を薙ぎ倒し、一瞬のうちに突破して先頭に襲い掛かった。
多勢に無勢では無い。
多勢相手にそれ以上の力を持ってぶつかるが、シエルを囲んで動きを止める役割に順次一般市民の兵を割き、主力部隊を先へ先へ進ませて行く。
こうなるとシエルもあまり手加減をしてられなくなるようで、剣の腹で力任せに引っぱたいて吹っ飛ばしていく。
そう、文字通り吹っ飛ばす。
人が簡単に十メートル単位で吹っ飛ぶ光景は中々お目に掛かれない。
引っぱたく部位を一応選んでいるようで致命傷にはなっていないみたいだが、最早身動きが取れる状態では無いようだ。
「誰かシエルに強化系の魔法全部掛けられる?」
「別にいいけど、勢い余って殺さないかしら」
「掛ける順番さえ気を遣えばシエルもわかるだろ」
「んじゃあやるわね」
千絵がシエルに順次強化魔法をかけて行く。
最初はスピード強化だったらしく、勢い余って十人程轢き殺しかけていた。
すぐに気付いたようで少し加減をしたようだが、いくつか掛かってこれ以上強化魔法が飛んでこないなと判断したのか、トップスピードで戦場を駆け回り一撃ずつ入れて行く。
三十分ほどで、三分の一が倒れた。
主力部隊は前へ前へと行くから後ろの状況を把握しておらず、既にノイベルトとぶつかるには数が足りない事に気づいていない。
だが、シエルが主力部隊に追いついた所でようやく後ろが殆ど付いて来ていない事に気づいたらしく、ここでようやくバウワー領方向に転進した。
そのままシエルを無視して撤退して行く。
最初は一人相手に何を馬鹿らしいと思っていただろう。
しかし、それが無視できない被害を出してしまった以上、このままノイベルトとぶつかっても不利でしかない。
一度引き返して、恐らく連絡要員として居るであろう転移門の魔法を使えるウィザードが、指揮を執ってる人間にお伺いを立てに行く事だろう。
冷静だなと思ったのは主力部隊がシエルを潰しに行かなかった事だ。
あの突破力の異常さと、恐らく誰も殺されていない事には気付いていると思う。
主力が束になって掛かって、仮に止めたり追い返せたとしても、被害がどの程度に上るかを考えると手を出せないと判断しての事だろう。
通常なら主力本隊の人数差で何とでもなると判断しそうな物だが、思いのほかバウワーの私兵は優秀だったらしい。
いや、評価を改めなければいけなかった。
バウワーは無能と言われていたが、そんな事は無い。
有能と言われる弟がいるなんて噂だったが、下手したら同一人物じゃないだろうか。
そもそも俺が安易に考えすぎていたのだと今になって痛感する。
西の国自体が王国に対しては団結して来ると言われていたのだから、ノイベルトが割と王国寄りでもそう言う話になっているのは、元々バウワーとオイレンブルクは反王国派で、バウワーとオイレンブルクが団結して西の国全体を反王国として動くように仕向けるからだ。
元々の反王国教育めいた物もあるのだろうけど、
ノイベルトが王国と共謀して攻めて来ると言った時点で、バウワーはオイレンブルクと手を結んで当然だった。
そこに頭が回らなかった俺が悪い。
「ん、勝負は決した」
「小領地まで押し込んだらシエルを拾いに行こう」
「ねね、シャルちゃん。小領地の領主さんって、今回の件にノータッチなの?」
「話は直前に通ってるはず。結局第三位までの力が強すぎるから、小領地の領主は断れない」
「そんなんでよく今まで吸収されなかったわね」
「緩衝材として丁度良かっただけだと思う。小領地が無かったら大領地同士の戦いが頻発して、今頃もっと疲弊して食料の豊富なバウワーが一強になってたはず」
大領地が隣接していて、仲が悪ければ境目で小競り合いが頻発する。
だが、小領地を挟む事でそれも起こらない。
むしろそう言う形に領地を奪われて行って今のようにサンドウィッチにされる形になったのだろうけど、そのおかげで両大領地からの穀物や資材と言った商品は安く買えるらしい。
持ちつ持たれつと言う奴なのだろう。
「この後はシャルにはシェリールで運搬作業だな。俺達は一旦帰ってシャルが終わるのを待つ」
「ん、了解」
転移門の魔法での移動はシャルしかできないので、俺達がここに残って何かをするとしても監視くらいしかできない。
だが、現状バウワーの兵はほぼ撤退済みだし、ノイベルトの兵も昨日でそれなりの被害は出たが損耗率は数パーセントだろう。
恐らくバウワーの兵に何らかの問題が起きて撤退した事は、向こうで観測してる兵が気付いているはずだ。
そこで追撃を掛ける様子は無く、とりあえずノイベルトの街付近で野営して迎え撃つ体制を維持しているようだ。
だが、それでは少々困る。
王国の兵が早めに合流できると情報を流しておかなければ、関所に迎えがおらずスムーズに進まない可能性があるからだ。
「だけど参ったな……」
「どうしたのトモヤ」
「いや、関与しないと言っていた事もあるけど、シェリールで兵の運搬をするとなると何事だと動揺されかねない。西の国で大きな動きがあったからと説明できなくも無いし、何なら俺がやらかして厄介な事になったからと説明してもいいけど、その場合今後の協力体制に問題が生じるかもしれないし」
「ん……多分言わなくていい。ハイリッヒのお爺ちゃんも、多分今回の件を表沙汰にする気は無いと思う」
「何で? じゃないと動きに説明が出来ないけど」
「あえてバウワーとノイベルトの当主を捕まえて、人気の無い牢に入れておいてくれと言ってきた。口封じだと思う」
「そんな好意的に解釈していいのかな」
「あのお爺ちゃんに気に入られてるのもある。将来王国を背負って行く人間族と言う立場もある。兵の移動に関しても、ちょっと話を通せば何の問題も無い」
「そこまで言うならシャルに任せるけど……」
「じゃあ、ハイリッヒの家に行く」
そう言ってシャルは千絵にシエルの回収をお願いし、戻って来た所で転移門の魔法を使った。
出た先は言った通り王都のハイリッヒ別邸である。
ちょっと話を通せばって、そりゃシャルが戻って来たと報告すれば済む話ではあるのだけど。
そんな都合よく帰って来ても違和感を抱かれるだけだと思う。
「たのもー」
「いっつも思うんだけど、それ言わないと駄目なのか……」
シャルがどこかに尋ねる時って毎回これなんだよな。
「何となく癖」
「あ。はい……」
ルーベルトの爺様は、基本的に日がな一日別邸で過ごしている。
仕事は主に調整だ。
公爵家としてやっている家業は息子に引き継ぎ、しかし会長みたいな形で仕事の成り行きを見てあれこれ助言したりしているらしい。
他にも分家や傍流の家業に至るまで様々な情報が上がって来るので、それらを見てデータ上だけで問題点の洗い出しや指摘をしていると言う。
もう七十歳を超えているはずなのに、元気すぎて逆に心配になるくらいだ。
「さて、今日はどんな話が聞けるのかな」
取り次いでもらって、応接室に通された。
すぐに来たルーベルトの爺様は、つい半日前に会ったばかりなのに嫌な顔を一つもしないで向き合ってくれる。
なんかむしろ面白がってる風でもある。
「ええ、今日は私から話がありまして」
「ほう、王女自らですか」
通常、敬称として王女殿下とするのが正しいようだが、あくまで公の場ではそうと言うだけで、ルーベルトの爺様とはシャルが王国に来てからの付き合いだ。
なので俺が思っている以上に仲がいいらしく、ルーベルトの爺様も王女相手だから一応敬語を使っているだけで、その視線は孫を見るのと変わらない。
「恐らく今回の件、もみ消してくれると思っているのですが」
「まぁ、情報が洩れなければですが」
「流石ハイリッヒの御爺様。そうだと信じていました」
「うーむ、トモヤ。これは何か不穏な空気を感じるのだが……」
シェリールがさも当然と言わんばかりに言うものだから、流石に何かあるのではと俺を向いた。
「いや、その、シェリールが何か話があるから行くと言うから付いてきただけなので……」
「そ、そうか……。して、どのような話で?」
「ええ。実は先ほど、私が兵の移動をすると動揺させるのではないか、と言う話が出まして」
「それはそうでしょうな。よっぽど切迫した状況でも無い限り、王女の手を煩わせる事などあっていいはずがありません」
「もみ消して頂けるのであれば、尚更私が出るわけにも行かないではないですか」
「ふむ……。その通りですが、他に手は?」
「あります。が、その場合ハイリッヒの御爺様には完全に私達側に付いてもらう必要があります」
「これでも公平を謳いながらも大分そちら側に傾倒していると思うのですが……」
「ええ、存じております」
「まぁ、いいでしょう。老い先短いこの命、この先王国を背負って立つ若者達に掛けてみるのも」
なんて仰々しく演技するように言った。
つまり、シェリールの提案に乗ると言う事だろう。
「そうですか。ではとりあえず」
シェリールがシャルになった。
はて、意味が分からない。
しかしながら、俺達以上に意味の分からない人が目の前にいる。
俺からしてみれば、ルーベルトの爺様に明かす必要性がわからなかった。
「ん、こっちの方が見慣れてるかも」
そう言ってわざわざぷにぷにのロリっ子シャルになる。
「ついこないだまではこれ。色々あってちょっと成長した」
そう言ってまた現在のシャルになると、ルーベルトの爺様の反応を見る。
「――ほう、つまり、どっちが正しくなのですかな」
何なら思考を放棄してもいい問題だと思うのだが、どっちが本来の姿なのかと問うてくる辺り流石爺様だと思う。
「元々こっち。あっちは表向き王女としてやって行く為の姿。これだと幼すぎるから」
「なるほど……。しかし、何故それを私に?」
「こちらに付いてくれたお礼。もみ消そうとしてくれたお礼。これまでのお礼。これを知っていれば、今後シャルロットとして出来る事まで協力できる」
つまりあれか。
兵を移動させるにあたり、シェリールの姿では不味いからシャルの姿でやりたいが、シャルは世界樹に帰ってる事になってるから説明が付かないと。
その上でルーベルトの爺様を巻き込んでしまおうと。
それだけなら帰って来たと言うだけで済むのに、シャルとしてはルーベルトの爺様へ誠意を見せるつもりらしい。
「なるほど……。ちなみにそれを知っているのは?」
「身近な人間まで。外部だとリリアナ達やコレットやマリーネも」
「そうですか……。いやはやエルフの年齢はわけがわからないので何と言っていい物かわかりませんが、お若いのですな」
「ん、シャルロット八歳。そろそろ九歳」
その言葉に流石に絶句する爺様だ。
「でもその前に異世界での記憶もあるからトモヤ達と殆ど同い年」
「……転生ですかな?」
「そう。むしろこっちの方が秘密度は高い」
「なるほど……。道理で異世界の技術を多く取り入れるわけですな……」
シャルは琴美に変身した。
俺達異世界人組と変わらない黒髪の、こちらの人ほど掘りの深くない普通の顔――と言っても琴美自体が薄幸の美少女を地で行くタイプだったが、本人はそこまで自覚してなかったと思う。
だから俺としては田舎に行くのを結構楽しみにしていたが、それを言うと五月蠅そうなので墓まで持って行く。
「それが以前の姿ですか」
「と言うわけで、これからもよろしく」
「……トモヤ、一つ聞いても?」
「はい?」
「……手を出したのか?」
「俺を犯罪者にしないでください」
「なるほど。よかった」
くそう、一番気になる事がそれか。
確かにロリコンに国は任せたくないだろうけどさ。
でもこんなでも俺の嫁なんだよ。




