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毎朝満タンになる補充トラックで異世界配送を始めました  作者: たむ


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148/156

第148話 鍵を渡さない一回

帰路待避点0。

満タン便の帰還を続けられなくなった時。

車を受領せず。

次の役目も決めず。

ただ、安全に止めておく場所です。

通常なら。

水車町側と日本側の通信を使って解除できます。

けれど。

両側の通信が長時間失われ。

しかも。

その場へ車を置き続けること自体が危険になった時だけ。

最後の手段として。

通信断時・手動解除


が使えます。

その権限源は。

SR-01/ORG原鍵


田村誠司が持つ、濃銀色の原鍵。

ただし。

原鍵そのものを。

雪板にも。

ガランにも。

日本側にも渡してはいけません。

必要なのは。

鍵を渡さずに、権限だけを一回使うこと。

「複製はしません」

朝。

水車町配送所。

机の上。

濃銀色の鍵。

SR-01/ORG


小川が。

日本から。

持ってきたもの。

今は。

封止箱。

中。

普段。

出さない。

誠司は。

箱を。

開けないまま言った。

ガランが。

「当たり前だろ」

「似たものも作りません」

「権限を使うって話じゃなかったか」

「だからです」

原鍵を。

複製。

する。

それは。

鍵を。

増やす。

こと。

今。

必要なのは。

一つの。

緊急解除。

だけ。

SR-01。

全体。

触れる権限。

ではない。

*

ロウグが。

条件。

読む。

帰路待避点0

通信断時手動解除


権限源――SR-01/ORG


物理原鍵移送――不要


原鍵所有者本人実行――不要


必要役目――緊急解除立会


「じゃあ」

サーラが言う。

「原鍵の持ち主が、前もって許可しておく?」

誠司は。

少し。

考える。

「許可だけでも広すぎます」

“緊急なら使っていい”。

では。

何を。

緊急。

とするか。

曖昧。

さらに。

待避点0以外へ。

使える。

ように。

読めたら。

危険。

「範囲を」

ロウグが言う。

「先に削る」

「はい」

*

黒板。

書く。

原鍵権限・一回照合


対象。

帰路待避点0・通信断時手動解除のみ


対象車両。

K2D-0713・第一最終帰還便のみ


有効開始。

第一最終帰還便出発確認後


有効終了。

車歴C搬入受領完了

または

第一最終帰還便中止確定


使用回数。

一回


その他。

SR-01本体設定変更――不可


基地変更――不可


人員帰着先変更――不可


SR-02権限――不可


原鍵所有権移転――不可


他車両への使用――不可


ガランが。

最後まで見る。

「本当に解除だけだな」

「解除だけです」

*

さらに。

使用条件。

一。

帰路待避点0に対象車両が実在する。


二。

水車町側・日本側双方の通常通信が長時間不能。


三。

通常解除手段が使用不能。


四。

待避継続そのものに新たな危険が発生。


五。

技術判断として、限定移動が待避継続より安全。


六。

運転者または現地人員が、限定移動を安全に実施可能。


「運転者がもう帰ってたら?」

雪板が尋ねる。

「その場合は、別の安全な運行者が成立しない限り解除しません」

「解除だけして、無人で動かす?」

「通常はしません」

帰路待避点。

無人返送。

できる。

場合。

ある。

でも。

通信断時。

状況。

不明。

勝手に。

無人車。

動かす。

もっと。

危険。

無人移動――個別条件成立時のみ


原則。

しない。

*

ここで。

ガランが。

言った。

「四と五を決めるのは俺か?」

誠司は。

首を横に振る。

「ガランさん一人ではありません」

水車町側技術。

ガラン。

日本側。

技術当番。

でも。

通信。

切れている。

両者。

互いに。

話せない。

だから。

手動解除が。

必要。

「なら誰が」

「通信が切れる前に判断できている場合と、切れた後で危険が発生する場合を分けます」

*

一つ目。

通信断前に帰還中断済み


両側。

状況。

知っている。

待避点0。

入る。

その後。

通信。

消える。

そこから。

火災。

床面異常。

設備。

不安定。

など。

新しい。

危険。

この場合。

現地。

状態。

見られる人。

必要。

二つ目。

通信断後に待避移行


この場合。

通常通信。

ない。

だから。

そもそも。

待避点0へ。

入るまで。

事前手順。

必要。

「複雑ですね」

サーラ。

「なので」

誠司が答える。

「緊急解除立会は、技術判断役にしません」

*

役目。

分ける。

技術判断


原鍵権限使用立会


別。

立会役。

すること。

一。

手動解除条件が記録上成立しているか確認する。


二。

原鍵権限の使用範囲が待避点0一回に限定されているか確認する。


三。

解除実行前に、通常手段が本当に使えないことを確認する。


四。

使用後、権限が失効したことを確認する。


しないこと。

車両故障診断


走行可否の技術判断


運転命令


解除先の行先決定


原鍵保管権取得


SR-01設定変更


ガランが。

頷く。

「判子を見る人だな」

「かなり近いです」

*

「じゃあ」

若い当番が。

言う。

「原鍵の持ち主は?」

全員。

誠司を見る。

誠司。

黒板。

追加。

原鍵所有者


すること。

第一最終帰還便出発前に、限定された一回権限の発行を許可できる。


しないこと。

緊急時の技術判断


手動解除実行


待避点からの運行命令


「田村さん」

サーラが言う。

「その場で“使え”って言わない?」

「言わない仕組みにします」

原鍵。

持っている人。

安全判断。

して。

自分で。

解除。

まで。

やる。

それでは。

一人に。

集まりすぎる。

*

「でも」

ガラン。

「出発前に許可したら、それは今の田村が未来の緊急解除を決めるってことにならないか?」

誠司。

頷く。

そこ。

問題。

だから。

許可。

内容。

「条件が成立した場合に限り、使用判断を現地手順へ委ねる」


使用。

そのもの。

予約。

ではない。

使用できる。

窓。

作る。

だけ。

使用予定――なし


使用条件不成立時――自動失効


未使用帰着――正常


また。

予備品。

同じ。

使わない。

方が。

いい。

*

名前。

決める。

ロウグ。

候補。

三つ。

書く。

権限借用


誠司。

首。

横。

借りた人が。

原鍵権限を。

持っているように。

見える。

権限複製


全員。

首。

横。

一回照合票


誠司。

「それで」

正式。

SR-01/ORG・一回照合票


票番号。

ORG-RET0-01


原鍵。

そのもの。

ではない。

原鍵を。

照合元。

として。

発行された。

一回。

一用途。

だけの。

票。

*

「発行してみる?」

ガランが。

原鍵箱を見る。

誠司。

首を横に振る。

「本物はまだです」

まず。

模擬。

水車町。

倉庫。

使う。

配送所。

裏。

共通資材庫。

親鍵。

一つ。

複数の。

扉。

開く。

普段。

親鍵。

管理者。

しか。

持たない。

でも。

裏口。

一箇所だけ。

火災時。

避難物資。

出す。

必要。

ある。

「親鍵を」

サーラが。

言う。

「夜当番へ渡さずに、裏口だけ一回開けられるようにする?」

「はい」

*

ガラン。

簡単な。

仕組み。

作る。

扉。

通常鍵。

そのまま。

外。

小さい。

解除札。

差込口。

親鍵を。

管理室で。

使うと。

一枚。

金属札へ。

一回。

刻印。

される。

札。

親鍵の。

形。

していない。

他。

扉。

開かない。

裏口。

一回。

だけ。

使える。

使うと。

内部。

爪。

折れ。

再利用。

不可。

「これなら」

ガラン。

金属札。

見る。

「親鍵をコピーしてない」

「はい」

「でも親鍵を使ったって確認できる」

「はい」

*

条件。

さらに。

二人。

必要。

発行時


親鍵所有者。

+

当日管理当番。

使用時


緊急解除立会。

+

当日安全当番。

同じ人。

兼務。

不可。

「四人?」

若い当番。

「同時ではありません」

発行。

前。

二人。

使用。

もし。

必要。

なった時。

二人。

「夜に二人いなかったら?」

「使えません」

「緊急なのに?」

「一人で親鍵権限を使える方が危険です」

ただし。

本番。

待避点。

一人しか。

人員。

いない。

可能性。

ある。

そこ。

別。

水車町側。

緊急解除立会。

遠隔。

安全当番。

遠隔。

でも。

通常通信。

切れている。

「待避点との局所線は?」

ロウグが。

仕様を見る。

手動解除系統――通常双方向通信と独立


緊急低容量照合線――あり


全員。

少し。

安心。

通常。

通信。

落ちても。

解除コード。

確認。

だけ。

できる。

細い。

線。

残る。

「それも切れたら?」

手動解除不可


「無理に開けない」

「はい」

最終手段にも。

限界。

ある。

*

倉庫。

模擬。

夜当番。

一人。

裏口。

開ける。

必要。

という設定。

通常鍵。

不明。

正面。

煙。

危険。

親鍵。

管理者。

別。

場所。

一回札。

発行済み。

使用側。

サーラ。

緊急解除立会。

安全当番。

ロウグ。

条件。

確認。

正面経路危険――はい


通常裏口鍵使用不能――はい


一回札対象――裏口のみ


使用回数――未使用


解除。

一回。

扉。

開く。

二回目。

札。

差す。

反応。

なし。

使用済


親鍵。

他。

権限。

影響。

なし。

「普通ですね」

サーラが言う。

「普通にできるところまで落としたいです」

誠司が答えた。

*

本番。

一回照合票。

作る。

前に。

原鍵。

現在状態。

確認。

SR-01/ORG

所有――田村誠司


保管――水車町・原鍵封止箱


使用権限変更――なし


日本側SR-01――稼働中


SR-02――未成立


権限分離――未完了


だから。

原鍵。

移動。

不可。

譲渡。

不可。

でも。

限定一回照合票発行――可


条件。

原鍵権限本体を変更しないこと


SR-01通常稼働へ影響しないこと


発行票失効後に残存権限を持たないこと


全部。

満たせる。

*

「発行しますか」

ロウグが。

聞く。

誠司。

雪板。

ガラン。

サーラ。

見る。

第一最終帰還便。

出発。

まだ。

先。

でも。

緊急解除票。

出発前。

必要。

最後の。

安全設備。

の一つ。

「まず」

誠司が言う。

「立会役を決めます」

一回票だけ。

作って。

使う人。

後。

決める。

では。

また。

先に。

仕事。

作る。

圧力。

になる。

*

緊急解除立会


候補条件。

原鍵所有者ではない


第一最終帰還便運転者ではない


車両外技術支援担当ではない


日本側搬入受領担当ではない


SR-01設定権限を持たない


手順照合経験あり


緊急時でも条件未成立なら「使わない」と言える


本人受任――必要


候補。

一名


名前。

非表示。

サーラが。

それを見る。

少し。

嫌な顔。

「何となく分かります」

誠司。

「推測しません」

「はい」

数秒。

本人限定照会。

送る。

*

サーラの。

本人札。

光った。

ガラン。

笑いそうになる。

サーラ。

見る。

「笑わないでください」

「まだ何も言ってない」

「顔が」

候補。

サーラ


*

説明。

全部。

する。

サーラ。

最初。

聞く。

「私が“使う”と決めるんですか」

「いいえ」

「技術判断は?」

「ガランさんたち」

「私は条件だけ」

「はい」

「条件が全部そろっていても、票番号が違ったら?」

「使いません」

「待避点が危険でも?」

「票を使わず、別の救援を探します」

「厳しいですね」

「原鍵なので」

サーラ。

頷く。

*

「解除した後」

「はい」

「車が事故を起こしたら、私の責任?」

「立会手順を正しく実施していれば、運転判断の責任までは持ちません」

「逆に、解除しなかったら?」

「条件未成立なら、それが正しいです」

「未来記録で、解除することになっていても?」

「現在条件が不成立なら使いません」

サーラ。

もう一度。

票。

読む。

「一便だけ」

「はい」

「第一最終帰還便だけ」

「はい」

「それなら受けます」

サーラ

第一最終帰還便

緊急解除立会――受任


恒常役――なし


次便自動継続――なし


*

これで。

原鍵。

一回照合票。

発行。

可能。

封止箱。

開ける。

一人。

では。

しない。

誠司。

原鍵所有者。

ロウグ。

当日記録確認。

サーラ。

立会役。

ガラン。

技術担当。

ただし。

ガランは。

発行判断。

しない。

見ているだけ。

*

箱。

封。

確認。

番号。

一致。

開封。

濃銀色。

小さい。

鍵。

誠司。

手。

取る。

久しぶり。

冷たい。

日本の。

配送所。

鍵。

だった。

はず。

なのに。

今。

世界と世界の。

待避点。

解除権限。

元。

にも。

なっている。

「使うのは」

ロウグが言う。

「原鍵そのものではなく、照合だけ」

「はい」

原鍵。

一回票。

発行台。

横。

置く。

接触。

短い。

表示。

権限源確認――SR-01/ORG


所有者――田村誠司


発行対象――ORG-RET0-01


用途――帰路待避点0・通信断時手動解除


車両――K2D-0713


対象便――第一最終帰還便


使用回数――1


その他権限――0


誠司。

確認。

発行許可――本人意思


押す。

*

薄い。

灰銀色。

札。

一枚。

出る。

鍵。

ではない。

穴。

一つ。

文字。

ORG-RET0-01


裏。

鍵ではない。

一回照合票。


ガランが。

持とうとする。

サーラ。

先に。

「触らないでください」

ガラン。

手。

引く。

「まだ何もしてない」

「顔が」

今日。

二回目。

*

票。

封入。

第一最終帰還便・緊急権限箱


ただし。

満タン便。

車内へ。

積まない。

「雪板さんが持つんじゃ?」

若い当番。

「持ちません」

運転者。

解除権限。

持たない。

水車町側。

保持。

緊急低容量線。

を。

通して。

権限照合。

送る。

物理票。

ここ。

残る。

保管――水車町運行安全受付


使用立会――サーラ


原鍵――別封止箱へ返却


原鍵。

戻す。

封。

新しい。

番号。

記録。

SR-01/ORG

物理移動――なし


所有変更――なし


権限本体変更――なし


一回照合票発行――1


*

「これで」

雪板が言う。

「私は鍵を持たない」

「はい」

「サーラさんも」

「はい」

「でも、必要な時だけ一回解除できる」

「条件がそろえば」

サーラが。

付け足す。

雪板。

笑う。

「そこ大事ですね」

*

模擬。

本番手順。

やる。

車。

送らない。

待避点。

遠隔。

模擬状態。

K2D-0713――待避中と仮定


通常通信――両側断


緊急低容量線――成立


待避床――安定


火災――なし


新規危険――なし


ガラン。

技術判断。

「待避継続が安全」

サーラ。

手動解除条件――不成立


一回票。

使わない。

「でも試験にならない」

若い当番。

「使わない試験も必要です」

次。

待避床温度異常上昇


車両異常――なし


限定移動先――安全


運行可能――技術確認済


通常通信――両側断


緊急低容量線――成立


全部。

成立。

サーラ。

票。

番号。

確認。

対象。

一致。

使用回数。

未使用。

手動解除――模擬許可


実物。

一回票。

消費。

しない。

模擬。

だから。

実権限送信――しない


手順。

成立。

*

「本物を試せないの」

ガランが言う。

「不安ではあるな」

「本物を試すためだけに」

誠司が。

言う。

「待避点へ車を送る方が危険です」

「分かってる」

使わない。

設備。

本番。

一度。

あるか。

ないか。

だからこそ。

可能なところまで。

分けて。

試す。

票。

照合。

通信線。

解除側。

無荷重。

作動。

全部。

個別。

確認。

実車。

だけ。

送らない。

*

第一最終帰還便。

出発条件。

更新。

車両外技術支援――成立


帰路待避点0――使用可


通信断時手動解除――準備成立


緊急解除立会――サーラ


ORG-RET0-01――発行済・未使用


原鍵本体――水車町封止保管


準備率。

六十六パーセント


ガラン。

「三分の二」

誠司。

「まだ出ません」

「分かってる」

*

その夜。

一回照合票。

発行記録。

整理。

ロウグが。

原鍵履歴を。

読む。

SR-01/ORG

派生権限履歴


今まで。

閉じていた。

欄。

開く。

一件目。

ORG-RET0-01

帰路待避点0

第一最終帰還便

発行――現在

使用――未実施


正常。

その下。

二件目。

既存派生権限――一


誠司の。

手が。

止まる。

「既存?」

ロウグ。

開く。

派生権限番号――ORG-EXT-00


用途――SR-01到達範囲・一回延長


全員。

静か。

三日前。

事故。

より。

前。

SR-01。

日本側。

配送所。

帰着系統。

そこから。

水車町まで。

一度だけ。

延ばした。

救援枠。

田村誠司。

を。

事故の。

運転席から。

救うため。

使われた。

あの。

権限。

*

「原鍵そのものを」

サーラが言う。

「使ったんじゃない?」

表示。

SR-01/ORG物理使用――なし


原鍵移動――なし


派生一回権限――使用


誠司。

ゆっくり。

息を吐く。

以前。

分かっていた。

三日前。

原鍵権限。

使われた。

でも。

実際に。

どう。

使われたか。

不明。

だった。

答え。

少し。

出た。

原鍵を。

誰かが。

持ち出した。

のではない。

今。

作ったのと。

同じ考え。

原鍵を移さず、用途を限定した一回権限


それが。

事故前三日。

使われていた。

*

詳細。

ORG-EXT-00


発行元――SR-01/ORG


発行時原鍵所有者――田村誠司


ガランが。

誠司を見る。

「お前?」

「その時の俺は知りません」

しかも。

事故。

三日前。

原鍵。

当時。

日本側。

どこに。

あったか。

誠司。

知らない。

原鍵所有者本人発行操作――なし


「本人がやってない?」

はい


事前発行許可――登録あり


誠司。

顔。

固くなる。

許可者――田村誠司


でも。

発行時刻。

事故三日前より未来の時点


ロウグが。

静かに。

言う。

「未来の田村さんが許可して」

「過去側で一回使った」

時間。

輪。

また。

閉じる。

*

さらに。

ORG-EXT-00

使用目的――緊急人員救援経路延長


対象者――田村誠司


始点――日本側路上・運転席


終点――水車町


使用回数――1


ここ。

既知。

次。

緊急解除立会――一名


全員。

見る。

名前。

未登録


「誰だった?」

サーラ。

さらに。

原鍵所有者――兼務不可


誠司。

除外。

第一配送者――兼務不可


直人。

除外。

救援対象者――兼務不可


誠司。

当然。

日本側帰着当番――兼務不可


小川。

除外。

「小川さんでもない」

ロウグが。

言う。

そして。

最後。

立会者区分――普通人員


役目。

では。

ない。

発行時点役目――なし


「役目なしの人?」

雪板。

「立会した時だけ?」

一回立会

終了後――役目なし


さらに。

開示条件。

ORG-RET0-01未使用失効、または使用完了後。


サーラ。

今。

自分が。

受けた。

一回照合票。

それが。

終わるまで。

過去の。

立会者名。

開かない。

未来。

現在の。

手続へ。

影響。

しないように。

また。

答えを。

隠している。

*

第一配送記録。

最後。

開く。

第一配送記録・鍵権限第一便

鍵を渡せば。

その人は便利になる。


三浦直人。

記録。

でも。

鍵が開けるものが多いほど。

渡した人へ、仕事も増える。


この扉だけ開けてほしいのに。

倉庫も。

車庫も。

帳面も。

全部開けられる鍵を渡す必要はない。


直人。

一度。

失敗。

した。

私は。

「信頼しているから」と言って。

親鍵を渡した。


相手。

返す時。

言った。

「信頼はありがたいです」


「でも、使わない権限まで持たされるのは怖いです」


一行。

空く。

私は。

信頼と権限を。

同じ大きさにしていた。


そして。

必要なのは。

その人を大きく信頼することではなく。

必要な仕事だけを、小さく渡すことだった。


第一配送記録。

最後。

鍵を渡さないことは。

疑うことではない。


余計な責任まで渡さないための。

一つの信頼だった。


第一配送記録。

終了。

*

現在。

SR-01/ORG。

封止。

正常。

ORG-RET0-01。

未使用。

サーラ。

緊急解除立会。

一便限定。

成立。

第一最終帰還便。

また。

一つ。

安全条件。

整った。

しかし。

その仕組みを作ったことで。

事故前三日。

田村誠司を。

水車町へ。

救うため。

SR-01を。

一度だけ延長した。

ORG-EXT-00


にも。

同じような。

一回立会者が。

いたことが。

分かった。

その人は。

直人でも。

小川でも。

誠司本人でもなく。

当時。

何の役目も持っていない。

ただの。

普通人員。

そして。

その名前は。

現在の緊急解除票が。

役目を終えるまで。

開示されない。

事故の三日前。

田村誠司を。

こちら側へ。

迎える経路を。

一度だけ。

静かに開いた人。

その人が誰だったのかは。

まだ。

分かりませんでした。

帰路待避点0の通信断時手動解除について、水車町では原鍵そのものを誰かへ渡さない方式を採用しました。

SR-01/ORGから発行するのは、

ORG-RET0-01


という、一回だけの限定照合票です。

使えるのは、

K2D-0713

第一最終帰還便

帰路待避点0の手動解除

だけ。

SR-01の設定変更や基地変更、人員帰着先変更などには一切使えません。

また、原鍵所有者である田村誠司自身は、緊急時の技術判断や解除実行を担当しません。

水車町側の緊急解除立会を一便限定で受けたのは、サーラ。

サーラは車両を診断する人でも、帰還を命令する人でもありません。

ただ、

条件が成立していること

使用範囲が一回だけであること

通常手段が本当に使えないこと

使用後に権限が失効したこと

を確認する役目です。

そして今回。

原鍵の「派生権限履歴」が初めて開きました。

そこには。

田村誠司の事故前三日にSR-01を水車町まで一度だけ延長した救援権限、

ORG-EXT-00


が記録されていました。

原鍵そのものは当時、移動していません。

使われたのは。

現在と同じ考え方の、用途限定・一回だけの権限。

そして、その救援にも。

一人だけ。

緊急解除立会者がいました。

三浦直人ではありません。

小川健太郎でもありません。

田村誠司本人でもありません。

当時は何の役目も持っていない、普通人員。

その名前は。

現在のORG-RET0-01が役目を終えるまで、まだ開示されません。

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