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毎朝満タンになる補充トラックで異世界配送を始めました  作者: たむ


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126/156

第126話 答えを見ない点検

赤い満タン便と。

日本側工場で待っている、白いK2D-0713。

記録上では、同じ一台。

しかし工場は、車台番号が同じという理由だけでは最終確定しません。

必要なのは三つの独立した記録。

満タン便になる前の白い車。

水車町を出発する直前の赤い車。

そして、日本側工場へ到着した直後の赤い車。

それらを比べるまで。

「同じ一台」という判定は――仮。

そのため水車町は。

満タン便を返す準備を始める前に、一つだけ確認します。

赤い車が動かなくても。

配送網は、ちゃんと動けるのか。

「昨日の未処理は?」

朝。

水車町配送所。

ロウグが。

運行板を確認する。

「西方、なし」

サーラ。

「東方、なし」

「南方」

リアが。

薬草票を見る。

「予定分、全部到着しています。明日の低温便も氷晶箱へ変更済み」

「北方」

エレナ。

「氷晶石補給、通常循環便で到着済み」

「人員共同便」

「二名。どちらも帰着確認済みです」

「返送」

「三件。未処理なし」

誠司は。

最後に。

赤い満タン便を見る。

昨日。

一度も。

動いていない。

それでも。

西。

東。

南。

北。

人。

返送品。

全部。

回った。

「一日だけです」

誠司が言う。

ガランが。

腕を組む。

「三日試すか?」

「通常便を外せることは確認できました」

「なら?」

「緊急代替も見ます」

昨日。

事故。

なし。

救援。

なし。

だから。

満タン便が。

本当に必要になる状況は。

起きなかった。

「赤い車なしで普通に回る」

ロウグが言う。

「それと」

誠司が続ける。

「赤い車なしで、問題が起きても対応できる」

そこは。

別。

*

想定訓練。

実際の事故は。

作らない。

北方路。

小型荷車。

車軸異常。

自走不可。

負傷者。

なし。

積荷。

氷晶石。

少量。

場所。

北方第三標柱。

「満タン便は?」

若い仕分け係が。

運行板を見る。

車両M-001

通常運用停止試験中


使わない。

代替。

北方側。

そり。

一台。

水車町側。

整備小型車。

一台。

中継。

北方第二休憩所。

ガランの弟子。

工具。

車軸仮固定。

積荷。

そりへ移す。

故障荷車。

現地。

安全位置へ。

翌日。

修理便。

「時間は」

ロウグが計る。

満タン便なら。

一往復。

もっと早い。

代替。

中継。

必要。

到着。

遅い。

でも。

氷晶石。

保冷許容内。

人員。

危険なし。

「遅くても」

サーラが言う。

「届く」

「はい」

誠司が答えた。

満タン便を。

手放せる。

というのは。

満タン便と。

同じ速さで。

全部できることではない。

少し遅くても。

少し手間が増えても。

安全に。

続けられること。

それでいい。

満タン便不使用・緊急代替訓練

対応――可能

所要時間――増加

人員安全――維持

積荷品質――維持


最後。

満タン便への単独依存――なし


誠司は。

そこを確認した。

*

昼前。

第一最終帰還便。

準備票。

机。

雪板。

誠司。

ロウグ。

ガラン。

サーラ。

必要な人だけ。

第一最終帰還便

対象――満タン便・車両M-001

車両帰還担当――雪板

出発――水車町

到着――日本側特装工場

工場搬入受領後――車両帰還担当役目終了

本人帰着先――水車町運行者一時帰着所


雪板が。

最後まで読む。

「準備開始したら」

「はい」

「もう通常便では使わない?」

誠司は。

少し考える。

「原則使いません」

原則。

そこを。

曖昧にしないため。

新しい区分。

最終返却準備状態


内容。

通常配送――使用しない

教習――使用しない

貸出――しない

緊急救命――代替不能時のみ使用可


「緊急なら使う?」

雪板が尋ねる。

「人命が掛かっていて、他に手段がなければ」

「その場合」

「準備状態を一度解除します」

返却準備中。

なのに。

そのまま救援へ出て。

戻って。

何も確認せず。

日本側へ出発。

にはしない。

緊急運行。

終了。

再点検。

帰着前固定記録。

取り直し。

必要なら。

出発延期。

「つまり」

ガランが言う。

「返す予定より、人命が上」

「はい」

未来の完成予定。

十一日。

それがあっても。

今。

誰かを見捨てる理由にはしない。

ただし。

緊急でもない普通便へ。

便利だから。

戻さない。

*

雪板。

本人確認。

「準備開始しても、出発前辞退できます」

「はい」

「辞退した場合」

「車両帰還担当を再選定」

「あなたに違約扱い」

「なし」

「今日、開始しますか」

雪板は。

満タン便を見る。

昨日。

動かなかった車。

それでも。

町は。

動いていた。

「はい」

雪板が答えた。

「準備を始めてください」

誠司。

運行責任。

確認。

ガラン。

車両管理。

確認。

ロウグ。

記録。

確認。

第一最終帰還便

準備開始


印。

ごん。

配送帳面。

静かに。

光る。

満タン便・車両M-001

状態変更

車歴B・特装運用中

↓

車歴B・最終返却準備


まだ。

車歴Cではない。

Cは。

日本側への。

最終帰還区間。

始まってから。

「今はBのまま」

エレナが言う。

「はい」

準備を始めただけで。

未来の状態へ。

先に進めない。

*

車両返却所。

満タン便。

エンジン。

停止。

鍵。

ガラン。

保管。

最初に。

荷台。

全部。

降ろす。

通常配送用。

水。

予備容器。

麻縄。

補修木。

工具。

救援毛布。

氷晶箱。

空箱。

一つずつ。

「全部工場へ持っていかない?」

若い仕分け係が尋ねる。

「車両付属品だけ残します」

満タン便へ。

後から載せたもの。

水車町の共有物。

各地域の。

借用品。

それらを。

日本側へ。

勝手に送らない。

車両付属。

何か。

運行の途中で。

工夫として固定された設備は。

別。

ガラン。

一つずつ。

確認。

荷台角。

追加フック。

現地追加。

これは。

車体改善履歴。

残す。

北方で。

付けた。

保冷箱固定受け。

外せる。

だが。

運行記録と。

工場評価対象。

残す。

南方。

雨除け。

布。

消耗品。

交換可能。

水車町共有物。

外す。

西方。

予備水樽。

外す。

「元に戻すんじゃない」

ガランが言う。

「今までの履歴は残す」

「はい」

工場へ返すために。

新品のように。

戻さない。

使った。

直した。

足した。

それを。

そのまま。

見せる。

ただし。

町の荷物まで。

車の一部にしない。

車両付属――残置

配送網共有物――降載

個人物――降載

借用品――返却


荷台。

空に近くなる。

赤い車が。

少し。

違って見えた。

*

次。

運転席。

雪板は。

自分の。

一包。

まだ。

載せない。

本番。

出発直前。

本人携行品。

別確認。

誠司も。

何も。

置かない。

助手席。

始発訪問便で。

小川が使った。

今は。

空。

「助手席系統は?」

ロウグが尋ねる。

「最終返却まで使用しません」

普通人員訪問。

小川。

往復。

完了。

恒久旅客設備。

未整備。

だから。

これから。

新しい訪問者を。

満タン便助手席系統へ。

予約しない。

始発人員線・車両系統

新規旅客受付――停止

既存予約――なし


「先に止めるんですね」

サーラが言う。

「はい」

車を返す前日まで。

旅客予約を受けて。

急に。

使えません。

にはしない。

満タン便から。

仕事を。

一つずつ。

降ろす。

*

そして。

運行記録槽。

外側。

第二保管部。

これまで。

開ける条件が。

満たされていなかった。

今。

表示。

比較封印二

取出可能


ガラン。

誠司。

二名。

確認。

「運行記録原本には触れません」

「分かってる」

外側の。

小さな薄板。

二本の固定具。

封印。

なし。

開く。

中。

薄い。

灰色の箱。

比較封印二

車歴C帰着前固定記録


まだ。

封はされていない。

正確には。

封印用の。

未使用記録箱。

誠司。

外観確認。

損傷。

なし。

開封。

中。

紙。

数枚。

測定用。

細い金属板。

糸。

小さな角度具。

「測る道具まで入ってる」

ガランが言う。

しかし。

一番。

重要なのは。

記録票。

だった。

車歴C帰着前固定記録

注意

車歴Aの測定値を参照せずに記録すること。


ロウグが。

顔を上げる。

「答えを見ない」

「はい」

白い車。

A。

その数値。

水車町には。

送られない。

代わりに。

測定する場所だけ。

書いてある。

測定点一――前部左フレーム基準穴間

測定点二――右後部横材端面

測定点三――運転席下固定部

測定点四――後部床面対角

測定点五――前軸基準刻印位置

測定点六――後部製造打痕


値。

なし。

「向こうの数字を知ってたら」

ガランが言う。

「その数字になるように測りたくなる」

「無意識でも」

誠司は答えた。

一ミリ。

二ミリ。

測り方。

道具の当て方。

変わる。

だから。

場所だけ。

同じ。

値。

独立。

*

さらに。

記録は。

二種類に分かれていた。

基体照合点


そして。

運行履歴点


ガランが。

後半を見る。

運行履歴点一――右側面擦過痕

運行履歴点二――北方補修箇所

運行履歴点三――荷台追加フック

運行履歴点四――保冷受け追加工

運行履歴点五――橋材接触補修


「こっちは」

雪板が言う。

「最初の白い車にはない」

「そうです」

同じ車かどうか。

昔と。

全部同じ。

という意味ではない。

変わっていない。

基礎部分。

そして。

旅の途中で。

変わった部分。

両方。

記録する。

「修理した場所が違うから」

ロウグが言う。

「別の車、にはならない」

「はい」

逆に。

修理したはずなのに。

修理痕が。

どこにもない。

そうなれば。

確認が必要。

同一性。

イコール。

無傷。

ではない。

時間を通った証拠も。

車の一部だった。

*

「今日、測りますか」

ガランが尋ねる。

誠司は。

首を横に振らなかった。

「予備測定だけ」

本番記録。

まだ。

封印しない。

出発当日。

最終点検後。

その時点の値。

それが必要。

でも。

当日。

初めて測って。

道具が合わない。

位置が分からない。

では困る。

だから。

今日。

練習。

比較測定・予備

本記録に転記しない。

目的――測定手順確認


「転記しない?」

若い仕分け係。

「はい」

今日の値を。

本番欄へ。

書き写さない。

出発日に。

もう一度。

測る。

今日の結果は。

測定方法の確認用。

別紙。

誠司は。

一本目。

フレーム。

触らない。

測定。

ガラン。

担当。

ロウグ。

読み上げ。

エレナ。

記録。

同じ点。

二回。

値。

一致。

二点目。

少し。

ずれる。

「二ミリ」

ガランが言う。

道具。

斜め。

当たっている。

基準面。

どこまでか。

図が。

分かりにくい。

「本番だったら」

ロウグが言う。

「二人で違う値」

「だから今日やる」

図。

補助注記。

ただし。

元票には。

書き込まない。

水車町側の。

測定手順票へ。

測定点二

金属板端面を基準面へ平行に当てる


これで。

一致。

「未来の数字へ合わせるんじゃなく」

エレナが言う。

「今、同じ測り方に合わせる」

「はい」

*

測定点三。

運転席下。

少し。

難しい。

座席。

外さない。

外さず。

見える。

固定部。

そこへ。

小さな角度具。

「これ」

ガランが。

下を覗く。

「修理してるな」

誠司も。

見る。

小さな。

金属板。

追加。

溶接。

「いつ?」

整備帳。

探す。

かなり前。

水車町。

配送所を。

今ほど。

整える前。

荷台側の。

大きな修理は。

記録がある。

でも。

運転席下。

補助板。

記録。

ない。

「第一配送者時代?」

ロウグが言う。

誠司は。

すぐには答えない。

古い。

錆。

塗装。

赤。

重ね塗り。

少なくとも。

最近ではない。

「測定できる?」

「できる」

補助板があっても。

基準穴。

残っている。

数値。

予備。

記録。

「無記録修理」

安全受付。

黄色。

運転席下補助板

施工時期――不明

現在異常――なし

比較照合へ影響する可能性――あり


「外す?」

若い仕分け係。

「外しません」

ガランが。

即答。

安全に。

働いている補強を。

比較のために。

剥がさない。

まず。

現状記録。

工場へ。

質問。

ただし。

Aの値は。

聞かない。

測定点三に未記録補助板あり。

測定値自体は取得可能。

現状のまま記録してよいか。


返答。

可。

補助板を取り外さないこと。

比較対象は基体点と改修履歴を分離して評価する。


「よし」

ガランが言う。

古い。

知らない修理。

それも。

帰す。

*

午後。

満タン便。

今度は。

状態写真の代わり。

詳細図。

水車町には。

写真設備。

ない。

だから。

エレナ。

車体四面。

図。

傷。

位置。

塗装。

修理。

番号。

ガラン。

寸法。

ロウグ。

記録。

雪板。

運転席。

操作。

現在異常。

確認。

誠司は。

全部。

やらない。

一人で。

車を知りすぎているから。

自分の思い込みが。

入る。

「田村さん、見ないんですか」

若い仕分け係が尋ねる。

「最後に一覧だけ見ます」

測る人。

描く人。

運転確認する人。

分ける。

「車両管理者のガランも」

エレナが言う。

「全部の記録は見ない?」

「俺は寸法と修理」

ガランが答える。

外観図。

エレナ。

操作。

雪板。

荷物。

サーラ。

一人の。

“分かっている”。

で。

全項目を埋めない。

*

夕方。

予備測定。

終了。

比較測定予行――完了

測定不能点――なし

不明改修――一件

安全上の除去必要――なし


第一最終帰還便。

準備率。

表示。

十七パーセント


「低い」

ガランが言う。

「始めたばかりです」

「あと八十三」

「急がない」

雪板が。

先に言った。

ガランが。

笑う。

「もう完全に田村だな」

雪板は。

少し嫌そうな顔をした。

「そこまでは」

誠司も。

少し笑った。

*

翌朝。

満タン便。

まだ。

動かない。

配送網。

動く。

返却準備。

二日目。

最初に。

やったのは。

満タン便ではない。

南方低温便。

氷晶箱。

出発確認。

「満タン便を返す準備のせいで」

誠司が言う。

「今の配送が雑になったら意味がありません」

通常運行。

先。

そのあと。

返却準備。

*

昼前。

比較封印二の。

未使用票を。

保管箱へ戻そうとしたとき。

ロウグが。

紙の裏。

小さな欄を見つけた。

「これ」

車歴同一性最終判定後

処理分岐


一。

同一判定――車歴A→B→C→Dを継続


二。

不一致判定――別車両登録へ移行


「別車両」

エレナが言う。

もし。

工場で。

違う車だと判定されたら。

時間の輪。

壊れる。

ように見える。

だが。

さらに。

不一致時

運行実績、配送受領、事故記録、修理記録は無効化しない。


誠司が。

そこへ線を引く。

「よかった」

同じ車か。

違う車か。

その判定が変わっても。

水車町で。

荷物を運んだ事実。

人を助けた事実。

事故。

修理。

消えない。

車歴系統のみ再分類


結果へ。

記録を。

合わせない。

もし。

別だった。

なら。

別だったと。

直す。

これまで全部。

なかったことにしない。

*

その下。

別車両登録の場合。

仮名称。

M-001R


ガランが。

眉を寄せる。

「R?」

意味。

Returned Unit / 返着個体


つまり。

白いK2D-0713とは。

別の物理車両だった場合。

赤い満タン便を。

返着個体として。

別登録する。

「そこまで考えてるんですね」

ロウグが言う。

「工場が」

誠司は答えた。

信じたい結果。

ではなく。

どちらでも。

処理できるようにしている。

それが。

比較。

*

しかし。

さらに。

一番下。

同一性判定に関係なく継続する工程


満タン便名称継承

配送帳面原本受領

SR-01設定

水車町帰着標準・SR-02継承


「車が別でも?」

サーラが言う。

「はい」

満タン便の名前。

配送網。

帰着手順。

それは。

一台の鉄の車が。

時間の輪として。

完全に一致しているから。

価値があるのではない。

人が。

実際に。

使った。

改善した。

返した。

そこから。

生まれたもの。

車体同一性。

それだけに。

全部を依存させない。

「物流網らしいですね」

エレナが言った。

「一個壊れて、全部止まらない」

誠司は頷いた。

*

そのとき。

配送帳面。

新しい表示。

第一最終帰還便準備開始を確認。


続く。

車歴循環・始端工程

表示制限を一部解除。


「始端?」

ロウグが。

読む。

車歴。

A。

白。

特装。

B。

満タン便。

初回納車。

水車町。

長期仮預託。

運用。

C。

工場へ帰る。

D。

白へ戻る。

その。

AからBへ。

切り替わる。

最初の納車工程。

以前。

残っていた空欄。

初回納車便

差出――日本側特装工場

到着――水車町配送所設立以前

正式受取確認――田村誠司

再出発担当候補――三浦直人

運行者――未登録


そこ。

表示が。

変わった。

初回納車便・運行者候補

条件該当者――一名


全員。

静かになる。

誠司は。

すぐ。

名前を開かない。

「役目条件を先に」

初回納車便・運行者条件


一。

K2D-0713車歴Aを直接取り扱った経験


二。

M-001完成状態を工場で確認


三。

始発線車両通行教習


四。

初回納車後の本人帰着経路登録


五。

本人受任


ガランが。

一番目を見る。

「Aを扱ったことがある」

二番目。

「完成後も見る」

ロウグが。

現在の。

工場記録を開く。

白いK2D-0713。

車歴A。

保管担当。

将来。

赤いC。

搬入受領立会候補。

原鍵発送担当条件にも。

関係する。

そして。

表示。

条件該当者

車歴A保管担当


「同じ人」

エレナが言った。

現在。

白いK2D-0713を。

工場で預かっている人物。

その人物が。

赤い満タン便を。

帰着時に受け取る候補。

さらに。

完成した満タン便を。

始発線へ送り出す最初の運転者候補。

「でも」

雪板が。

表示の四番を見る。

初回納車後の本人帰着経路登録


「これ」

誠司も。

同じ場所を見ていた。

車を。

水車町へ。

初回納車する。

そのあと。

運転者が。

日本側へ帰る道。

必要。

表示。

初回納車便運行者

帰着先――未登録


「また」

サーラが言う。

車は。

水車町へ届いた。

三浦直人が。

長期仮預かり。

した。

でも。

車を。

そこまで運んだ人。

その人自身が。

どう帰ったのか。

記録がない。

さらに。

初回納車便

車両到着――完了済み

運行者帰着――未完了


部屋が。

静かになる。

満タン便は。

とっくに。

水車町へ届いている。

何年も。

何十年も。

それ以上。

走った。

なのに。

その。

最初の納車便。

車を運んだ人だけが。

まだ。

帰着完了になっていなかった。

名前。

まだ。

非表示。

ただ。

現在地。

日本側特装工場


生存。

確認済み


そして。

現在役目。

K2D-0713車歴A保管担当


同じ人。

白い車が。

満タン便になる前を見て。

赤い満タン便が。

帰ってくるのを待っている人。

その人物は。

工場で働いているだけではなかった。

記録上。

満タン便の。

最初の納車を終えたあと。

まだ一度も。

「帰着したこと」になっていない。

水車町では、満タン便を一日止めても通常物流が回ることに加え、満タン便を使わない緊急代替訓練も実施しました。

通常運行だけでなく、故障や救援時にも代替手段が機能することを確認した上で――

第一最終帰還便の準備が正式に開始されています。

満タン便は現在、

車歴B・特装運用中

から、

車歴B・最終返却準備

へ移行しました。

通常配送や教習からは外れ、代替不能の人命救助時のみ、準備状態を一度解除して使用できます。

また、満タン便の外側第二保管部から「比較封印二」が取り出されました。

これは車歴Aの答えを知らないまま、水車町側が独立して車体状態を測定するための記録です。

白い車の測定値は水車町へ知らされません。

同じ数値へ“合わせてしまう”ことを防ぐためです。

そして第一最終帰還便の準備開始によって、車歴循環の始端側にも新しい情報が現れました。

完成した満タン便を日本側特装工場から、水車町配送所設立以前へ届ける「初回納車便」。

その運行者候補は――

現在、日本側工場で白いK2D-0713・車歴Aを保管している人物。

ところが、その初回納車便には一つ重大な未完了があります。

車両は、とっくに水車町へ到着済み。

しかし。

初回納車を行った運転者本人の帰着だけが、まだ完了していません。

その人物は現在も生きており。

日本側特装工場にいます。

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