表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/13

13話「賢者……そして」


「ふん、初めましてなぞ白々しい。全く……あれほど禁術はやめておけと言っておいたのに」

「お師匠様……あの方達は?」

「あれが……残念ながら救世主という奴だ」


 私の前でライデルとライトが意味深な会話をしている。

 ……全然ゲームと展開違うんですけど!


「ルーチェ、あれが……揺蕩うライデルか?」

「うん。だけど……」

「おい、ライデルってあのライデルかエルドア!?」


 オーツがエルドアにそう聞いたが、めんどくさそうにエルドアはそうだよ、と答えた。


「ライデル様に……なぜ私の事を?」


 初対面のはずだけど……。


「ばかもの! あれほど禁術を、特に時流を弄る事はするなと言ったのに」

「えっと【時の逆撫】?」


 何を言っているのだろうか。なぜその魔法を使って時間を戻した事を知っているのだろうか。


「記憶を無くしておるのか」

「いえ、ばっちり覚えていますが」


 クロイスに出会った事は絶対に忘れない。


「やれやれ……やはり忘れておるか。“目覚めよ”【覚醒】」


 そう、ライデルが言った瞬間に、頭の中で、様々な記憶が蘇る。


「……これは……」


 エルドアやオーツ、竜王、それにライデルやライト達を従えた私が女王になり、この国を建て直す記憶だ。

 しかし、その後、この国は崩壊する。


 私のせいで。


 だから私は使ったのだ。【時の逆撫】を。


 この幼少期に戻り、やり直す為。


 だというのに、私は記憶を無くしてしまい、結局同じ道を歩みかけているようだ。


「ライデル様は……記憶を残したままなのですね」

「そうじゃ。儂は魂を縛っておるからな。いわば、時の流れの中で錨を降ろし、揺れる小舟のようなもの」

「……何を言っているかさっぱり分からないな」

「心配するなエルドア。僕もわからん」


 エルドアとオーツは既に理解する事を放棄しているようだ。


「全く……だからわざわざ儂がこうやって来てやったんじゃ……」

「あの未来は回避できるのですか?」

「そのために危険を冒して禁術を使ったのじゃろうが」

「そうでした」

「行くぞ。ルーチェよ、貴様に必要なのは、フラグを立てる事でも折る事でも恋をする事でもない。魔術の修行じゃ」

「……はい」


 こうして私は、ライデルとライトを引き連れて、無事地上に戻ったのだった。



☆☆☆


 10年後



「ようやくこの時が来たわ!」

「で、今度は大丈夫なのか?」


 意気込む私をエルドアが窘めた。騎士団長になったエルドアが剣についた血を払った。

 既に、王の護衛達は全員斬り伏せてあった。


「ルーチェ様なら大丈夫です!」


 ライトが励ましてくれる。


「貴様は……クロイツ家の!」

「こんにちはミールディア王」


 玉座で震える、老人に私はゆっくりと微笑むかけた。


「随分と財産を溜め込んでいらっしゃるとか。しかも隣国に亡命する準備も完璧でしたね。崩れゆく自国の建て直しもせずに……それと私の暗殺計画もどうもお疲れ様でした。残念ながら全て無駄に終わりましたが」

「魔女め! くそ! 貴様さえいなければ! ゼンギル卿の息子よ! 助けてくれ!」


 逃げようとする王をエルドアが剣で遮った。


「貴族連中は全員俺が掌握済みだ。あんたから王位剥奪の許可も出ている。すまんが大人しく捕まってくれ」

「くそ……くそ……! 貴様のような小娘に何ができる! この国はもう終わりだ!」

「エルドア、地下牢獄へと叩き込みなさい」

「処刑しないのか?」

「その価値もないわ」

「分かった」


 そう言って、エルドアが王いや元、王を連行していく。


「それで、ルーチェ様……これからどうされるのですか?」

「決まってるわ……まずは根本から叩き潰して……スクラップアンドビルドよ!」


 私は玉座へ座り、そう宣言したのだった。


というわけで?

一旦ここで筆を下ろさせていただきます

ここまで読んでいただきありがとうございました


続きは何かの拍子で書くかもしれませんが……


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 続きが気になる作品でした
[良い点] オチの作り方が上手い。流石ランカー上位勢。 [気になる点] 賢者様重要な役割果たしていますね。 [一言] 創作もスクラップ&ビルド。また続きが読めることを期待しつつ……お疲れさまでした。
2020/05/01 17:59 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ