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咲かなくていい花が咲いた……

アリス様は咲かせなくていい花を咲かせたようです。


さぁ!やって参りました放課後!仕込みは十分だよ!


「~〜!!!!」


「〜〜よ!!!」


おっ!隣の教室騒がしいですなぁ。

上手くいってるようで何より。


隣の教室を覗くとリリアとローゼリア荒ぶるクソ女(マリア)に怒鳴られている。

すごく威圧的で傲慢な態度で怒鳴り散らすマリアに泣きそうになりながら抗議するリリアとローゼリア。

涙を流しながらマリアに立ち向かって居たが言葉につまり俯くリリア。


よしそろそろそろだ。


言い負かしたな、とフンと2人を鼻で笑い立ち去ろうそするマリアの袖を掴み足止めするリリアそれを振り払うマリア。

リリアは盛大に飛ばされ机を巻き込み床に打ちひしがれる。

思いの外ぶっ飛んだリリアにマリアは唖然とする。

そりゃそうですよね、仕込みですもん。ぶっ飛ぶ練習も涙の練習も散々しましたから。

周囲の目はマリアに冷たくリリアを心配そうに見つめるが、皆マリアのハーレムを恐れてかリリアを助けに行くことは無い。


「ふん!何よわざとらしく転んで!私そんなに強く払ったつもり無いのに、なんの嫌がらせよ!こんな事でオスカー様の気は引けないわよ!第一彼は見てないし、私の言うことを信じるもの。」


嫌味たっぷりに鼻で笑うマリア。

いやいやアホ女(マリア)さん?

どんだけ攻略対象達(アホども)の事しか考えてないの?

ここはゲームの世界と違いモブでいらっしゃる一般生徒達は普通に生きてますからこれらを見ていて、あんた嫌われてるのにさらに嫌われるよ?

厨房の時しかり。

何でお前は周りを気にしない?

普通に男爵(イモ)令嬢より立場が上の貴族さん達も居るよ?

お前実家の事がとか社交界の事とか考えてる?

おっとそれどころではない。

リリアがボロ泣きだ!


「何をしておりますの!」


凛としたアリスの声が教室に響き皆そちらを見る。

アリスは優雅に見惚れるような歩みでマリア達に向かっていくと、泣いているリリアに手を差し伸べて微笑む。

それは聖母のように慈愛に充ちた優しい微笑みだった。

微笑まれたリリアは泣くのをやめてアリスの手を取り立ち上がる。

アリスはそっとリリアを抱きしめ落ち着かせるように背をさする。

自分の服が涙で濡れる事を厭わぬその優しさ。そして所作の美しさに皆が見惚れるような。

そんな中舌打ちして立ち去ろうとするマリア。


「お待ちなさい!」


ピシャリとその背に声をかける。

マリアは足を止め振り返り、アリスを睨む。

リリアからそっと身体を離してハンカチを渡し優しく微笑むと、マリアに向き直る。

その顔は高貴で高圧的、何とも言えぬ迫力が有る。

怯むマリア。


「なんですか?リウォンダー様?」


「なぜわたくしのリリアが床に打ち捨てられ泣いていましたの?」


「リリア様が勝手に転んだだけです。机を倒すほど転ぶなんて、はしたなくて哀れですね。」


ニッコリ微笑むマリア。

愛らしい笑顔とは裏腹に言ってること酷い。


おいおいいつものワントーン高い声どうした?

攻略対象達(アホども)が居ないとお前の声帯取り替えられてるのか?

後嫌味言ってるけどオブラートにも何も包んで無いからただの悪口やん。


「違いますわ、ウェルシー様につきとばされました。」


ローゼリアが涙を流しながら震える小さな声で言った。


「何言ってるの?リリア様が勝手に転んだんでしょ?」


マリアが笑顔の圧をかける。


「まぁローゼリア、マリア様?どういう事ですの?」


「ローゼリア様の戯言よ。私軽く手を払っただけですもの。」


「つまり突き飛ばしたのね?」


「だ〜か〜ら〜!私は何も」


「貴女の言うことなんて信じませんわ。わたくしローゼリアの言うことを信じます。それに皆様も一部始終をみてらしたのでしょ?そこの貴方。リリアを泣かせ突き飛ばしたのはマリア様ね?」


指名された男子生徒は力強くはいと頷いた。

他の生徒達も口々にマリアが悪いと賛同する。

教室中マリアを非難する。


「貴女の言うことなんて誰も信じませんし何より皆様が見ていましたわ。それに貴女は嘘つきですもの。」


「その他大勢になんて何を言われてもどうでもいいです。エドワルド様は私を信じてくださるもの。」


勝ち誇ったように笑い、エドワルドの心は自分のもの、とアリスに口撃する。


「別にエドワルド様にどう思われようとわたくしには関係ありませんわ。婚約者ですけれどわたくしエドワルド様の事を愛するのは義務ではないのですから。政略結婚とはそういうものです。ですが婚約者として、そして公爵令嬢としてわたくし貴女に注意しました。それだけです。わたくしの心は私のもの。そこにエドワルド様は関係ありませんわ。」


ザワつく教室内。

これで私がエドワルド好きでないと広まるだろう。

嫉妬に狂ってマリアいじめとかの噂も減るし、あっ、やっぱり俺の事!的な事攻略対象達(アホども)も勘違いし安くなって一石二鳥。

地味に愛する人を奪われて嫉妬に狂って、こいついじめてるって噂嫌だったんだよね〜。

後こいつが私がエドワルドの事が好きだと思ってちょくちょく攻撃してくるのもウザかった。

今後私がエドワルドに婚約破棄されても、嫉妬に狂っていじめをするような嫌な女として扱われたら婚期が遅れる。

私はエドワルド(アホ)なんかじゃ無くもっといい物件(けっこんあいて)探す予定だから、エドワルドの事が好きと思われるの嫌なんだよね。

婚約破棄はエドワルドがすると思うし、その時傷物の私を修道院に入れるとかさせないように、手近でそれなりの物件(けっこんあいて)探しておいて、なんなら既成事実作っとけば嫁げる。

それなりの嫁ぎ先なら文句は多少言っても行き遅れの傷物よりマシだろう。

すまんな父上!娘はたくましいんだよ!

嫁ぐ時もそれなりの美談作っとくからかんべんな!


口撃が効かないと苦虫をかみ潰したような顔のマリア。


どうする?お前の頼りの攻略対象達(アホナイト)はオスカー&リアンと言う私の手下コンビに。

マリアの為に秘密で贈り物をしましょう。我々だけで買い物に行きましょうとお前にわざと聞こえるようにひそひそ話して貰って今頃街だぜ?

その時気分良くして気づかないフリして見送らなきゃ良かったね〜

全部仕込みだよ!ばーか笑

手下(オスカー&リアン)が最近心離れていると思ってたから喜んだでしょ?

そしてまだあいつら自分の味方だと思ってるでしょ?

あ〜何も言えず固まってますね笑


教室中の視線に、何より口撃できる相手だと思って見下していたアリスに何も通じず、分が悪いと思ったのかマリアは教室から逃げるように走り去った。


「さぁ皆様。わたくし達は大丈夫ですわ。味方して下さりありがとうございました。帰りましょう。」


アリスは微笑み帰りを促すと、野次馬たちは帰っていく。

アリスは飛ばされた机を直す。

ローゼリアとリリアもアリスにならい机を直す。


「リリア、ローゼリア。参りましょう。」


2人を連れて教室を出た。

そして談話室に向かうと2人を抱きしめた。


「思った以上にマリア様に痛手を負わせられましたわ!2人共!ありがとう!」


無邪気に笑うアリスに釣られて2人も笑顔になる。


「まさかマリア様があんな性格だとは。そして周囲にあんなにも簡単に本性を晒すとは……あの方は少々頭が足りないのか?」


「……。」


「ええ、あの方だいぶバ……残念な頭の作りをしてるようですわね。」


「あれに唆されたと思うとリアンの不甲斐なさに頭が痛い。」


「……。」


「……どうしましたの?リリア?」


「……わ、」


「わ?」


「私のリリアって!」


「へ?」


「前々から感じてたアリスへのこの思い、今日で分かりましたわ!」


「えっ?リリア?」


「エドワルド様にお心無いとわかった時の歓喜。そしてアリスの心は……。」


「ん?リリア?」


頬を初め自身を抱きしめ悶えるリリア。


嫌な予感がするぞ。


「悲しみに打ちひしがれる私への呼び出して希望を与えてくださったアリス。」


あれか?もしや対面イベントと同時に悩みを解決してしまったのか??


「リリアと呼んで下さり、私にもアリスと呼ばせて頂ける嬉しさ。」


名前呼びイベントですか?(冷や汗)


「私に作って下さった、サンドイッチ。」


手作りのプレゼントとって事ですか?(違うと信じたい)

ローゼリアにも作ったぞ!おーい!


「涙する私を抱きしめてくださった時の胸のときめきは正しく!」


「あの、リリア?わたくし達女性同士ですし、わたく」「分かってますわ!これは禁断の思い!!口にしてはいけないのですね!私の心はもちろん!」


あかんヤツやこれ。

攻略対象達(アホども)みたいになってる。乙女ゲームの登場人物は総じてこんなのなのか?

えっ?もしかしてローゼリアも?


「何を言ってるんだリリア。」


あっ、ローゼリアはまとも。


「アリスの心は言わなくてもわかっているだろ?リリアでは無く……。」


ポッと頬を染めてこちらを見るローゼリア。


ブルータスお前もか。


「わっ!わたくし公爵令嬢として結婚しなくてはなりませんの!」


「分かっていますわ!政略結婚。でも心は自分だけのものです物ね!」


「マリア様のハーレムを壊せば2人には想い人が」


「私たちの為にやってくれるんだね!」


やだこれ話し通じない。


「これからはわたくしの仕事ですのでお二人は結構です。」


「陰ながらアリスを見守るわ。」


「アリスが私を必要な時はいつでも頼ってくれ。」


「ありがとうございます。それではこれで……。」


「アリス!これからも私……。」


「私はアリスのそばに居るから!」


「私も!」


「わたくし1人で行動したくて……。」


「もちろんこの思い気づかれないようにアリスのそばにいるさ。」


「あはは……。ありがとうございます。」


「私の大切なアリス。」


「何よりも愛しい人。」


うん、これから行動には気をつけよう。




それからは攻略対象達とコソコソ会って親密度を上げて告白はさせず、情報を集めさせるのに。

リリアとローゼリアから逃げるのもプラスされた。



カフェテリア。

道行く男子生徒を察するアリス。

読んで下さりありがとうございます

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