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L.C-T  作者: 猫湊
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13章 この人達にざまぁ系は無理だね

学校調査

正式には「学校を拠点とした形の一定範囲、一定期間における超広域宙域の情勢調査」とか言う長ったらしい名前なのだが、要は主師が持つ情報網や情報集集能力を使い一定範囲の情勢を調査する際の拠点として学校に生徒、もしくは教員として在籍し一定期間3年か6年の間、これを主に行うという王国主師独自の公務である。


「ランゲルハンス公爵令嬢リンクリス!」

「「なんぞ?」」

憎らしげに銀髪のあの女生徒に声を駆けたらその周りに居た他の生徒も一斉に振り向いてたじろいだこの国の王子。

よく有る断罪をしようというのだが、振り向きざまに主師が誇るつり目4人に一斉ににらまれたら言葉を詰まらせたじろいでも仕方ない。

「―というわけでこの国の王子の名において、貴様との…。」

「スターップ。」

神子が王子の言葉を遮る。不満げに機嫌を斜めにして神子をにらむ王子。

「それ以上言ったら君の立場なくなることを言わなければならないんだけど大丈夫?」

「何を分け分からないことを。今このときをもって、貴様との婚約を破棄し…。」

「破棄も何も私はあなた様とは初対面ですが?」

しーんと場が静まる。

「私は今日藍蒼での残務処理が終わり合流しました。確かに私の名はリンクリスですがあなたの言うような低い地位ではありませんよ。」

リンは蒼藍王国に12有る爵位のうち上から二番目の公爵位を有する。姉の神子は皇爵である。

「あなたは何者ですか?他国の、それも格上の王族であり宰相位にある者を頭ごなしに罵倒できるほどあなたはえらいのですか?」

「俺はこの国の王位継承権第一位の王子だ。」

[ああ、あのぼんくら中のぼんくら王子。あなたに一つ教えてあげますが、あなたには元々婚約者など居ませんよ。それと、蒼藍王国国王として星間連合加盟各国政府に宣言します。現時点をもって、-王国は藍蒼条約同盟加盟資格を喪失した者と見なし、藍蒼条約同盟加盟各国との国交が自動的に消失しました。]

星間国家にとってこれは死刑宣告。

「そもそもリンは悪役令嬢やっちゃだめだよね。」

[僕の方が目つき鋭いんですけどね。]

「リンの場合は普段が無表情だもん」

遥夢と御山家3人は皆つり目であり、その中でも遥夢が一番目つきが鋭い。

「きさまら、いったい何をこそこそと。」

「あ、まだ居たんだボンクラーズ。用が終わったんならさっさと帰り。」

「な。」

絶句する王子。

「リンクリス様、今なら皆さん許してくださいますから、罪をお認めになってくださいませ。」

「とは…言っても…ねぇ?」

「俺のほう向いて言うなよ。」

相も変わらずな親友同士の掛け合いである。

[リンは今日初めてこの学園に来たばかりで知り合いというか取り巻きも居ないんですけどねえ。

あ、僕らか僕らの友人取り巻きにやらせたとか言う戯れ言抜かさないでくださいね。

取り巻き侍らせる何で意味も無く面倒くさいこと僕らがやるわけないじゃないですか。

あなたが、僕のような髪型でもう少し胸があったらそこの銀髪変人が、ちょっかいかけたかも知れないですけど、この子は結構好みがうるさいですからねえ。

「ところで君は、リンの何を知って、何をしようとしたのかんぬぁあ?」

神子がにたりと笑う。その顔だけで、一国滅ぼせると言われるほどの神子のにたり顔に少女は怯える。

「まあ、いいや。分かってるし。まずはそれに対して一言。君の前世の方が創作だからね。」

主師以外の頭にはてなが浮かぶ。

「君は君の前世でプレイしたゲームのヒロインに転生したと思い込んだ。

しかもご丁寧に攻略対象と、悪役令嬢の名前まで一緒だ。でもね、一言言わせて貰うと、何で好きでも何でも無い相手ののろけ話を散々っぱら、公衆の面前で大声で叫かれたあげく、道ばたの砂利以上にどうでも良い相手から『おまえは俺のことが好きだから彼女をいじめたんだろうそうに違いない。』とか言うくだらない破綻した理論を延々と言われなきゃあかんの。うちゃそいつの顔面にロケットパンチぶち込むね。」

「まして、創造界世界最大の国家の王族。それも、国外に対して絶大なる影響力を持つ者に直接真正面から堂々とばかでかいあの舞浜の夢の国の王様ネズミの手袋レベルの物を思いっきり投げつけられたんだから、我が国としては喧嘩は買わないとねえ。」

翌日、この国は世界中からえんがちょされ、その全ての責任はぼんくら王子と取り巻き4人にあるとされた。さらにそのうちの一人は、彼の国の王族の弟を名乗っていたことから各国から非難が集中。

馬鹿どもは国外追放を言い渡されるも各国からぼんくら押しつけるなコールが集中。仕方なく、片隅の☆に追いやったが、数日もせずに自分たちも追いやられた。


[子が馬鹿で親は聡明とは限らないんですねえ。」

王国宙軍によりこの国が未来永劫地図の上から消し去られたのはこの事件からわずか一月後だった。

「僕らにざまぁさせたらだめだお。ねえ正規君。」

「俺に振るな、一人称を僕にするな、ネットスラング的な語尾にするな。気持ち悪い。」

「自分でもきもかった。」

手遅れである

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